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たおやか日記

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恋人との健やかな日々を紡いでいきます。 SNSをやっていない人なので、記念日にまとめてお披露目しています。 「彼氏・彼女」ではなく「恋人」という言葉にこだわっていると話したら…
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#彼氏彼女

君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった

君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった

もっと昔の君と出会えていたら…

お揃いの制服で2人乗りする高校生を見て、ふいにパラレルワールドの私達へ思いを馳せる。

バド部の君と、吹部の私。

朝は一緒に登校して、廊下で手を振って、帰りは公園でお喋りした後、家まで送ってくれる。

みたいな。

君は優しいから、演奏会は毎回必ず顔を出してくれるはず。

「泣いてないもん」
なんて言いながら、きっとボロボロ泣いて定期演奏会の感想を教えてくれるん

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溢れんばかりの春を揺らそう

溢れんばかりの春を揺らそう

「あれ、なんでいるの!え!どうしよ!」

今日に限ってJRではなく、御堂筋だった私。
自転車を置いた君にばったり会った。

予定よりも早く会えてラッキー!なんて思っていたのに、なんだか君はオロオロ落ち着かない…

大丈夫??なんかあった??

「実は、会った時にお花渡したくて…買いに行く途中で…間に合わなくてごめんね」

なんてこった!!!

私が1番好きだと言ったお花を覚えていてくれて、バレンタ

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不確定な未来の内側で

不確定な未来の内側で

その微笑ましい君の横顔を見るたびに、あぁ、
いつかちゃんと言わないとって思ってしまう。

悪いことをした訳じゃないのに、騙しているみたいでモヤモヤする。

最寄りのバス停の前には、小さな保育園がある。

バスが来るまでの間、ガラス越しに見える小さな生き物達を眺めては、勝手にアフレコをするのが私達の日課だ。

上手に靴が履けなくて泣いている子や、それを
手伝ってあげる優しい子。

そして、彼らを愛お

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ポトラッチズム!

ポトラッチズム!

破滅的で暴力的。けれど最も美しい贈与交換。

北米の民族間で行われてきた“ポトラッチ”

ある時期を迎えると、彼らは金銀財宝はもちろん家屋や家畜、生きていく上で必要な物資なんかも
丸ごと焼き尽くしたり、海に投げ捨てたりする。

相手よりも多く財産を捨てること。
こんなのは余裕なんだと見せつけ合うこと。
負けた一族は、隷属的な支配を受ける運命。

全てを投げ打ち、家族を守る。先祖への敬意。
一族とし

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トレモロ・ミルフィーユ

トレモロ・ミルフィーユ

“慮る6日間”と一週間ぶりの“答え合わせ”

それは、今日も変わらず君を想っている証拠で。
こんな関係も、なんだかんだ心地良いと思える。

本当はやり過ごすつもりだった恋人の連絡不精。

君が思っている百億倍、私は連絡を心待ちにして
携帯が鳴るたびに期待して、本当に淋しくて。
それでも強要はしたくないし、喧嘩も嫌なの。

考えれば考えるほど八方塞がりだ。
この涙は、墓場まで持っていこう。そう決めた

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一緒に住めば、全部解決するんかな

一緒に住めば、全部解決するんかな

おはよう。おやすみ。今日も楽しいことあった?
これ美味しかったんだよ〜今度一緒に行こうね。
好き。ううん、私の方が好き。

会えない間も同じ密度で、そばにいたいなんて。

やっぱり、私って強欲すぎるのでしょうか。

恋人は、連絡不精だ。

会っている時はとんでもなく饒舌で、些細な
つまらない出来事だって、喜劇に変えてくれる。

君と話す時、いつも世界が煌めいているのだよ。

だったら、きっとLIN

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てめえのはんどる

てめえのはんどる

「それでも運転席から降りたらいけないよ」
隣に座る恋人が、真剣な眼差しでそっと呟く。

うん、そうだね。ちゃんと両手で握らないとね。

新進気鋭の人類学者インゴルドはこう考察する。

向かい合うより、横並びの方が親密になれると。

向かい合う時。
それは、相手の背後ばかりを見て、嘘に気づかず
誤魔化し合い、意識が散漫してしまう。

隣に並んで歩く時。
目をじっと合わせずとも、景色を共有しながら、

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唯の日常なんて

唯の日常なんて

知らなかった。
自分の誕生日より浮かれる日があるなんて。

「誕生日なんて唯の日常。何もしなくて良いよ」

どこまでもアッサリしている君が呟く。
ううん、君が良くても私が駄目なんだよ。

けれど、一度も恋人の誕生日を祝ったことの無い
私には、知識も、経験も、日数も限られていて。

そうだ。

今の私に出来る最高の料理ラザニアを作ろう。
余ってるチェックの布で、テーブルクロスも。
君が私に似てるって

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ゆらゆら海ブドウ

ゆらゆら海ブドウ

「割烹着、欲しいなぁ」

昼下がりの商店街を歩いていると、君が呟いた。

え、エプロンじゃなくて?なんで??
サザエさんのフネが着てるやつだよね??

頭の中がハテナで埋め尽くされていく数秒の間、
「じゃあ作るよ!」なんて勝手に口走ったから。

そうと決まったら、生地探しへ。

素材論の先生が「キッチン周りは麻が最適!」と
言っていたので、リネンコーナーに一直線。

麻は、ミイラを何千年も保管でき

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ほっとらいん

ほっとらいん

あの日、私は心に深く誓った。
1人の時も幸せだと思える人と付き合おうって。

好き同士、楽しくあるために付き合っているのに
寂しいとか、悲しいとか、不安になるのは違う。

だから、1人の夜も安らかに眠れる人が良い。

だけど、ずーっと安心なんて、やっぱり無理。
心配性すぎて、どんどん悪い妄想が蝕んでいく。

元彼の浮気が、、古傷が、、とか何とか誤魔化す
けれど、そんなのただの言い訳だよね。

こん

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デタラメ手相

デタラメ手相

いつからだろう。
素直に幸せを喜べなくなってしまったのは。

私には勿体無い程に穏やかで、賢くて、面白くて
いつも肯定してくれて。“こんな私も悪く無いな”
なんて、ほんのり自分のことまで好きになれる。

切符派な所も、スタバの注文が苦手な所も、
私が電車に乗るまでじっと見守ってくれる所も、
いきなり「夢みたい」とか真顔で呟く所も。

本当に私なんかでいいの?って心配になる位に、
過去と比較するのも

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トリケラも笑う夜に

トリケラも笑う夜に

ねぇ、どうしてそんな素敵な言葉が出てくるの。
一旦、脳味噌を覗かせてもらって良いかな?

noteに恋人との日々を綴っても良いか尋ねた夜。

インスタはもちろん、SNSを使わない君にとって
「赤の他人にプライベートを覗かれること」
「知らないところで勝手に紡がれる独自の物語」
本当は、すっごく嫌なことなのかなって。

嫌だと言われたら、キッパリ諦めよう。
noteなんかで喧嘩するのは馬鹿馬鹿しいか

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たおやかの似合う君と

たおやかの似合う君と

「シチューみたいに温かい所が好きだよ」
なに、その可愛らしい形容詞の使い方。
私も木漏れ日みたいな君の言葉選びが大好き。

「アレブリヘのガチャガチャあるかな〜」
私がゴリ押しした民族学博物館を心から楽しみ、
いろんな国の楽器や雑貨のお土産を、大切そうに
ニコニコ抱えている所、本当に可愛いなって。

「そんな可愛い目で見られたらドキドキするよ」
最大のコンプレックスだったこの小さな一重を、
可愛い

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