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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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2022年3月の記事一覧

キャリア・クラッシス ②豊臣秀長

キャリア・クラッシス ②豊臣秀長

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【歴史×キャリア】というコンセプトで、現代の私達のキャリア形成の参考にするのが目的です。

前回とりあげた藤堂高虎の主君だったこともある豊臣秀長(以下、秀長に省略)。3歳うえの異父兄である豊臣秀吉(以下、秀吉に省略)を支え、天下統一に貢献した偉人の1人です。秀吉が太閤なら、秀長は「小太閤」ともいえます。

大河ドラマ「秀吉」では、高嶋政伸さんが秀長役を演じていましたが、天才の

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アニメ「平家物語」にまつわる考察【1】

アニメ「平家物語」にまつわる考察【1】

※ネタバレ·妄想あり
昨年FOD先行配信で見終わっていましたが、地上波での最終回が放映されたので感想または妄想全開の考察をじっくりしていきたいと思います。

高畑監督から山田監督へ

高畑勲監督が映画「かぐや姫の物語」後、インタビューで「平家物語」をアニメ化したい、と言ってたことは有名だ。
私も楽しみにしていた。けれども2018年にあちらの世界に行かれてしまった。ああ、もう高畑監督の作品は見られな

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国士無双『韓信』から学ぶ▶️国士無双(こくしむそう)とは?

国士無双『韓信』から学ぶ▶️国士無双(こくしむそう)とは?

こんにちは。
ケイジ4世のターンです。

今日は、国士無双『韓信(かんしん)』についてお話しします。

国士無双って知ってますよね。
では、韓信はご存知ですか?

国士無双。また、麻雀やってる人もやらない人も、麻雀の役で聞いた事があると思います。
(私は麻雀わかりませんが、、)

字牌7種と一九牌6種を1枚ずつ揃え、そのうちのどれか1種をもう一枚加えて雀頭として、上がるとかなり点数が高くなります。

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歴史を学ぶこと ─「巨視」と「微視」─

歴史を学ぶこと ─「巨視」と「微視」─

カメラロールの写真を整理していると、コロナ禍前にイタリア旅行をした写真がたくさん出てきた。高台に登って街を見渡し、教科書に書いてある歴史的建造物が実際に自分の目線の先に立っているのを見た時の高揚感は忘れられない。当時高校生だった私は世界史を少し学び始めた段階で、そのタイミングで実際に歴史的価値の高いモノに肌で触れることができた経験は今となっても貴重だったとつくづく感じる。

受験のためにあれだけ頑

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JR西日本 大阪環状線玉造駅

JR西日本 大阪環状線玉造駅

大阪環状線玉造駅、玉造の名称が示す通り古墳時代に勾玉などを作る玉作部があった場所のようである。

漢字で成り立つ地名が好きである。
地名の成り立ちを考えることが好きである。
三重県から大阪梅新交差点(梅田新道交差点)まで続く国道25号線沿いに私が今住む八尾市がある。
この25号線沿いに法隆寺があり、八尾には弓削、鞍作、太子と聖徳太子が関係し、出来上がった街の名残が地名で残る。
そして国道25号線は

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戊辰戦争をめぐる歴史観の違い

戊辰戦争をめぐる歴史観の違い

ここしばらく、飛び石的に戊辰戦争の話題にふれる機会が多いです。
そこで、気になったのが「東西で、かなり視点が変わる」ということ。

福島と言うと、奥羽列藩同盟の一翼を担っていた会津藩の悲劇がよく知られています。
ただ、詳しく調べると実際には、もっと複雑。
それをよく表しているのが、戊辰戦争の末期には既に出来ていたとされる、次のような俗謡です。

出典元の本にもあるように、猪突猛進の猪や米沢藩の狸・

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浪の下にも都あり~安徳帝の帰還(あきつしまの龍王)#平家物語

浪の下にも都あり~安徳帝の帰還(あきつしまの龍王)#平家物語

ここは、壇ノ浦。
水平線に夕陽が沈みかけている。水面には、平氏の幟、指物、たくさんの兵士が浮かび、空も海の中も朱に染まっている。いちめんの紅。



水面から、光のあまり届かない青い青い水底。

ゆらぐ黒髪がある。その間からのぞく、小さな口からぽこり、と泡がひとつ、ふたつ。

泡は水面へと、ゆらゆらとのぼってゆく。

 その小さな口の持ち主、「トキ」は、びっくりしたようにその泡をみつめていた。

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小弓公方足利義明の御所とは!? 千葉市の北小弓城

小弓公方足利義明の御所とは!? 千葉市の北小弓城

「足利ヨシアキ」という人物をご存じでしょうか?

一昨年の大河ドラマ『麒麟がくる』をご覧になっていた人であれば、室町幕府最後の将軍である足利義昭をすぐに思い浮かべるかもしれません。『麒麟がくる』では、滝藤賢一さんが義昭を演じていました。

しかし、足利ヨシアキはもう一人存在します。戦国時代の関東で「小弓公方」を称して古河公方に対抗し、第一次国府台合戦に散った足利義明です。

今回はその足利義明が居

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歴史上の人物の意外な話

歴史上の人物の意外な話

「なんか思ってたのと違う」

想像と現実のギャップに良い意味でも悪い意味でも驚くことってあると思います。

今回は歴史上の人物3人のちょっと意外な話をご紹介します。

まず一人目は、『プラトン』です。

古代ギリシアの哲学者。著作とされるアトランティスの話が収録された「ティマイオス」「クリティアス」はあまりにも有名。

そんな『プラトン』さん、実は『プラトン』という名前は本名ではなくあだ名だそうで

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歴史は世界の履歴書ではない

歴史は世界の履歴書ではない

2022年 ロシアのウクライナ侵攻

何十年か後には、世界史の教科書にはこのように記載されるのかもしれない。
そして、中学生や高校生はこう思うのだろう。
「当時の人たちは、なんて好戦的で野蛮だったのだろう」
「誰か、反対する人はいなかったのだろうか」
「他の国は、なぜ何もしなかったのかな」
「あんなに簡単に人を殺したり、殺されたりする時代に生まれなくてよかった」
そして、この一行を暗記して教科書を

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ハプスブルク家の呪い

ハプスブルク家の呪い

ハプスブルク家は欧州において政略結婚の手段で600年間統治し続けてきました。最強時ドイツ、オーストリア、イタリア、スペイン、ポルトガル、ハンガリーなど全て勢力範囲でした。

こんな黄金家族に色んな呪いの伝説が残されており、最も有名なのは「狂女フアナの呪い」です。

「フアナ」はスペインを統一したカトリック両王「イサベル」と「フェルナンド」の娘、1496年ハプスブルク家に嫁ぎました。夫は神聖ローマ皇

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山伏の夢

山伏の夢

ある山伏が筑前福岡藩を訪れ、藩主黒田長政に、「昨日不思議な夢を見ました。殿が五か国の太守になる夢でございます。」と告げました。

長政は「おぉそれは何ともめでたい夢ではないか!」と喜び、「では正夢になった際は、そなたにご祝儀を渡すことを約束しよう!」と伝えました。

山伏の期待は外れました。

次に肥前佐賀藩を訪れ、藩主鍋島直茂に、「昨日不思議な夢を見ました。殿が五か国の太守になる夢でございま

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明治新政府の無分別行為は許されるのか?

明治新政府の無分別行為は許されるのか?

「廃城令」に物申す著書・「奥の枝道 山口・萩編」では、
石垣しか残らない「萩城跡」の天守台や長櫓の跡をみた時の怒りの思いをぶつけています。

これは明治に発令された「廃城令」により、「城」を単なる領主である武士の住まいだと位置づけで、明治維新により中央集権国家となって廃藩置県も施行された時点では不要だという考えの政策です。

長州藩も倒幕~新政府樹立の中心的存在だったため、率先して城を壊したそうな

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法隆寺若草伽藍の礎石と私

法隆寺若草伽藍の礎石と私

先日、奈良国立博物館に聖林寺の十一面観音を見に行った後に、色んな方々の大人気仏像への感想や評価を読んでいる中で、このブログにたどりついた話をその時ののnoteに書いた。町田甲一という美術史家が若い頃に聖林寺の十一面観音を駄作であるとこき下ろした事について、とても優しくユーモラスに紹介されている。

この方のブログ「観仏日々帖」は勉強になることばかりで読み深めていきたいと閲覧していたところ。。。法隆

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