アトランティス幻視 崩壊前夜7 花依の到着

花依が風の神殿に到着すると
既に全ての神殿の主が揃い
花依の到着を待っていた

花束を抱いたままの花依に
天狼星は笑いかける

突然呼んですまない
花を摘みに出ていたのだね
せっかくの美しい花だ
私が預かろう

花依は小さく頷いて視線を伏せる
花を抱え直すと天狼星の立つ祭壇へ
静かに歩み寄る

花依が花を差し出すと
天狼星はふわりと笑う

これは美しいな
さすが花の主の摘む花よ

白い頬が優しく緩

もっとみる
読んでいただけて嬉しいです。頑張って書きます!
3

アトランティス幻視 崩壊前夜6 花の主

街外れの森から足早に出てきたのは
花の神殿の主である

薄桃色の巻き毛は華やかに背を流れ
同じ薄桃色の羽織の裾は優しい緑

腕のなかには色とりどりの花を抱え
軽やかな足取りで先を目指す

夏至祭に相応しいグリッドを作りたい
花は瑞々しく草は青く

頭のなかではもう
最適な草花の配置を考えている

花のグリッドを配置したら
石の神殿からクリスタルを運ばなければ

忙しく考えながら
街の中心部から放射

もっとみる
ありがとうございます✨続きもお楽しみに!
5

アトランティス幻視5 崩壊前夜 祭の準備

風の神殿では
夏至祭の準備が進められていた

夏至祭はこの街における
重要な祭祀のひとつであり
各神殿では
それぞれの役割に基づき
新鮮なハーブや
色とりどりの宝石を配置し
エネルギーグリッドを作り上げていく

神殿の庭を飾るため
忙しく立ち動いていた若い神官たちは
隼に支えられ歩いてきた
白いローブが誰であるかを知るや
一斉に駆け寄ってきた

星読みさま

星読みさま
どうなされましたか

神官

もっとみる
ありがとうございます✨続きもお楽しみに!
4

アトランティス幻視 崩壊前夜4 風の神官 隼

背を焼く日差しがふいに翳る
肩にかかる薄物の感触と共に
聞き覚えの在る声が
思いがけず近くで聞こえた

星読みさま
如何されましたか

日除けの布を差し掛けながら
気遣わしげな様子で覗き込むのは
薄い銀の地に
裾のみ淡く七色に染められた
風の神殿の式服を纏った
若い神官だった

アトランティスには
五つの神殿が存在する

星花水風石

それぞれに違った役割があり
この街が地球と調和して存在を続ける

もっとみる
読んでくださりありがとうございます✨めっちゃ嬉しいです!
4

アトランティス幻視 崩壊前夜3 神と呼ばれるもの

じりじりと太陽が昇っていく

街の中心を繋ぐ水路を抜け
神殿へ向かう小道を曲がると
ふいに天狼星の視界が歪み
意識がふわりと掬われた

浮き上がった意識体の
視界がすべて青い光に染まる

天狼星の意識は刹那の間に
中央樹の地下深く
埋め込まれたコアクリスタルの内側
神の在る場へと移されていた

コアクリスタルとは
この街の創造神として
すべての生物にエネルギーを送る
朱斗(トト)神の棲みかであると

もっとみる
読んでいただけて嬉しいです。頑張って書きます!
9

アトランティス幻視 崩壊前夜2 菫

朝陽が昇りはじめる
夏の日差しは強く地面を焼き
気温はじりじりと上がり始める

元来青いドームの中は環境恒常性機能により
いかなる場合も生物にとって快適な環境を
保っている

はずだった

異変は少しずつ
確実に進んでいた

守られたはずのドーム内でも
肌に感じる日差しの暑さが日々増している

もはや気のせいではすませられないほどに
外気の変化の影響がドームのなかにも及んでいた

巨大な中央樹から

もっとみる
ありがとうございます✨続きもお楽しみに!
8

謎のアトランティス大陸って…(vs 現代)

先日、冷え体質対策の岩盤浴目的で「世界のスパ」に行きました。

普通の入浴コーナーでは、この月は4F ヨーロピアンゾーンでしたので、ローマ風呂、スペインの滝(露天)、ギリシャ、青の洞窟、地中海(露天)、フィンランド(サウナ)といったテーマ風呂を楽しんできましたが、真ん中の寝風呂、座風呂、普通風呂のコーナーが、なんと「アトランティス」となっていたので少々驚き!

アジアゾーンほど変化がつきにくかった

もっとみる

アトランティス幻視2

もうすぐ正午の祈りがはじまる。
太陽が最も高く昇るこの時間。

センターツリーの程近く
きらきらと光る粒子が弾け
刹那
音もなく姿を表したのは

顔は鬣をゆらす黄金の獅子
豪奢な金の鎧を身に付けた
屈強な一人の男

彼は静かにセンターツリーを見つめた。
正確には、センターツリーの奥深くに
隠されたコアクリスタル。
青く光る宝石を。

アトランティスをアトランティスたらしめる
高度に凝縮されたエネル

もっとみる
読んでいただけて嬉しいです。頑張って書きます!
3

アトランティス幻視

その街は
半球状の青いドームにおおわれていた。

中央には樹齢にして数千年にはなろうかという
巨大な常緑樹が
ドームの天井沿いに大きく枝を広げている。

大木の根本に設えられた祭壇の前で
軽やかな羽衣を身に纏った巫女たちが
優雅な舞を捧げている。

そびえ立つ常緑樹の根本から
ドームの外に向かって
透明な水を称えた水路が放射状に延びている。

たっぷりと湛えられ
きらきらと光る水のなか
楽しそうに

もっとみる
ありがとうございます✨続きもお楽しみに!
4

さよならのラブソング - episode 17

>> 目次(マガジンへ)

>> episode 16

前にサラに連れて行ったもらったおばさんの家に着いた。もうすでに美味しそうな匂いがしている。

「エリさーん!」
サラが玄関ドアをノックすると、ガチャリとドアが開き、先日のおばさんがニコニコしながら出てきた。
「連れてきたの?ちょうどお料理ができてきたところよ。さ、あがってちょうだい。後ろのキミもどうぞ。」

家に入ると、長いテーブルに赤い模

もっとみる