マガジンのカバー画像

歴史あれこれ

346
歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

西暦で見た幕末・維新(16)~琉球王国への恫喝外交~

老中首座・阿部正弘がペリーの再来航に備え、積極的に人材登用を行っていた一方―。
徳川幕府に開闢以来の混乱を持ち込んだ当の本人、ペリーと彼の率いる4隻の東インド艦隊は、1853年7月17日に江戸湾を退去したあと、一路琉球王国を目指していました。

当時の琉球王国の立場は少々複雑なものでした。

清国は周辺諸国と朝貢貿易【清国君主対し周辺諸国が「貢物」を献上し、清国君主はこれにこたえて「回賜(=返礼品

もっとみる
重祚(ちょうそ)

重祚(ちょうそ)

重祚

 

この漢字、みなさま読めますでしょうか?

空海の半生を読み進めるうちに重祚ということばが出てきて、今まで生きていて、出会ったことのない言葉にドキドキ。

https://honto.jp/ebook/pd-review_0629543806.html

今までの天皇の中で、重祚をした人は2人。

皇極天皇と孝謙天皇 (6世紀から8世紀)

どちらも女帝です。

※重祚とは、一度天皇の

もっとみる
■【より道‐50】家系図から読み解く京極氏との血縁

■【より道‐50】家系図から読み解く京極氏との血縁

代々、我が家には、「ご先祖さまは、尼子の落人だ」という云い伝えがありまして、この家訓のようなものは、令和の現代まで語り継がれてきました。

自分も、noteに『息子へ紡ぐ物語』と題してファミリーヒストリーを記しているわけですから、これからも子孫が続く限り伝わっていくはずです。

でも、やっぱり尼子氏なんです。渋谷で街頭インタビューをしたとしても、ほとんどの人が知らない一族のことを、我が家では無理せ

もっとみる
風土記

風土記

今から1300年ほど前の奈良時代、都が平城京に移った頃、当時の政権からこんな依頼が日本各地に出されます✨

郡や郷(村)の名前をめでたい文字に変えなさい。
銀や銅などの鉱物、その他珍しい草木や鳥獣があれば報告しなさい。
どういう山、川、野原があるか、その名前の由来を報告しなさい。
豊かな土地か荒れてる土地かを報告しなさい。
地方に伝わる伝説、昔話を記録して報告しなさい。

これが風土記と呼ばれるも

もっとみる
鎌倉ほのぼの散歩 行こう坂東の子らよ【旗上弁財天】

鎌倉ほのぼの散歩 行こう坂東の子らよ【旗上弁財天】

 前回までの「鎌倉ほのぼの散歩」は…

 「受験応援回」を別にすると、昨年暮れに投稿したこの記事が最後。

 もっ…のすごく中途半端なところで終わっています。

 本来ならその続きを書きたいところなのですが、今現在はまだまだ、受験の真っただ中。記事の続きは、もう少し控えておきます。

 二月下旬の今の段階。
 中学受験の方々は、お疲れ様でございました。
 高校受験の方は私立を頑張っているところでし

もっとみる
戦国2世武将の憂鬱

戦国2世武将の憂鬱

戦国の世でなくとも、いつの世も
父親が偉大であればあるほど、家督を継ぐ者は大きなプレッシャーを持つことになります。

維持すること自体が苦労を伴うものなのに、それは出来て当たり前のことでしかなく、さらに家を大きく拡大できてこそ、初めて評価されるのですから、ある意味初代よりも、その立場は大変なのです。

戦国の世を生きた、2世武将たちは、偉大な父亡き後どうだったかを妄想を交えて、比べてみました。

もっとみる
鎌倉殿のウラ史実

鎌倉殿のウラ史実

北条宗時は謎だらけ宗時は、とにかく史料においても短い登場なので、何もわからずすべてが謎なのです。
それらの謎を整理してみました。

生存説

つくもさんが先週の記事で、先週殺害された、兄・宗時の生存説に触れられているのです。

ちょっと調べてみると、このような疑問を見つけてしまいました。

そう。完全に伝承の年齢とは大きく違い、結局別人なのか?
それとも単なる作り話なのか?

ドラマ通りに死亡説を

もっとみる
新選組の料理人

新選組の料理人

年末から「戊辰戦争」についてさまざまな文献と向かい合っていますが、やはりそうした中で避けられないのは「新選組」です。
私の年代では、既に新選組を「悪の権化」と捉える人は少ないのかもしれませんが、子母澤寛が「新選組始末記」などを発表するまでは、良いイメージを持たない人も多かったのではないでしょうか。

物語の背景

そんな新選組ですが、「壬生浪士組」時代から少し下り、組織として体裁を整えつつあった蛤

もっとみる
二月堂の良弁杉から母子の絆を思う~郷土史の中のウラ史実④

二月堂の良弁杉から母子の絆を思う~郷土史の中のウラ史実④

トップ画像出典:奈良まちあるき風景紀行

久しぶりに郷土史「あしたづ二号」の記事より書かせていただきます。
厳密に言って、郷土の話ではなく、東大寺・二月堂での伝承話で、母子の情愛の深さを書いた記事がありました。
古より広く知られ、歌舞伎や文楽の演目になったストーリーでもあります。

「修二会」には邪魔だと思った大木東大寺境内をを代表するスポットである「二月堂」での仏事と言えば、「修二会」を思い浮か

もっとみる
先祖が神として祀られる地で|東儀秀樹(雅楽師)

先祖が神として祀られる地で|東儀秀樹(雅楽師)

 1300年も雅楽を継承している「東儀家」の先祖は、聖徳太子の参謀だった秦河勝とされている。なので、聖徳太子や秦河勝にまつわる場所や歴史事にはいつでも興味をそそられてきた。法隆寺や広隆寺、蚕の社などを訪れると、他人事とは思えないほど何かしらの想いが湧き出る。

 秦河勝は多くの大陸文化、つまり音楽や宗教、機織り、酒造、建築法などを伝え定着させた人物で、文化人でもあり政治家でもあった。しかし太子が世

もっとみる
鎌倉殿の13人第5回感想/北条宗時の真意とホタルの伝説

鎌倉殿の13人第5回感想/北条宗時の真意とホタルの伝説

北条宗時と工藤茂光、善児の刃に……兄の北条三郎時宗(演:片岡愛之助)、善児(演:梶原善)にやられてしまった……。
善児が登場すると急にサスペンスドラマが始まる感じになる。
味方に紛れて三郎の命を狙っていた善児を仁田忠常(演:高岸宏行)が発見した時もヒヤリとしたけど、結局善児に仕留められちゃった……。

三郎と工藤茂光(演:米本学仁)が善児に殺された川。
あれって頼朝の子・千鶴丸が殺された川と同じな

もっとみる
鎌倉殿と平家物語

鎌倉殿と平家物語

日曜の夜は忙しい。

夕食を終え、片付けて入浴を済ませた後、毎週録画している番組を一気に見るからです。

すっかり就寝準備を整えてから、それこそ真剣な集中視聴タイムです。

源氏側のストーリーもちろん一つは今年の大河ドラマの「鎌倉殿の13人」。

いよいよ挙兵して、源平合戦の幕開けとなり、北条家の嫡男であり、義時の兄である宗時が命を落としました。

彼が弟である義時に言い残した言葉は重かったですね

もっとみる
王家の宝石 | 2月の誕生石 - 皇后ジョゼフィーヌのアメジスト

王家の宝石 | 2月の誕生石 - 皇后ジョゼフィーヌのアメジスト

概要⠀フランス皇帝ナポレオンの妻・ジョゼフィーヌは、ジュエリーが大好きでした。

そんな彼女が所有していたアメジスト、現在はスウェーデン王室管理のもと、代々受け継がれています。
つい最近、日本に来た事もあるんですよ!

何故フランスから北欧へ?
その謎も一緒に見てみましょう。

↓アメジストのセットを身につけた↓
スウェーデン・ヴィクトリア皇太子

名称⠀ナポレオンのアメジストパリュール
(NAP

もっとみる
おにーそと

おにーそと

本日は節分です。
明日は立春ということで、旧暦と格闘中の身としては、節分がそもそもは年末の「追儺」の宮中儀式から誕生した…という伝承も、身を持って体感している次第です。

旧暦は今の暦と約1ヶ月強のズレがあるので、新暦の「節分」が、旧暦の年末に当たるのですよね。

もっとも、私自身は厄払いの豆まきをするわけでもなく、ご近所の年配の方の「鬼は~外、福は~内」の掛け声を聞いて、恵方巻を頬張るくらいがせ

もっとみる