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ひとりでは解決できないから、ひとりでも多くの人に知ってほしい。豊かな暮らしの裏側にある現実。【RICE MEDIAトムさん・インタビュー後編】
インタビュー前編では、「1ヶ月プラなし生活」の動画についてトムさんに語ってもらった。後編では、トムさん自身の社会問題に取り組む姿勢という大きなテーマに話が広がった。
「プラなし生活」の次のシリーズとして発表された動画「1週間牛飼い生活」は、牛の幸せを考える牧場「宝牧舎」でトムさんが見習いの牛飼いとして生活する長尺動画だ。
一頭でも多くの家畜が長く命を全うできるように、廃用牛(出産能力が失われ家
「校則問題は学校を卒業しても続く」生徒個人が意見をいえるように校則を見つめ直す【みんなのルールメイキング 後編】
前編はこちら。
「ルールメイキング」は学校の校則・ルールの対話的な見直しを通じて、全員が主体的に関われる学校をつくっていく取り組みだ。
前半の記事「『これって何のための校則なの?』校則の見直しから、先生と生徒の信頼が生まれた【みんなのルールメイキング 前編】」では学校単位でプロジェクトを進め、実際に先生と生徒が会話の場を作り、校則を変更した体験を持たれる山木結衣さんを取材した。
一方で、校則
「これって何のための校則なの?」校則の見直しから、先生と生徒の信頼が生まれた【みんなのルールメイキング 前編】
特定の髪型の禁止、靴下の色の規定。「これって何のための校則なの?」。中学、高校生活を過ごす中で、そう疑問に感じていている/感じた人はいるのではないだろうか。
認定NPO法人カタリバ(以下、カタリバ)では「みんなのルールメイキング」という活動を行っている。「ルールメイキング」は学校の校則・ルールの対話的な見直しを通じて、全員が主体的に関われる学校をつくっていく取り組みだ。例えば、全校生徒を巻き込み
プラスチック問題を楽しく伝える人気動画「1ヶ月プラなし生活」はこうして生まれた。【RICE MEDIAトムさん・インタビュー前編】
「社会問題」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか?地球温暖化、貧困、少子高齢化、ジェンダー不平等…など、挙げればキリがないほどに、私たちは多くの課題に直面している。
社会問題をわかりやすく発信するメディア「RICE MEDIA」を運営するトムさんは、様々な課題に関心を持ちながらも、発信内容の取捨選択を上手に行っている。
社会問題の解決に関わる人を増やしたいという想いから、身近なテーマを中
廃止ではなく、あえて「改革」を選ぶ。成長の通過点としてのコンテスト『水コン』に込められた思い【お茶の水女子大学】
「成長」をコンセプトにしたコンテスト
ルッキズムや男女二元論の観点から、廃止の議論になるミス・ミスターコンテスト。
「廃止」という選択を取る大学もある中、コンテストの在り方を問い直し「改革」を試みる大学もある。コンテストを通じて「性別や容姿に囚われない人間の魅力を発信する機会の提供」を目指す、お茶の水女子大学・水コンもその一つだ。
運営はファイナリストが切磋琢磨する姿をお茶大の学生に見せるこ
「外見も個性」自分らしさを競うコンテストを作った武蔵大学。創設者が目指すのは知名度向上。
【連載第二回】連載「ミス・ミスターコンって何がダメ?もう一度考えてみませんか?」では、昨今のコンテストを巡る議論・懸念点に向き合いながら、大学内におけるコンテストのあり方を一度、考えていく。
ルッキズムや男女二元論の視点から、ミス・ミスターコンテスト(以下、ミス・ミスターコン)への是非が問われる近年。ミス・ミスターコンを早稲田大学は2003年に、東京芸術大学は2018年に廃止している。上智大学や
ミス・ミスターコンってそんなにダメ?現役大学生が本音をぶっちゃけます!【メンバー座談会】
ミス・ミスターコンってそんなにダメ?
ーーミス・ミスターコンテストに対してそれぞれの考えを教えてください。
清水和華子:私はボディビル、筋トレの大会、ミスユニバースとかには結構賛成で、それはプロとして美を競っているから良いと思います。ただ、ミス・ミスターコンは学校でやってるから炎上、問題になっちゃうのかなと思っています。
特に「ルッキズムの助長」が問題なのかなと思っているのですが、本当にル
「必要なのは自己プロデュース力だ」新しい芸術の楽しみ方を模索する大学生たち。【寺前有海さん、福嶋望実さん】
偶然が重なって生まれた美術と音楽のコラボレーション。
「うたをみる」は東京藝術大学(以下、藝大)の美術部と音楽部の学生がタッグを組んだ展示会だ。同じテーマの元、各生徒が専攻分野の作品を作り上げ同一空間に展示することにより新たな芸術の形を目指す。
「うたをみる」のきっかけは、共同代表であり美術専攻の寺前有海さんが、借りようとしていた展示場所に、ピアノが置いてあったことがきっかけだ。「音楽部と美術
在日コリアン福祉施設・エルファが語る「教育の意義」。コロナ禍でも積極的な交流・研修を行う理由とは?【後編】
京都市南区東九条にあるNPO法人「京都コリアン生活センター エルファ」が2020年、設立から20年の節目を迎えた。エルファは在日コリアンへの福祉サービスを中心に行うNPO法人。エルファを拠点とした、地域での多文化共生事業も広く行っている。これまで様々な研修・交流を受け入れてきた同団体だが、きっかけには朝鮮民主主義人民共和国による日本人の拉致事件が発覚した年に行われた、ある団体との交流があった。エル
もっとみる在日コリアン福祉施設・エルファの転機。中国人帰国者と日本人利用者の受け入れ「共生とは誰もが自分らしくいられる場所のこと」【前編】
京都市南区東九条にあるNPO法人「京都コリアン生活センター エルファ」が2020年、設立から20年の節目を迎えた。エルファは在日コリアンへの福祉サービスを中心に行うNPO法人。エルファを拠点とした、地域での多文化共生事業も広く行っている。設立以降出逢った日本人との関わりに見た「共生」の姿。20年間で転機となった出来事について、同センター南珣賢(ナム・スンヒョン)事務局長に聞いた。後編はこちら。
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被災地で起きた在日朝鮮人の虐殺。『関東大震災』から読み解く悲劇の背景【ブックレビュー】
*この記事には一部差別的表現をそのまま引用した箇所があります。
学んでこなかった悲劇
9月1日は「防災の日」だ。2022年から99年前、1923年9月1日に起きた関東大震災にちなんで制定された。
震災自体も悲惨な出来事であった一方、震災直後に人間により起こされた悲劇を知っているだろうか。東京府(現在の東京都)、神奈川県、千葉県、埼玉県などの被災地において多数の在日朝鮮人が殺害された「関東大震
「LGBTQ+の人権は軽んじられている」当事者が語る法律とパートナーシップ制度の問題点。非当事者は日常で何ができるのか?
OECD諸国で同性愛に対する受容度を比較した時、日本の順位は36ヶ国中25位にランクインする。またLGBTに関する法整備では35ヶ国中、34位だ。日本の法律ではLGBTQ+への権利を保障していなく、ひいてはハラスメントや差別からLGBTQ+の人たちを守れる社会の在り方からはほど遠い。
その中で、2015年に各自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め、証明書を発行する制度として同性パー
ゲイ男性を加害者に仕立てる「家父長制」。愛欲を押さえつけらされた彼らと、その家族の苦悩を描いた『叔・叔』【後編】
この記事の前編はこちらから。
加害者を生み出す家父長制
映画『叔・叔』における主人公の柏(呼び名)と海(呼び名)のジレンマと苦痛は、間違いなく作品の核心部分であり、映画のほとんどの時間は、彼らの関係と心境の変化を描くために使われている。
一方で、柏と海のそれぞれの家族に対する描写も非常に重要だ。なぜなら、高齢者のゲイの生きづらさを描くために、「家族」という要素は不可欠だからだ。
実は、柏の
「ゲイ男性は30歳までしか生きられない」年齢と性差別の交差点で。映画『叔・叔』が捉えた周縁化された彼ら【前編】
恵まれたゲイ
(私=筆者)
私はいつも自分がゲイとして恵まれた存在だと思っている。
性的指向が原因で差別されたり傷ついたりしてきたが、自分のことを支えてくれる友達や、カミングアウトした後でそれを受け入れられないが、私を愛してくれる両親がいる。
そして21世紀初頭に生まれたおかげで、私は非常に早い段階でインターネットに接触した。繁栄していくネットクィアコミュニティを通して、他の仲間に繋がるこ