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個人的な栞(しおり)として皆さまの作品をピン留めしております。ヒマなときに見てもらうと、ひょっとしておもしろいかも。
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#哲学

原子力と〈幻視力=想像力〉

原子力と〈幻視力=想像力〉

書評:戸谷洋志『原子力の哲学』(集英社新書)

本書で語られる「原子力」とは、一般に「負の原子力」の象徴である「原子爆弾」などの原子力兵器であると同時に、「正の原子力」と考えられてきた「原子力発電」という両極を含む、全体としての「原子力」のことである。このような両極性をもって見られる「原子力」の本質とはいかなるものなのか。それを思考したのが「原子力の哲学」というわけだ。

本書では、ハイデガー、ヤ

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そして人は詩に立ち戻る

そして人は詩に立ち戻る

 いつも、詩を書きたいと思いながら文章を連ねている。
 しかし、どういうわけか形式としての抒情「詩」は、現在の自分の表現方法としてはしっくりこない。そのかわりに、自分が書くいかなる文章にも詩的精神を宿したいという、青臭いような身構えが、自分のうちにはある。   「青臭い」というのは、そういう詩的精神の面構えの内心に、誰にでも伝わる形で素直に書けない気恥ずかしさがあるからだ。しかも、「詩を書きたい」

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意識研究の思想地図2020 β版

意識研究の思想地図2020 β版

【※ 本記事は暫定版であり、検証ののち加筆修正される可能性があります】

「意識」や「心」は科学で解き明かせるのか。もっと踏み込んで、物理学にまで落とし込める(還元できる)のか。歴史を振り返ると、「できる派(還元主義)vs. できない派(反還元主義)」で行ったり来たりを繰り返しているように見える。

イデア論(観念論 idealism)、唯物論、実体二元論、物質一元論、唯心論(心霊主義 spiri

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神がつくった傑作

神がつくった傑作

■ この世でいちばん"愛くるしい生き物"について

幸せへの近道は、些細な日常に感謝すること。

そうとは知りつつ、

気を抜くとつい、家があることも、健康なことも、ご飯が食べられることも

「当たり前」のように思ってしまう。

ただ、ゆいいつ

私のそのささやかで平凡で当たり前の日常に

ひとつだけ

圧倒的に神への感謝があふれることがある。

それは…

猫、である。

あの、ふわっふわのお腹

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新型コロナが僕らの社会に突きつけたものをつれづれ

新型コロナが僕らの社会に突きつけたものをつれづれ

Twitterにつれづれ書いたことの転載。
 
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「新型コロナが文明に突きつけたものは何だと思いますか?」と聞かれて思いつき的に「人間の仕事の役割分担の過剰さ」って言ったのだけど、よく考えてみるとホントそうだなって逆に自分で再確認した。さまざまな生活のインフラがある速度以上で回ることが前提になってる構造、それに依存する人、みたいな。
 
極端な話、僕は狩りもできなし畑もおこ

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サピエンスの21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」が支配する時代になる──心(Mind)のわけ(Reason)を解き明かす進化心理学とは何か?:これからの時代を切り拓く50の思考道具

サピエンスの21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」が支配する時代になる──心(Mind)のわけ(Reason)を解き明かす進化心理学とは何か?:これからの時代を切り拓く50の思考道具

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サピエンスにとっての21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」の時代になる──目次:

# サピエンスにとっての21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」の時代になる

────「進化心理学/Evolutionary psychology」は、1990年代にその創始が宣言され、アメリカやヨーロッパを中心に近年世界的に注目

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