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橘玲、安藤寿康『運は遺伝する』
遺伝の話をする。遺伝は知能にも性格にも影響を与える。行動遺伝学により遺伝の影響の大きさが明らかになっている。それを踏まえて、教育とか社会設計とかを考えなければならない。日本の行動遺伝学の第一人者といえば慶応大学の安藤寿康であり、一方、遺伝学の知見を世間に紹介してきたエバンジェリストとしては橘玲の右に出る者はいない。この二人の対談本が2023年11月に出版された。最新の「遺伝本」である。
これは
矢野利裕『教育と市場、ときどき身体』 ~「新自由主義」批判の何が問題か
雑誌「現代思想」は毎年4月に教育特集を組んでいる。近年その特集の舵取りをしているのが大内裕和と三宅芳夫であり、彼らは日本の教育の現状を語るときに頻繁に「新自由主義教育改革」が悪いと言う。2023年4月号の巻頭対談でも「新自由主義」という単語が何回出てきたか数えたくなるくらい頻出していた。しかし、その数ページ後ろに掲載された表題の矢野論文には「「新自由主義」批判を超えて」という副題が付いており、ま
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