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ピンチをアドリブで乗り越える技

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2023年5月の記事一覧

ピンチをアドリブで乗り越える技 67/100(ベント)

ピンチをアドリブで乗り越える技 67/100(ベント)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

引き続き、同じテーマで3回目の連載です。

イギリスの演劇学校での授業内容です。

「小学校で起きた無差別殺人事件の、加害者と被害者家族の和解プロセス」

という題材で、創作演劇のために即興を続けるのですが、イギリス式の演技技術を持って挑むので、一触即発な掴み合い

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ピンチをアドリブで乗り越える技 66/100(チャンス)

ピンチをアドリブで乗り越える技 66/100(チャンス)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

昨日の続きです。

「小学校で起きた無差別殺人事件の、加害者と被害者家族の和解プロセス」

という題材で、それぞれ綿密に役作りをした上で、一つの部屋で対面するという即興劇を行います。

経緯は思い出せないのですが、私は被害を受けた生徒たちの教師、という役柄で参加し

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ピンチをアドリブで乗り越える技 65/100(圧力鍋)

ピンチをアドリブで乗り越える技 65/100(圧力鍋)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

「ピンチに強い精神力」も、前回でそろそろと思っていたのですが、今日も引き続きこの方向のお話をしようと思います。

というのも、先ほどたまたま、荒木博行さんのNewsPicksを拝読して、色々と思い出したので、ご紹介させてください。

(ここのところ少しアウトプット

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ピンチをアドリブで乗り越える技 64/100(余白)

ピンチをアドリブで乗り越える技 64/100(余白)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

「ピンチに強い精神力」のシリーズも、5回目です。

今回も例の、「どう訳す?!」という質問から考えていこうと思います。

でも今回は和訳ではなくて、英訳です。

これは、私がもうかれこれ10数年にわたって悩み続けている単語なんですが、

余白

これって英語にどう

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ピンチをアドリブで乗り越える技 63/100(SWOT)

ピンチをアドリブで乗り越える技 63/100(SWOT)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

「ピンチに強い精神力」の第四弾です。

今日は少し趣向を変えて、『SWOT Exercise』というものをご紹介しようと思います。

もしかしたら、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、役者としてどのように捉えて、活用しているかということも踏まえて、お話

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ピンチをアドリブで乗り越える技 62/100(集合体)

ピンチをアドリブで乗り越える技 62/100(集合体)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

「ピンチに強い精神力」の第三弾です。

このテーマで書き進むにあたり、いま時事問題となっている事柄に触れずにはいられない、と思います。

皆さんが持っているイメージとは違い。じつは能狂言の世界と、歌舞伎界の間にはあまり交流がありません。

このふたつの業界、そもそ

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ピンチをアドリブで乗り越える技 61/100(適度な自信)

ピンチをアドリブで乗り越える技 61/100(適度な自信)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

「ピンチに強い精神力」の第二弾です。

昨日は、信頼出来る仲間たちと、ボールを空に上げたままにするという、アドリブの話をしました。

以前ご紹介した『ヘリコプター理論』(8/100参照)もそうですが、そもそもどの程度をピンチと思うか、ということを考えてみたいと思い

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ピンチをアドリブで乗り越える技 60/100(チーム)

ピンチをアドリブで乗り越える技 60/100(チーム)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

今日からは、「ピンチに強い精神力」とは何か、考えていきたいと思います。

そもそも、何をピンチと感じるか、人によってそれぞれだと思います。

たとえば、私たち役者が職業上、一番青ざめるのは、本番中に次のセリフが出て来ない時です。

これ本当に恐怖で、全身の血の気が

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ピンチをアドリブで乗り越える技 59/100(Change)

ピンチをアドリブで乗り越える技 59/100(Change)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

少し前後してしまいますが、『Objective』(願望)『Obstacle』(障害)『思考回路マッピング』『Beats』(区切り)『Super Objective』(野望)と一連をご紹介して来ましたが、

最後に『Change』(ターニングポイント)についてお話し

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ピンチをアドリブで乗り越える技 58/100(Super Objective)

ピンチをアドリブで乗り越える技 58/100(Super Objective)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

これまで数回にわたって、肉体的なツールではなく、思考的なツールである『Objective』や『Obstacle』の話をしてきました。

おさらいになるかもしれませんが、一つの場面に対して、一つ定めなくてはいけないのが、『Objectie』(願望)と『Obstacl

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ピンチをアドリブで乗り越える技 57/100(Beats)

ピンチをアドリブで乗り越える技 57/100(Beats)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

決め台詞や、ここぞと思う瞬間には、あらかじめ碇を置いておき、その碇と碇の間は、その場に傾聴をすることで、アドリブで進んでいく、という話を昨日しました。

書き終わってから振り返ってみると、まさに『碇』だなという実感がありました。

到達するべき地点は決まっているの

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ピンチをアドリブで乗り越える技 56/100(思考回路マッピング)

ピンチをアドリブで乗り越える技 56/100(思考回路マッピング)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

昨日は、演技をする上で最も重要とも言える、『Thought』のお話をしました。

でも、実際のところ、どうなの?

という話を今日はしていこうと思います。

結論から言うと、私は台本のセリフを覚えると同時に、思考回路、つまり『Thought』の連鎖を覚えます。

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ピンチをアドリブで乗り越える技 55/100(Thought)

ピンチをアドリブで乗り越える技 55/100(Thought)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

前回と前々回で、一つの場面においてキャラクターが持つ『Objective』と『Obstacle』、願望とそれを拒む障害、を検証することが重要であるというお話をしました。

そこに、ピンチに陥るなどの状況の変化が起きた時、つまりは即興術の『Conflict』(38/

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ピンチをアドリブで乗り越える技 54/100(Obstacle)

ピンチをアドリブで乗り越える技 54/100(Obstacle)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。

一つの場面を演じるにあたって、重要なのはその役の感情ではなく、願望であるという「Objective」の話を前回しました。

しかし、物事にはバランスなり、相反するものが同居していることが重要で、ドラマというのはそこに生まれます。

「Objective」とセットで

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