ギリシャ悲劇

アンティゴネーの愛を聞く—ギリシア悲劇のなかの少女のために

アンティゴネにあっては、すべてが愛である。あるいはすべてがいつか愛になる。
————アンドレ・ボナール『ギリシャ文明史Ⅱ』より

 最近、友人の愛娘ちゃん (二歳になったばかり)に「否定する」ブームが来ているらしい。「おかあさん、○○っていわない」「○○しない」などなど、ちいさな彼女は目の前の相手・世界と彼女を区切って、相手から要求された言動をとらないばかりか言葉に出して「しない」と言ったり、親の

もっとみる
ありがとうございます!
123

「去勢していない日本人男性」と『バッコスの信女ーホルスタインの雌』

I tried to play my music, they say my music’s too loud
I tried talking about it, I got the big runaround
And when I rolled with the punches I got knocked on the ground
By all this bullshit going down,

もっとみる

第64回岸田國士戯曲賞受賞作①『バッコスの信女ーホルスタインの雌』を読む!

演劇ソムリエのいとうゆうかです。

今回は第64回(2020年)岸田國士戯曲賞受賞作のひとつ、『バッコスの信女ーホルスタインの雌』を読んだので、紹介させていただきます。

以下、同一の内容で作成したYouTubeの動画の概要に加え、周辺知識も盛り込んでいるので動画と併せて見てみてください。

-----------------------------------------------------

もっとみる

村上春樹『ノルウェイの森』の不完全性について

『ノルウェイの森』は1987年に講談社から出版された上下二巻の長編小説です。ご存じの方は多いと思います。クソ売れたので。

どんな内容かについては、まあ、詳しいことはウィキ読めばわかるので割愛します。簡単に言えば、大学生の恋愛小説なんですけど、フェミニストからはかなり叩かれてました。もちろん今でも。主人公が消極的なのに、周囲の女性が「ヤラせてくれよ」って寄ってくるのがおかしいらしいです。アマゾンの

もっとみる

グリム童話考察⑪/ギリシャ悲劇について 2

(ブログ https://grimm.genzosky.com の記事をこちらに引越ししました。)

※あくまでもひとつの説です。これが絶対正しいという話ではないので、「こういう見解もあるんだな」程度の軽い気持ちで読んでください。
※転載は固くお断りします。「当サークルのグリム童話考察記事について」をご一読ください。

続きです。

初期のギリシャ悲劇は「人間が不幸なのは神様のせい」と、地母神の

もっとみる
Thanks!!! よろしければシェアして広めてやってください(ぺこり
2

グリム童話考察⑩/ギリシャ悲劇について 1

(ブログ https://grimm.genzosky.com の記事をこちらに引越ししました。)

※あくまでもひとつの説です。これが絶対正しいという話ではないので、「こういう見解もあるんだな」程度の軽い気持ちで読んでください。
※転載は固くお断りします。「当サークルのグリム童話考察記事について」をご一読ください。

今回はギリシャ悲劇の歴史についての記事です。
長くなりそうなので2回に分けて

もっとみる
Thanks!!! よろしければシェアして広めてやってください(ぺこり
1

アートとポピュリズムに関する雑感

眠れぬままに宮台真司(&青木理)のラジオ ー 過去ログ ー を聴いていたら、夜が明けた。
自分はブロ友さんの指摘を待つまでもなくポストモダンというかポスト構造主義というか、この辺りの評論家が嫌いで、宮台真司にも良い印象を持っていない。ただ、件のラジオシリーズには首肯できることが多かったので、拙論と併せてご紹介申し上げる。

昨秋、あいちトリエンナーレのうち「表現の不自由展」がクズウヨどもの攻撃によ

もっとみる

【雑記 (Note)】「悲劇」について(On Tragedy)

アリストテレスの『詩学』を読みましたが、よく分かりませんでした(笑)

アリストテレスは主にギリシャ悲劇を論じています。しかし近代以降の詩というのは、ほぼ叙情詩なのですね。社会的・政治的な題材を取り上げた作品もありますが、形式としては叙情詩です。要するに実作の方法として、アリストテレスは役立たない。

ルネサンス期やロマン主義に影響を与えているのは、むしろホラティウスの「詩論」でしょう。元々『書簡

もっとみる
気に入って頂いて有難うございます。これからも宜しくお願い致します。
4

だが、カヲルはいい

「騙したね」
ロロは続ける。
「ロミオとジュリエットだって?」
「はい?」
「ヱヴァ。カヲル全然出てこなかった」
 
ロロが言うには、『エヴァンゲリオン』はシンジとカヲルによる現代版SFロミジュリだと私が説明したらしい。私の記憶ではそんな感じだった筈だが、ロロが言うにはあれは現代版SFオイディプスらしい。「だが、カヲルはいい」ロロは断言した。
 
小学生の私はエヴァの描く「不完全な大人」が好きだっ

もっとみる

今日の本📖『オイディプス王』

今日の本はソポクレス『オイディプス王』です

「オイディプス王」は、古代ギリシャ三大悲劇詩人のひとり一人であるソポクレスが、紀元前427年ごろに書いた戯曲です。ギリシャ悲劇の最高傑作であるのみならず、後世に多方面にわたり絶大な影響をもたらしたと言われています

デバイの王オイディプスは国に災いをもたらした先王殺害犯を追及するが、それが実は自分であり、しかも産みの親と交わって子をもうけていたことを知

もっとみる