小林弘幸

東京の劇団「新宿公社」主宰 | 脚本 | 演出 | 2020年9月からロンドン大学ゴールドスミスに留学中 | http://shinjukukousha.com

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    • ロンドン留学雑記

      ロンドン留学中に考えた事や感じた事の雑記

    • <鑑賞記録>ウェスト・エンド

      ウェストエンドで観た演劇の鑑賞記録です。

    • ロンドン大学 演劇学部の授業全部まとめ

      ロンドン大学演劇学部の授業内容です。

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    とあるラジオ番組にゲスト出演したら「大人」になった話

    僕は今年、31歳になりました。誰がなんと言おうと、あからさまに大人です。事実、要所要所で『俺、大人になったなぁ』と思う事がありました。例えば10年前の秋、ずっと片想いをしていた女の子に思い切って告白したら「小林君と一緒に居て、楽しいと思った事は今まで一度も無い。」と言われた日の帰り道。あるいは、酔いと眠気を誤魔化しながら流れ着いた3次会のカラオケ屋で、誰かが入れたZONEの「secret base〜君がくれたもの〜」が、うっかり心に刺さってしまった時。そして先日、僕はまた一つ

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      • ルー大柴みたいな気分で

        ハッキリとした意思を持ってサボり始め、あとは惰性でサボり続け、このまま無視していたら優しい誰かが寝ている間に更新しておいてくれないだろうか、いっそのことゴーストライターでも雇おうか、そういえば佐村河内さんは元気だろうか、とすら思ったが、自分でやると決めたのだから、せめて最初の目的通り、この夏休みの間は書き続けるんだ、と重い腰を上げてから早3日。誰に頼まれるわけでもなく始めたこの投稿を、改めて再開したい。 毎日英語に触れていると、音と意味が似ている単語に気づく事がある。例えば

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        • ウクライナ人の友達と初めて会った日の事が色んな意味で忘れられない話

          イギリスに来てすぐの頃、世界は『普通』じゃなかった。言わずもがな、コロナのせいである。街に人は居ないし、運転手が手配出来ないという理由で郵便物は届かないし、利用客が居ないのでバスや電車の本数は極端に少ないし。それから、今思えばあんなにアナログな手法で何か意味はあったのだろうか?と思うのだが、飲食店での支払い時には電話番号を聞かれていた。その頃は感染者を追跡するシステムが不十分だったので、どこに行ったか記録を残す為に必要だったのだ。そんな時代を経て、少なくともイギリスは今、徐々

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          • 正真正銘のオジサンだ

            去年の春、日本人の女の子と、ジュリアと3人でご飯を食べに行った。ジュリアは、小柄で内弁慶、胸元にイタリア語で「流れるままに」という意味のタトゥーを彫っている。仲が良いイタリア人の留学生だ。 大学には日本人が少ない。僕は、演劇学部で唯一の日本人だ。その日本人の女の子は学部生では初めて出会った日本人だった。大学院の方には「日本人会」なるものが結成されているくらいの人数が居るから、高校を卒業してから学部生として留学する人の数が少ないのだろうか。ちなみにその子は、芸術学部の学生。ジ

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            「寮のヌシ」と出会った話は、七不思議の一つとして語り継ぎたい

            一年目、最終学期の授業は一つだけだった。6、7人のグループになり、2ヶ月近くかけてパフォーマンスを作るのだ。ランダムに振り分けられるので、中にはウマが合わず、それをきっかけに決別を選んだ子達も居たようだ。幸いにも僕のグループでは、そういう事は起きず、これが初めて演劇作りだからとワクワクしている子も居たり、何度か出演した経験があるからちょっと冷めてる子も居たりと、フレッシュなエネルギーが溢れていた。   その期間、殆ど毎日を彼らと過ごして、驚いた事、面白かった事は沢山ある。まず

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            <鑑賞記録>リア王 / グローブ座

            グローブ座の野外劇場は、初めてだった。夏の期間だけ開いていて、コロナも重なり、なんだかんだタイミングが合わなかったが、ようやく観られて良かった。 主演は、野田秀樹さんの作品にも度々出演しているキャサリン・ハンター。映像で何度も観た事がある女優さんが目の前にいて、なんだか不思議な気分だった。つくづく贅沢な話だ。真面目なシーンとコミカルなシーンの演じ分けが丁寧で、長いセリフを喋ればお客さんを一気に掴んでしまう力強さは圧巻だった。 道化と、冒頭で勘当される三女のコーディリアが、一人

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            緩やかな差別は、いつだってアンイージー

            ふらりと入ったレストランやカフェ、あるいは本屋などで「コンニィチハ!」とか「オゲンキデスカッ?」とか、唐突に日本語で話し掛けられる事がある。何を基準に判断しているのかは不明だが、僕は典型的な日本人顔だし、アクセントだとか、服装だとかで分かるのだろう。大体そういう人たちは、日本のアニメが好きだとか、旅行で日本に行った事があるとかで、差別意識を感じる事は無いので無害だ。デリカシーの無い人だ、きっと仕事も出来ないだろう、と思うくらいだ。   そしてつまり、日本人と決め付けられるのと

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            それは語彙力じゃなく、心意気の問題

            イギリスの国立美術館と博物館は、全て無料だから、お散歩がてら美術館巡りなんていう夢のような生活をしている。   少し前。シェイクスピアの授業で、ミレーが描いた「オフィーリア」の話になった。トップ画像の絵だ。ロンドンのテート・ブリテン美術館にある事は知っていたので、いつか観に行きたいと思っていたけれど、家から少し離れているので、何となく先延ばしにしていた。そこで、これを機に観に行く事にした。例の如く、テート・ブリテンは国立なので、いつでも無料だ。   しかし当日、どれだけ歩き回

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            ラブリーって言いたい

            ある朝、同級生に「ヘイ、マイ・エンジェル」と声を掛けられた。「アンパンマンは、君さ。」と告げられた時くらいの衝撃だった。 対面の授業が始まったことで、思えば雑談の時間も増えた。教室まで向かう間、休憩時間、帰り道。そんな時、あるあるネタとか、流行りの事とか、『小学校の時にやったわ~!』とかには、全く付いていけない事が多い。それから、スラングや、若者言葉も、全く分からない。スラングが分からない時の感覚を例えると、 「(楽しげな話)」(小林: 盛り上がってるな。) 「マジで?w

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            去年の春のピクニック、ようやく皆んなと会えたり、恋の話を聞いたり、日本のアニメの話をしたり

            昨年の春、初めて大人数で集まったピクニックの話だ。 僕が到着した時には、もう割と集まっていて、それぞれが4、5人の輪になり、お酒を片手に談笑していた。最初は、ようやく会えたねとか、ロックダウン中は何してたの?とか課題はもう終わった?とか、そんな話を皆んなでしてから、全員が揃った辺りで、大きな輪になって、一人一人の自己紹介が始まった。今まで、ヒロと呼ばれる事が多い僕の名前に「日本人らしさ」を感じていなかったけど、「ベイマックス」の主人公の名前だったり、少し前に流行った海外ドラ

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            <鑑賞記録>父と暗殺者(the Father and the Assassin) / ナショナル・シアター

            面白かった。舞台美術が綺麗だったし、転換も良く練られていて良かった。史実に忠実で、歴史の勉強にもなって良かった。若い頃から最期までが、約2時間半で描かれていて、内容は盛り沢山。 ガンジーの暗殺者 ナトラム・ゴドセの話。ガンジーに傾倒していた彼が、右翼の活動家になり、遂にはガンジーを暗殺して死刑に至るまで。ゴドセは、3人の兄がいたが、いずれも早くに亡くしていた。「男の子を狙った呪いがかけられているのでは」と恐れた両親は、男として生まれたゴドセを女として育てることにする。という

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            幼稚園児が公園に集まるように、不良がゲーセン前に集まるように、大学生は原っぱに集まる。

            かくして「その日」はやってきた。同級生たちとのピクニックである。初めて直接、しかも、40人規模の集まりだ。そして、結論から言うと、特に事件は起きず、無事に一日を終える事になる。まあ、そんなモンである。 オンラインでしか会った事が無い子達と、ようやく会える。素直に嬉しくて、まるで小学校の入学式のような気分だった。ちなみに、小学校の入学式の事なんて全く覚えていない。ピクニック会場は、グリニッジ・パーク。あの有名なグリニッジ天文台のある公園、本初子午線、西経0度である。このグリニ

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            雑談すらまともに出来ない

            僕が思う「大人の条件」に、「他愛もない話が出来る」というのがある。笑いを起こすとか、気の利いた事を言うとかでもなく、ただ単純な、可もなく不可もないような雑談をして、会話をつないでいく。それが、大人という物である。そして残念ながら、僕にはその能力が無い。そのクセ変に気を使って会話を合わせようとした挙句、「実は、霊感があるんですよ」レベルのしょうもない小嘘をつきまくってしまい、その晩は激しい自己嫌悪に襲われる。30歳を超えてもなお、このように過剰な自意識を捨てられず、人付き合いが

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            絶対にヒマじゃねぇ

            2020年10月に授業が始まって以来、翌年の2021年4月までは全てオンライン授業だった。どこにも人は居なくて、家とスーパーの往復だった。だから、その期間、忘れたく無いような大切な思い出は殆ど無い。 渡英直後は、パブもレストランも開いていたので、何度か同級生達と集まったりしたが、出身国の規制でロンドンに来られない子やコロナが落ち着くまでは外出を控えると言う子が多く、なんだか寂しい集まりだった。それに加えて、その頃住んでいた家はボイラーの調子が悪く、暖房も効かず温水も出ないとい

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            ロンドンでの部屋探しが大変すぎた

            僕は、神経質だ。それに、自分勝手で偏屈だ。それから、「敬語じゃなくって全然いいよ☆彡」って言ってくる人が苦手だ。ヤツらの、「全力で駆け抜けろ!」とか「友〜永遠の青春〜」とか、体育祭のスローガンみたいな事を平気な顔して言えるメンタリティが苦手だ。だいたい、ヤツらは話し方が詐欺師っぽくて油断できない。そういうヤツらが居る場に混ざると、皆んながサッカーをやってる中、自分一人だけドッジボールのルールで戦ってる気にさせられるのだ。何をムキになっているのか分からなくなってきたが、ロンドン

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            せっかく30歳になってからイギリス留学してるので、思った事を全部残しておきたくなった人の話

            10年前、20歳の夏、僕は大学を中退した。親に学費を払って貰っていた分際で、よくもまあ、そんな勝手なマネが出来たモンである。あの頃の僕は、大学を辞めれば何かが変わると思っていた。しかし、大学を辞めた程度で何かが変わるほど、人生は甘くなかった。それからの僕は、ありとあらゆるバイトを速攻でクビになっていた。自分でもどうかと思うくらい根気がない癖にプライドだけは高いのだから仕方ない。   しかし、演劇だけはコツコツと続けてきた。こうなったらずっと続けたい、それならキチンと勉強したい

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