三島由紀夫 ⦿壮麗なる遺偈(ゆいげ)ー『豊穣の海』
🔈 太宰治に発した三島由紀夫のことば日本の物語の原型は『竹取物語』と言われるが、それは奇想天外のプロット、予想しきれない結末へのしかけが読ませるための大きな要素であると示していることでもあろう。
『竹取物語』の系譜にある現代の小説を思うとき、その作り手として太宰治の名を挙げられるはずだ。そして太宰治を思うと、著名な戦後作家同士としてよく引き合いに出される組み合わせなのだが、三島由紀夫の名がひとつながりに浮かんで来る。
それは、三島由紀夫が先輩流行作家太宰治の文学をあからさまに