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    歴史学の独立研究者が運営しています。専門家の研究書等を用いて、歴史のより確かな知識と魅力をしっかり紹介します。ウェブ上のコスパよい歴史事典アーカイブの構築を目指しています。月額500円で良質な歴史情報データベースを利用できるようになります。  確かな歴史情報は学校での勉強や教育・研究、ビジネス、趣味や教養などに複合的な仕方で役立ちます。ネット上の真偽不明な歴史情報が頼りになるか心配な方は、ぜひ試してみてください。主に社会人や大学生の方々が理解しやすいような記事を心がけています。

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自己紹介:私がnoteで行うこと

 みなさん、こんにちは。泉と申します。ご覧いただき、ありがとうございます。この記事では、私の簡単な自己紹介と、私がnoteでしようとしていることや書いている記事の紹介を行います。 私のnoteの記事リスト(50音順)  私の自己紹介などをまだお読みでない方は、先に以下をお読みただければ幸いです。記事リストへのリンクはこのページの一番下にも載せています。 簡単な自己紹介  まず、簡単に自己紹介したいと思います。私は歴史を専門とする独立研究者です。国内の大学院を修了し、大

    • シェイクスピアの『テンペスト』のあらすじ(挿絵つき)

       『テンペスト』はイギリスの代表的な劇作家シェイクスピアの作品。1611年に初演された。ロマンス劇の一つであり、イギリスの古典的名作として知られる。この記事では、あらすじを紹介する。 テンペスト(The Tempest)のあらすじ  物語の舞台は、ある島である。その島の近くを、ナポリ王アロンソやアントニオらが乗っている船が通過していた。アロンソは娘とアフリカのチュニス王子の結婚式の帰り道だった。  だが、その船が嵐に襲われる。乗船者たちはみな船の沈没を覚悟する。彼らはその

      • サヴォナローラ:フィレンツェのイタリア・ルネサンスの中で

         サヴォナローラはイタリアの聖職者(1452-98)。フィレンツェからメディチ家を追放し、神政政治を行ったことで知られる。だが、教皇庁などとの対立により、処刑されるに至った。 サヴォナローラ(Girolamo Savonarola)の生涯  サヴォナローラはイタリアのフェラーラで生まれた。幼少期から、医師だった祖父から教育を受けた。  1475年、サヴォナローラはドミニコ会の修道士になった。その後、フェラーラの修道院で聖書を研究した。とくに、中世最大のキリスト教神学者アク

        • イサベル1世:スペインの新たな時代へ

           イサベル1世はスペインの女王(1451ー1504)。スペインの黄金時代の基礎を築いたことで知られる。レコンキスタの完了、コロンブスのアメリカ「発見」、スペインからのユダヤ人とイスラム教徒の追放などを行った。 イサベル1世(Isabel I de Castilla)の生涯  イサベルはカスティーリャ国王フアン2世の娘として生まれた。当時、イベリア半島の大部分を占めるようなスペインと呼べるような単一の国は形成されていなかった。  そのかわりに、イベリア半島にはカスティーリャ

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          (定期購読)ロバート・ボイル:科学革命と実験主義

           ロバート・ボイルは17世紀イギリスの哲学者(1627ー1691)。ボイルの法則で知られる。だが、彼の功績はこれに限られていない。むしろ、これからみていくように、科学革命が勃興する時代において、実験主義の導入や科学活動の組織化で大きな貢献をした。ボイルの法則の発見はまさにその一環であった。 ボイル(Robert Boyle)の生涯  ボイルはアイルランドのリズモアで裕福な貴族の家庭に7男として生まれた。父は初代コーク伯である。母を幼くして亡くした。  ボイルはイートン・カ

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          ワイルドの『サロメ』のあらすじ

           『サロメ』は近代イギリスの作家オスカー・ワイルドの戯曲である。近代イギリス文学の古典的作品の一つといえる。この記事では、『サロメ』の背景とあらすじ、その特徴を説明する。 背景  この作品は聖書に題材をえている。新約聖書の『マタイ伝 』の中で、ユダヤ王ヘロデの孫娘として、サロメという娘が登場する。サロメはヘロデのもとで行われた舞踏会で最も優れた踊りを披露した。  ヘロデはサロメに何でも望むものを褒美として与えると約束する。その頃、キリストに洗礼を施していたヨハネがヘロデ

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          ツヴィングリ:スイス宗教改革

           フルドリッヒ・ツヴィングリはスイスの神学者(1484ー1531)。スイスでの宗教改革の主要な人物として知られる。その改革運動は単に宗教面におよんだだけでなく、社会風紀の面にも広く及んだ。 ツヴィングリ(Huldrych Zwingli)の生涯  ツヴィングリはスイスのザンクト・ガレン地方で自由農民の家庭に生まれた。ウィーンやバーゼル大学で人文学や神学などを学んだ。当時の人文主義の影響を受けた。  その後、ツヴィングリは聖職者のキャリアを始めた。1506年に、グラールス

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          ミュンツァー:ドイツ宗教改革と再洗礼派

           トマス・ミュンツァーはドイツの宗教改革者1490ー1525 ) 。急進主義的な再洗礼派として知られる。1524−25年の農民戦争を指導したが、捕えられ、処刑された。 ミュンツァー(Thomas Müntzer)の生涯  ミュンツァーはドイツのシュトルベルク・アム・ハルツに生まれた。ライプツィヒやフランクフルトで学んだ。聖職者の道を目指し、 1514年には司祭になった。  ルターへの接近から離反へ  1517年、ミュンツァーが27歳の頃、ルターがドイツで宗教改革を始め

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          (定期購読)神聖ローマ皇帝レオポルト1世:オーストリア・ハプスブルクの確立

           レオポルト1世は神聖ローマ帝国の皇帝(1640ー1705)。在位は長く、1658から1705年まで。この時期、フランスとオスマン帝国と厳しい闘いを強いられた。第二次ウィーン包囲を耐え、フランスを孤立させてどうにか乗り切った。他方、オーストリア・ハプスブルク家の所領で対抗宗教改革を敢行した。芸術の愛好家としても広く知られる。 レオポルト1世(Leopold I)の生涯  レオポルトはオーストリアのウィーンで神聖ローマ皇帝フェルディナント3世の次男として生まれた。本来は兄の

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          ソフォクレスの『アンティゴネ』のあらすじ

           『アンティゴネ』は古代ギリシャの悲劇詩人ソフォクレスの代表的な作品。紀元前442年ごろに初演された。この物語は、ソフォクレスの『オイディプス王』と『コロノスのオイディプス』の続編である。この記事では、『アンティゴネ』のあらすじを紹介する。 『アンティゴネ』(Antigonē)のあらすじ  『オイディプス王』と『コロノスのオイディプス』をまだ読んでない方は、まずそれらから読むことをおすすめする。  『アンティゴネ』において、まず、その予言が実現する。オイディプスの息子と

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          トマス・モア:イギリス政治と「ユートピア」

           トマス・モアは16世紀のイギリスで政治や学問などの分野で多面的に活躍した人文主義者(1478 – 1535)。弁護士としてキャリアを開始した。外交や財務の職務をつとめ、最終的には、大法官の重職に昇りつめた。学識にも優れ、『ユートピア』の世界的名著を生み出した。それを可能にしたのは、これからみていくように、当時のヨーロッパ中を魅了したあの出来事だった。 モア(Thomas More)の生涯  モアはロンドンで法律家の家に生まれた。幼少期から、カンタベリー大司教のもとに仕え

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          ジャン・カルヴァン:国際的な宗教改革の指導者

           ジャン・カルヴァンはフランスの神学者(1509ー1564)。宗教改革の代表的人物として知られる。主著『キリスト教綱要』を公刊し、ジュネーヴで宗教改革を成功させ、神権政治を行った。カルヴァン主義の国際的なネットワークを構築し、宗教改革を国際的に展開した。以下では、予定説などの思想や、資本主義との関係も説明する。 カルヴァン(Jean Calvin)の生涯  カルヴァンはフランスのノワイヨンで弁護士の家庭に生まれた。聖職者の道を目指し、当時のスコラ学を学んだ。だが、父の意向

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          (定期購読)ウィクリフ:イギリスの宗教改革の先駆者

           ジョン・ウィクリフはイギリスの神学者(1330 ー1384 )。当時の教皇や教会の教義への批判を行い、異端とされた。ロラード派などに大きな影響を与えながら、晩年まで著述活動に打ち込んだ。死後はコンスタンツ公会議で異端として断罪された。フスとともに、16世紀の宗教改革の先駆者として知られる。  この記事では、まずその生涯を確認し、次にその思想をみていく。ウィクリフとロラード派との異同についてもみていく。 ウィクリフ(John Wycliffe)の生涯  ウィクリフはイギリ

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          (定期購読)リンカーン大統領:南北戦争と奴隷解放宣言

           エイブラハム・リンカーンは第16代アメリカ合衆国大統領(1809ー1865)。南北戦争という内戦が生じる中でアメリカ合衆国を維持し、奴隷解放宣言で国内の奴隷解放を実現した。その生涯と功績を説明する。さらに、奴隷解放宣言の和訳も載せる。 リンカーン(Abraham Lincoln)の生涯  リンカーンはケンタッキー州の貧しい農家で生まれた。当時のケンタッキー州は開拓地であったので、リンカーン一家は開拓農民だった。幼少期、リンカーンはしっかりした教育を受けられなかった。

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          セネカの『人生の短さについて』の要約:日々、時間に追われている人のために

           『人生の短さについて』は古代ローマの哲学者で政治家のセネカの著作である。ストア主義的な古典的名著として知られる。いまから2千年ほど前の著作だが、時間に追われる現代人にも刺さる内容として定評がある。この記事では、その要約を示す。 本書の概要  本書はおそらく49年頃に書かれた短い著作である。人生は短い。いな、短すぎる。そのような不満が古代ローマでもよく聞かれた。セネカはこれにたいし、適切な仕方で時間を使えば、人生は十分に長く、偉大な事業を成し遂げることもできると反論する。

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          ジェームズ・ワット:イギリス産業革命の動力源となった男

           ワットはスコットランドの技術者で発明家(1736―1819)。蒸気機関の発明者として知られている。ワットの蒸気機関はイギリスの炭鉱や繊維工場などで用いられ、イギリスの産業革命を大いに推進し、交通革命にも寄与した。馬力やワットなどの単位は彼に由来している。明治初期の日本でも偉人として紹介された。 ワット(James Watt)の生涯  ワットはスコットランドのグリーノックで造船・建築業者の家庭に生まれた。文法学校で古典語や数学を学んだ。その頃から、父の工房に通い、模型の作

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