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蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
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#読書記録

【あなたがあの曲を好きなわけ】音楽の好みを科学的にアプローチ

【あなたがあの曲を好きなわけ】音楽の好みを科学的にアプローチ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜音楽嗜好への科学的アプローチ〜僕にとって音楽は生活の中から切っても切り離せないものである。
通勤時間は常にイヤホンで音楽を聴いているし、寝る時にも音楽を聴いていないと眠れない。
聴く音楽のジャンルも問わず、ロック、ジャズ、クラシック、テクノ、などなど、とにかく何でもかんでも聴くので、音楽的には雑食である。

自分でもギターを演奏して作曲もしているので、その参

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【私の幸福論】刺激の強い幸福論

【私の幸福論】刺激の強い幸福論

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜不幸にならないための一冊〜「人間・この劇的なるもの」では頭を撃ち抜くような刺激的な言葉の数々で感銘を与えてくれた福田恆存さんの著書。こちらも、平易な言葉ながらも容易には読めない刺激の強い一冊である。

タイトルにある「幸福論」という言葉から、人が幸福に生きるためのノウハウが書かれているかと思いきや、その内容は逆説的である。
一言で表すなら「不幸にならないた

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【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

【きみのお金は誰のため】キレイゴトを論理的に

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜世界はお金が全てなのか?〜若い頃、年上の人に「この世はお金が全てだよ」と言われて、それに言い返せずに悔しい思いをしたことがある。
たしかに、お金が無ければ、自分の欲しいものや望むものを手に入れられないのはもちろんのこと、生活することすらままならなくなってしまう。結局、お金が無ければ僕らは生きていくことが出来ない。

本書によれば、そんな論理のもとに僕らは「お

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【民主主義とは何か】曖昧な民主主義という言葉を考え直す

【民主主義とは何か】曖昧な民主主義という言葉を考え直す

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜民主主義ってどういう意味?〜「民主主義」という言葉は非常に曖昧である。
いろんな場面で使われる民主主義という言葉だが、各々使う人によりその定義が違うように思える。
「自由を守るために民主主義は必要だ」
「世の中を良くするために民主主義は守らなければならない」
「民主主義の崩壊は社会の崩壊だ」
などなど、民主主義という言葉を使ってさまざまな議論が交わされるの

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【日本語のレトリック】言葉の豊かさを知る

【日本語のレトリック】言葉の豊かさを知る

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜レトリックとは何か〜レトリックという言葉は、「巧みな言い回しで相手を言いくるめる術」のように使われる場面をよく見かける。悪意で相手を説き伏せるような場面で「そんなのはただのレトリックだ」という風に使われて、あまり良い印象はない。

しかし、レトリックとは実際には「自分の主張を効果的に伝えることで相手の理解・納得を得る技術・学問」のことであり、言葉の外にある感

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【マンガでわかる統計学】他の統計学の本との組み合わせで価値を発揮する一冊

【マンガでわかる統計学】他の統計学の本との組み合わせで価値を発揮する一冊

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

現在、統計検定2級合格を目指して勉強中だが、たまに入門書に戻るようにしている。

入門書の良いところは、理論や方法の本質的な意味や「どういう場面で使うのか」という点を解説してくれるところだ。
本格的な勉強のための本だと、数式や問題が豊富でいわゆるその学問を使うための筋力は鍛えられるのだが、やっているうちに「これは何のためにやっているのだろう?」と、基本のことが

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【あなたが知らない科学の真実】これを読んだらあなたは科学を語れなくなる

【あなたが知らない科学の真実】これを読んだらあなたは科学を語れなくなる

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜再現性の危機〜心理学や行動認知学、はたまた健康にちなんだ栄養疫学や家庭医学など、身近で分かりやすく手軽に生活の中に取り入れやすいポピュラーサイエンス系の書籍はある種のブームとなっている。
ポピュラーとはいえ、それでも科学であるため、誰もがある程度の信頼ができる情報であると考えている。

しかしながら、本書はそんな通俗科学の世界にとっては衝撃的な内容となって

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【数学と人間】数学嫌いのための数学エッセイ

【数学と人間】数学嫌いのための数学エッセイ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜数学なんて怖くない〜著者の遠山啓さんという人を本書で読むまで知らなかったのだが、数学教育の分野で広く知られる人物であるらしい。初等教育で計算規則を教える方法を考案し、当時の文部省の学習指導要領準拠の講義よりも効果が高いことを実験的に証明したそうだ。

本書は数学に関する遠山さんのエッセイである。帯には「近ごろ数学が、数学ぎらいの人々を困らせたりうんざりさけ

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【武器になる哲学】哲学の実用書

【武器になる哲学】哲学の実用書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜哲学って役に立つの?〜哲学、といえばとっつきにくい難しいイメージや「何をそんなことを真剣に考えてるんだ」というイメージなど、おおよそ実社会で役に立ちそうなイメージを持たれていない。

しかし、著者の山口周さんによると、そのイメージは日本だけであり、欧米では哲学は学生の必修科目となっており、社会を作るためには欠かせない教養であると認識されている。

なぜ、日本で

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【ウソを見破る統計学】統計検定の勉強の箸休めに

【ウソを見破る統計学】統計検定の勉強の箸休めに

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

今現在、統計検定2級合格に向け勉強中である。
しっかり理論や数式を勉強していると、その参考書だけではその理論や計算手順などが実践の中でどのように使われているのか?ということがわからなくなり、度々迷子になってしまう。
この手の入門書は「数式を使わない」というのをウリにしているため、統計学って何だろう?という"触り"の部分を解説しているものがほとんどである。試験に直

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【ザ・ディベート】多角的に考えるための手段

【ザ・ディベート】多角的に考えるための手段

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜誤解されるディベート〜ディベート、討論というと、多くの人が「対立的に言葉で相手を攻撃的にやり込める言い争い」というイメージを持っていると思われる。
かくいう僕もそのひとりで、討論だの議論だの相手を言い負かすことを良しとする人をあまり良く思ってはいない。ネットやテレビの討論番組を見るのもあんまり好きではない(昨今の「論破」ブームに飽き飽きしていることも、この

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【確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで】がっつり数学書

【確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで】がっつり数学書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜「確率」とは何なのか?〜本書はタイトルの通り、「確率」に関する本である。
「確率」は、生活の中で溢れかえっている。
天気予報、ギャンブル、投資、生命保険などなど、確率に触れずに生活することはもはやあり得ない世の中になっている。

しかし、これだけ身の回りに多くある確率について、果たして正しく理解しているのだろうか?
そもそも「確率」とは何なのか?

本書は「確

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【アライバル】緻密な絵に言葉の無い物語

【アライバル】緻密な絵に言葉の無い物語

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜グラフィックノベル〜エドワード・ゴーリーや先日読んだ「HERE」など、グラフィックノベルが最近の小さなマイブームとなっている。

大人向けの絵本、マンガとも言えるグラフィックノベルというジャンルは、実際のところ明確にジャンル分けしようとするとかなり曖昧な立ち位置にある。
それだけに、個性的で独特な作品が多く、想像をめぐらせて様々な解釈が出来るのが面白い。

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【アイデアのつくり方】アイデアは天才の特権ではない

【アイデアのつくり方】アイデアは天才の特権ではない

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜アイデアは天才だけのものではない〜本当に30〜60分あれば読めてしまう薄くて短い本なのだが、「アイデアはどのように生まれるのか?」という疑問に対して、無駄なく簡潔に書かれている。

著者は名の知れた広告マンであり、主に広告のアイデアを生み出すためのプロセスとして書かれているのだが、その方法論はどんな分野にも当てはまるだろう。

まずそもそも「アイデア」とは何

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