◆松浦好治『法と比喩』25頁等や植松秀雄「レトリック法理論―法の賢慮と法律学」115頁等でも佐藤信夫(レトリック論)は引用されている。レトリック論は豊饒な水源を有しているのに、今はまだ汲み出す作業に入ったばかり。法律実務家の眼から見れば、無尽蔵の探究課題が眠ったままである。
レトリックやメタファーはレゴ®シリアスプレイ®にとっての大きな要素。誰もが慣用句や比喩、隠喩を使えるわけではないけれど、作品の説明を聴いているうちに「ああこの人はこういうことを言いたいのだろうな」と深読みしていける。そのためには心理的安全な場を作り出すことがもっとも重要です。
◆「《あらゆる発言ないし批評はその正面に被批評対象の像を描き出すと同時に、背面には当の批評者の姿勢をありありと描き出す・・・》という言語の必然の作用…」(佐藤信夫「消滅したレトリックの意味」『レトリックの消息』47頁,白水社,1987)。逆なでに読む、つまり読むときの基本。
◆「もし文法を越えた普遍性をひそかにはらむとすれば、それは、レトリックがじつは文法より上位の文法、けっきょく言語の記号学をわれ知らずにのぞんでいたということではないか。きっと、そうだ」(佐藤信夫「隠喩と諷喩と書物」『レトリックの消息』153頁,白水社,1987)。