りべるりべる 貴村 甍(たかむらいらか)@毎日投稿392日

りべるりべる【次世代教員養成塾】代表 ※公式HP→【https://www.liber…

りべるりべる 貴村 甍(たかむらいらか)@毎日投稿392日

りべるりべる【次世代教員養成塾】代表 ※公式HP→【https://www.liberliber-edu.com】 元中高一貫校英語教師 / 著書『授業展開の手引き〜「勉強」を「学び」に変えるメソッド』【https://amzn.asia/d/bqp9CRJ

マガジン

  • インターネットラジオ番組「雑談、または教育について」

    雑談または教育について は教育コンサルティングファーム「りべるりべる」代表の貴村 甍(たかむら いらか)とアシスタントのTamaがお送りするインターネットラジオです。「教育は日々の何気ない雑談の中にある」というコンセプトのもと、私たち二人が教育的観点から様々な雑談をしていきます。 プロフィール 貴村 甍(たかむら いらか) 教育コンサルティング『りべるりべる』代表 大学卒業後、中高一貫校の英語科教員として約10年勤務。米国留学を経て、現在は学校に関わる全ての人の支援を目的に活動中。 Tama 米国の大学を卒業後、物流・貿易事務、英語講師、児童福祉施設指導員、通訳・翻訳、文章校正など様々な職を転々。現在はプロコーチとして活動中。

  • りべるりべるチャンネル

    教育コンサルティングファームりべるりべる代表貴村甍のYoutubeチャンネルに関する動画をまとめたマガジンです。

最近の記事

#529 自分の弱さと向き合うこと

喧嘩するほど仲が良い  という言葉があります。人は年を重ね社会に出て様々な関係性を築く中で、いつしか本質的な意味において「相手と向き合うこと」をやめていく傾向にあるのかもしれません。  私は以前友人に「相手に期待することは間違っている」という言葉をかけられたことがあります。それはある意味では「真」であると私も思います。相手への見返りを求める気持ちは、下手をすれば相手を「利用」する不純な気持ちと繋がりかねない。一方、それは同時に相手への「諦め」であり、解決しなければならな

    • #528 ネガティブがポジティヴを凌駕する教育現場

       教員不足という問題が世間に知られてから、それなりの月日が経っていますが、未だ解決には至っていません。  昨年末に行われた全国教職員組合の調査では全国の公立学校で3000人余の教員が不足しているとの結果も出ています。 昨年度行われた教員採用試験の受験倍率も過去最低を更新。全国の小学校の受験倍率は10年前の2013年では4.3であったのが昨年ではたった2.3となりました。  文科省は3年前の2021年に#教師のバトンを開始。Twitterなどを活用し教員が若年層に仕事の魅

      • #527 形式陶冶という考え方

         西洋の近代教育史の偉人にジョン・ロック(1632〜1704)がいます。 彼は、名誉革命を経て王政から議会制へ移行した時代にイギリスの政治、経済、そして教育に「自由主義の父」として新たな価値観を吹き込みました。    彼の教育思想の中に「形式陶冶(けいしきとうや)」があります。形式陶冶とは、「単に知識をあれこれと子どもたちに教え込むことではなく、その知識を使いこなす能力、それをさして「形式的」というのだが、それを発展させることで、思考力(記憶力・推理力・想像力などの精神的能力

        • #526 男女別学の価値を考えてみる

           LGBTQという言葉が世の中で一般的になりつつあるように、現代社会では「性の多様性」の概念が広まってきています。生物学上の「性」という記号を越えた一人の「人」として自分の思うままに幸せな人生を過ごすことの価値はこれから先もっともっと重要視されていくでしょう。  しかしながら、では私たちが生まれながらの「性」の影響を受けないかと言われればそんなことはありません。歴史的背景からくる「性別」による社会的な違いは存在するわけではあり、その違いは時として両者の間に軋轢を生み出すこと

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        • インターネットラジオ番組「雑談、または教育について」
          21本
        • りべるりべるチャンネル
          13本

        記事

          #525 主体性を以て「覚悟」を決める

           江戸時代以前に生まれた人は、生まれながらにして自分の人生の道筋が決まっていました。特に身分制度が確固たる時代においては、自分たちの人生を「選択する」権利がない。自分の生まれた環境を受け入れ、その中で人生を作っていく。それはその人の運命や宿命という言葉で形容され、だからこそ、「覚悟」が生まれる。そんな時代がありました。  明治以降、住居や職業選択の自由が生まれた頃から、私たちは自分の人生を「選ぶ」権利を持つことができるようになりました。選ぶことのできる自由と引き換えに、選び

          #524 ラケット選びから考える情報の捉え方

           テニスラケットを買うかどうか迷っています。今使用しているラケットを購入してから2年ほど経ち、新しいガジェットが欲しいなと思っているところです。  しかしながら、購入に未だ踏み切れない理由がある。それは、ラケットの違いがあまり良くわからないからです。コーチは、購入を検討しているラケットは現在使用中のものより絶対に良いと言ってくれるのですが、、、。  コーチを信じるならば、ガジェットを変えることでプレーが良くなるし悩みどころ。  今はラケットの素材などまで調べる始末。そし

          #523 イメージによる支配からの脱却

           私たちは社会から様々な記号(レッテル)を与えられ、その記号は様々なバイアスを生み出します。  その中でも性差に起因するバイアスはその象徴であるかもしれません。この種類のバイアスは、私たちが生を受けてすぐに始まります。「◯の子だから」という言葉に始まる様々なレッテルは、私たちの人間としての自由を奪う第一歩なのかもしれません。 公益社団法人ACジャパンのCMに、 「『想像したのは男性の姿ですか?女性の姿ですか?』『無意識の偏見に気づくことから、はじめませんか。』 という

          #522 事実が全ての出発点〜水原一平氏の報道から考える〜

           連日、大谷翔平選手の通訳である水原一平氏のニュースが報道されています。私個人としては、彼の今回の報道は非常に残念であるし、被害者となった大谷氏は非常に困難な時間を今も過ごしながらも、連日プレーをしている姿を尊敬しています。  TBSの情報番組「ひるおび」でも水原一平氏の事件に関する報道がなされていました。番組のコメンテーターで落語家の立川志らく氏は、今回の事件に関する私見をSNSで発信しています。  大手メディアが事実に基づかない憶測の中で物事を報道することへの警鐘は私

          #522 事実が全ての出発点〜水原一平氏の報道から考える〜

          #521 ブランディングとその本質

           ビジネスを成功させるための大切な要素として、「ブランディング」があります。ブランディングとはいわば、自社の価値、あるいは自社製品の価値を高め、自社と自社の商品やサービスを「独自のもの」として認識してもらい、他社と差別化を図る取組のことです。  類似した商品が溢れる世の中において、その商品にどのような「付加価値」をつけることができるのは、そのものを購入する人にとって大切な要素だと言えます。  ペプシコーラの味はコカコーラよりも美味しいと思う人が多いのにも関わらず、多くの人

          ♯520 教員も「個人事業主化」すればよい

           先日、前の職場の後輩と飲む機会がありました。彼は非常に優秀であり、OBとして10年、20年以上の将来を担う人材であると個人的には思っています。 一方、彼と話す中で、「学校の将来」の観点はまだまだ足りないなと感じることもある。それは、日々の業務の忙しさや経験値が不足しているということもあるけれども、自分が私立学校という「企業」に勤めている感覚が少し薄いのではないか。  企業体を支えるのは、そこに勤める人たちの頑張りであるのだが、その頑張りを支えるのはその企業自体の価値観や

          #519 心の葛藤を制御できない自己嫌悪

           私が学校教員として勤めていたころ、部活動の運動部の主顧問をしていました。  私の職場は、大学進学を第一に考える中高一貫校(スポーツクラスは存在しません)なので、部活に対する取り組みは人事評価ではあまり重要視されません。  それでも、部活動が教育活動にとって価値かあるものであるという感覚は存在し、だからこそ生徒にも部活動を進めます。特に主顧問は、学習レベルが非常に高い生徒に対し、質の高い授業を展開しなければなりませんから、日々の授業準備に加え、休日の部活・大会などで忙しい

          #518 名前を変える、概念が変わる

           私たちの世界には様々な名詞が存在します。それらは私たちの共通認識として役立つ一方、その名詞に付随するイメージによって、私たちの思考を鈍らせることもあります。だからこそ、その名詞の意味を再定義し、自分たちが目指している方向性を正確に表す言葉に置き換えることが大切です。 埼玉県蕨市立北小学校は、従来の校内研究の“当たり前”を見直し、「持続可能で幸せな校内研究のあり方」を模索する中で、その名称を「北フェス」と変更。この変化によって、「フェス」という名のごとく、教職員の熱意とパワ

          #516 「学び」は「償い」の一つのありかた

          ○  人が何かの過ちを犯した時、その人がやらなければならないことは「罰を受けること」ではなく「償うこと」であると言える。  その理由は「罰」は(終身刑および死刑以外は)時が過ぎれば終わってしまうし、罰はその人自身の「怒り」をさらに強化させ、結果同じかより思い過ちを犯すことに繋がるからです。  償いとは、「自分が犯した罪の重さに一人の人間として向き合うこと」。自分を大切にすること、相手を大切にすることの本質に気づくまで、自分と向き合うことと同義であると言えるでしょう。  

          #515 自分を大事にする方法を学ぶこと

           私たちは他者との関係性の中で生きてゆきます。学校という場は、子どもたちが「社会」に出て様々な人たちと適切な人間関係を築くための練習の場だと言えるでしょう。    滋賀県守山市の中学校で、クラス分けに配慮が足りなかったとして、始業式を取りやめ、クラス分けをやり直したというニュースがありました。  学校は児童・生徒にとって「ラーニングゾーン」として機能しなければなりません。今回の生徒同士の関係性が、互いの学びを阻害する状態、つまり「最適な負荷」を超えるものであったならば、

          #514 世界の解釈を自分で探す冒険

           世の中は、客観的事実とその事実に対する主観的解釈で成り立っていると言えます。  例えば、「人を殺したらいけない」という価値観は普遍的ではありません。人間の歴史を振り返れば、人の命の価値が低いものであった時代の方が長いのですから。現代における事実は、「人を殺したら刑事罰を受ける」ことですが、「人を殺すことは悪いこと」という認識は時代によって変化するのです。  世の中には、人の分だけ「正しさ」があるし、そしていかなる正しさにも普遍性はない。だからこそ、自分の「正しさ」を見つ

          #513 精神的に向上心のない者はばかだ

           私たちは「完璧」な存在ではありません。  長い人生の中でたくさんの過ちを起こし、後悔をし、そして時として人を傷つけながら生きています。  そんな「不完全」な自分を受け入れることは、自分自身の存在を守る上で非常に大切なことであると思う。  一方、何かを受け入れることと、それを「放置」することは同義ではない。ほんの少しでも「ありたい自分」に近づくために、何かしらの行動を起こすことの大切さを日々感じています。  そんな時に役立つのは、「自己矛盾」と向き合うこと。自己の矛盾