Palabra COCKER

主に朝日新聞の記事の感想を書き留めます。 クリエイター名はアニメ「新メイプルタウン物…

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主に朝日新聞の記事の感想を書き留めます。 クリエイター名はアニメ「新メイプルタウン物語 パームタウン編」に登場するローリィの父親(南の国のパームタウンにある商店「パームストア」や不動産の経営者。不出来な芸術家を支援。ローリィを含む3人の子の父親)。彼のような鷹揚な人になりたい。

最近の記事

妊娠中の女流棋士における将棋への影響

2024年8月の女流棋戦  今月20日に清麗位を防衛したばかりで、明日31日からは白玲戦七番勝負に臨む福間香奈女流五冠について、昨日将棋連盟が妊娠(のため白玲戦が椅子対局で着物非着用となること)を発表。また今月は、3月に妊娠を発表していた室谷由紀女流三段が産休に入る直前の倉敷藤花戦挑戦者決定戦トーナメント準決勝で上田初美女流四段に勝利している。冒頭の引用はその上田女流四段の3年前記事より、これらの報にふれて想起したもの。 妊娠中に出場したパラリンピアン スポーツだと妊娠

    • 「こ、これがマイクロアグレッションか……」市川沙央さんの語りで私が好きなところ

      「読書文化のマチズモを憎んでいた」のインパクトで読書バリアフリーという一石を投じ、昨年の文壇に新星として輝いた作家の市川沙央さん。実は東京パラリンピックの開・閉会式をきっかけにして、当事者をどう描くかという「障害者表象」を大学の卒業論文のテーマとされたようで、パリパラリンピックの開会を前にしたインタビューに応じている。人工呼吸器を常用している市川さんへのインタビューは、書面インタビューのかたちがとられることが多い。 「こ、これがマイクロアグレッションか……」 記事自体の内

      • 御年93歳、秦早穗子さんからアラン・ドロンへの弔辞

        なんという美文であろうか。しかし文章が美しいだけではない。秦さんにしか書きえないことが書いてありながら、過剰な自分語りではない。故人を偲ぶ気持ちがあり、同時代のフランスの芸能を知らない日本の読者への配慮もある。 秦さんは1931年生まれとのこと。かねて著作にしたためてきたエピソードであって、訃報を受けて65年前の記憶を引っ張り出したわけではなかろうが、俳優の全盛期を活写した筆致には舌を巻く。 なお記者による訃報・評伝はこちら。 もし「太陽のただ中」という邦題であったなら

        • アゾフ海、パラリンピアンの遥かなる故郷の海

          五輪が閉会して2週間も経つのに、朝日新聞デジタルのヘッドラインにいつまで「パリ2024」が掲示されているのかと思わなくもなかったが、明日28日よりパリパラリンピックが開幕する。 今日27日の朝刊紙面より、故郷を追われる苦難のなかでパリにたどり着いたパラアスリートを紹介する記事。 マリウポリの平時の海の様子は知らないが、クリミアに海水浴に訪れるロシア人の様子は開戦当初によく目にした。アゾフ海は本来、海水浴に適した浜と浅瀬の広がる内海なのだろうか。

        妊娠中の女流棋士における将棋への影響

          自分を肯定して逃げるという高見盛のストレスコーピング術

          先週、1面に載っていた連続起業家 家入一真さんのインタビュー記事。 これで思い出したのが、何年も前の記事だけれどサムネイルの力か度々ランキング上位にあがってくる高見盛のインタビュー記事。 高見盛が東関部屋を閉めた当時 高見盛が、稽古場では力を発揮できなかったことも、ファンとのふれあいができないことも、決して怠慢ではない。本人は懸命で、求められる振る舞いができていないことについて自覚的である。 上の記事では東関部屋を廃するに際しての痛切な胸の内を吐露しているけれど、それは

          自分を肯定して逃げるという高見盛のストレスコーピング術

          インクルーシブな農園

          今日の天声人語は、障害を持つ子を持つ親としては勇気づけられる話だった。 きっかけとなった母親のお子さんがどういった障害、そして個性をお持ちかはわからないが、我が子と自身に重ねてみて、子供の可能性を信じる姿勢に感銘を受ける。 別記事によると、特に知的障害者の雇用先として農業はポピュラーらしく、「代行ビジネス」の担当者がその理由を次のように説明している。 この記事をみるに、代行ビジネスへの批判は、要は隔離されていてインクルーシブでないということのようだ。我が子が竜宮城で良い

          インクルーシブな農園

          ワタグチペアを早くもライバル視する齋藤夏選手

          ワタガシペアの終幕 ワタガシペアはジャパンオープン準々決勝敗退で幕を下ろした。男タブ、女ダブからの転向ではなく、育成年代からミックスにも取り組んで結果を出してきた稀有なペアだった。BIPROGYではチームメイトとはいえ、団体戦にミックスはないし、もう見られないのかもしれない。 新生ワタグチ?ペア 今後、渡辺選手は若い選手と組んでミックスを続けるとのこと。新しいパートナーはACT SAIKYOの田口真彩選手らしい。 若手有望株の田口選手が早く大きな試合に出られるように渡

          ワタグチペアを早くもライバル視する齋藤夏選手

          女性の活躍推進にはエイジェンシーが重要という道聴塗説

          ヌエックが新法人となり埼玉県嵐山で存続することはジェンダー取材のベテラン杉原里美記者の記事で知っていたが、 下記のWebメディアの記事によると独法として換骨奪胎されると警戒する声があるらしい。 差別撤廃と活躍推進とでは語感や理念が異なることはわかるけれど、いずれにしても国外向けのポーズに留め置くのでなく、端的な改善指標であるジェンダーギャップ解消に実効的な行政であればと願う。 ダイバーシティ実現のためにはエイジェンシー(主体性)、すなわち当事者たる女性が選択したり、交渉し

          女性の活躍推進にはエイジェンシーが重要という道聴塗説

          新聞記者の舞台裏エッセイに対する許容性

          この記事に対する西田亮介先生のコメントプラスについて 新聞記者の自分語りは、育児・介護・在外経験などの苦労話だとさほどでもないが、時に私も鼻白むところがある。一方で、西田先生の度々のエモ話批判の鋭利さには気圧されるばかり。他のメディアと対比した、オーソライズされた情報源としての価格に見合った価値提供を求めているからこそのサービス改善要望だろう。私のように全国リベラルコミュニティ機関紙、緩やかなエコーチェンバーとして漫然と朝日新聞を購読している人よりも、価値提供に期待して厳し

          新聞記者の舞台裏エッセイに対する許容性