[お知らせ]有田 正広〜音楽家のための!音楽修辞学講座〜(2024/11/06/Wed.※配信あり!)
みなさまこんにちは。note をご覧いただきありがとうございます。
フルート、フラウト・トラヴェルソ奏者の宮戸美晴です。
2024年11月6日(水)、ドルチェ・アートホール Osaka にて有田正広先生の音楽修辞学講座が行われます。
11時開講、19時終講の8時間講座です!(間に1時間の休憩や小休憩を挟みます😊)
今回の講座は配信もあるので、当日は都合がつかない、という方も配信でご覧いただくことができます!
私は講座内で取り上げられる楽曲の演奏者として参加させていただきます。
さて、みなさまは「音楽修辞学」をご存知でしょうか?
私が初めて「音楽修辞学」の存在を知ったのも、有田正広先生の講義でした。先生のような知識はありませんが、これまでに何度か有田先生の講義を受けた身として、今回の講座がどのような内容になるのかを知っていただけるよう、書いていきたいと思います。
「修辞学」という言葉を聞いたことがない、知らないという方にも、興味を持っていただけたら嬉しいです!
修辞学とは何か?
今回の講座のテーマは「音楽修辞学」ですが、これは「修辞学」という学問に基づいています。「レトリック」ともいいます。
ここだけ見ると、現代でいう「プレゼンテーション」みたいですね。
さて、今度は別の辞書で「レトリック」を引いてみました。
では次に音楽修辞学について考えていきましょう。
音楽修辞学とは何か?
先ほどの「修辞学」の説明を音楽に置き換えてみたらどうなるでしょうか?
「音楽修辞学」は「音楽で人々を説得し、感動を与えるための最も有効な表現方法を研究する」ということになるでしょうか?
音楽に積極的に取り入れられるようになったのは中世からルネサンス期のことだそうです。
さて、これまでに有田先生の音楽修辞学の講座を受けた中で、印象に残っているフレーズが一つがあります。それは「音楽修辞学は作曲技法の一つ」であるということ。
つまり作曲家は「音楽修辞学」という作曲技法を使って楽譜を書いているということです。
具体的には、「フィグール」と呼ばれる、複数の音符から構成された、ある種の比喩的手法を用いることで、様々な感情や表情などを表現し、作品に内包されたテーマや意味を音符を通じて聴衆に伝える、ということです。
説明が堅苦しくなってしまったので、別の視点からさらに噛み砕いていきたいと思います。
音楽修辞学を知ることのメリットとは?
音楽修辞学を知ることで一体どのような良い点があるのでしょうか?
これは演奏者側からの視点ですが、一言で表すならば
「演奏解釈のヒントを得ることができる」
ということです。
ちょっと待ったー!!演奏解釈ってなに!?
音楽を専門的に勉強されている方であれば一度は聞いたことがあるだろう「演奏解釈」。ということで、まずは「解釈」の意味を調べました。
さて、「演奏解釈」の場合は、「解釈」の前に「演奏」がついていますから、「演奏者側目線」の解釈になるわけです。
つまり自分以外の他者による音楽作品を「演奏」しようとする時に、その作品の「受け手側」である「演奏者」が、どのようにそれを理解し、どのように演奏するか、ということになるでしょうか?
ある作品について理解するためには、まず作品について知るということが必要になります。
一般的には、その作品の基本的な情報(作品のタイトル、楽譜に書かれている情報、作曲者)に加え、その作品や作曲者にまつわるさまざまな事柄について知っていく、という作業が含まれると思います。
よく「作品のバックグラウンドを調べる」と言ったりしますね。
ではここで、私自身が作品についてなるべく知っておきたい、思う項目を、挙げられるだけ挙げてみましょう。
①作曲者の生没年、生まれた国、活躍した国や時期など
②その作品がいつ、どこで、誰のため、何のために書かれたのか、そしてどのような人が演奏し、どのような楽器で演奏されることを想定しているのか
③楽譜に書かれている内容(作品のタイトルの意味、使われている言語、拍子、発想標語、調性、音符など)
といったような項目です。他にもあるかもしれませんが、とりあえずこのくらいで。
さて、今回のテーマである「音楽修辞学」は主に③の楽譜に書かれている内容に大きく関わってきます。しかし修辞学を知ることで、③以外の項目とも結びついて、作品のイメージがよりリアルに感じられるようになります。
わかりやすい具体例を挙げるために、楽譜を読むときのシーンで説明したいと思います。
例えば、ある作品の楽譜を読んでいるときに、「この曲、全体的に強弱や速度指示、表情、アーティキュレーションなどが何も書いていないのだけど、どのように演奏したら良いの?」と思ったことはありませんか?
一概には言えませんが、おそらくこの疑問が思い浮かぶ機会は、時代を遡るほど多くなるのではないでしょうか?
なぜならば、時代を遡るごとに楽譜に書かれている情報が少なくなる(ことが多い)からです。
しかし、楽譜に書かれている情報が少ないからといって、どんなふうに演奏しても良い、ということではないようです。
どういうことか?
つまり、私たちには楽譜の情報が少ないように見えているけれども、当時の人には音符という限られた情報から、どのように演奏したら良いのか、大体のことを理解することができたのだそうです。
また、当時は作曲家自身が演奏するために書いた作品も多くあったと思いますので、記す必要がなかったというケースもあるかもしれませんね。
いずれにせよ、楽譜を読む上での、いわゆる当時の「暗黙の了解」みたいなものを、現代では総じて「演奏習慣」といいます。
今わかっている範囲での「演奏習慣」は、当時の文献などから読み取れる内容、あるいは様々な資料から推測される事柄が中心になっています。そしてこの「演奏習慣」は「演奏解釈」をする上で非常に重要になってきます。
また「音楽修辞学」のような学問も、演奏習慣の理解において重要な位置を占めていると考えられます。
さて、作曲家たちは「音楽修辞学」という作曲技法を用いて作曲したのですから、その当時の作曲家たちにとって、「音楽修辞学」の技法に基づいて書かれた音符は、いわば音楽家同士の共通言語のようなものだったのではないでしょうか。
つまり、楽譜上には音符や休符しか書かれていなかったとしても、その音楽に込められたある程度の意味を読み取ることができたということです。
そして、現代の私たちも、音楽修辞学を知ることで、それらの音符から作曲家が求めている感情や表情、意味を窺い知ることができるのです。
それらを作品の調性だったり、想定された楽器など、作品にまつわる様々な情報と結びつけることで、さらに具体的な内容が浮かび上がってくるのです!
もちろん、過去の作曲家に直接聞くことができるわけではないので、彼らが作品に込めた感情や意味を、完全に、そして正確に知ることはできないかもしれません。
しかし、音楽修辞学を学ぶことが、作曲家たちが望んだ作品の形を追求するための重要な手がかりとなることは確かなのではないでしょうか?
最後に
ということで、ここまで私の視点から音楽修辞学についてざっくりと書いてまいりました。ざっくりですので、実際はもっともっと深淵な世界が広がっています。
いかがですか…?音楽修辞学について、もっと知りたい!と思っていただけましたでしょうか?
もしそのように思っていただけたら、ぜひ今回の講座にご参加ください!!
この記事では伝えきれない、「音楽修辞学」についての有田正広先生の魅力的な講義が待っています!
みなさん、一緒に音楽修辞学について学びましょう!
今回の講座の詳細情報はこちら
ドルチェ楽器のホームページより
桐朋学園大学特任教授 有田 正広~音楽家のための!音楽修辞学講座~
開場 10:30am 開講 11:00am
会場 ドルチェ・アートホールOsaka
●入場料
【Live入場チケット】
一般 4,500円
学生 3,000円
DMC一般 4,000円
DMC学生 2,500円
【Web視聴チケット】
3,000円
(視聴期間:リアルタイム配信および、終演の1時間後~2024年12月9日(月)5:00pm)
●出演者
【講師・フルート】
有田 正広
【演奏】
宮戸 美晴(フルート)
國府 利支恵(ファゴット)
●お問い合わせドルチェ楽器大阪店
Tel:06-6377-1117
●チケットご予約
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・Web視聴チケットはドルチェ楽器の音源配信サイト「ドルチェ・クラシックチャンネル」にてお求めいただけます。
※Web視聴チケットは2024年9月11日(水)5:00pm発売開始です。
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ということで今回の記事はお知らせでした!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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