かもめの研究

関心を持った議論の論点整理を行っています。 文章は、できるだけ短くなるように心がけてい…

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関心を持った議論の論点整理を行っています。 文章は、できるだけ短くなるように心がけています。 読みづらくなりますが、ご了承ください。

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    映画作品を独自視点で解釈しています。

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『抗議システム』ネットいじめ/ネットリンチ対策

SNSのプラットフォームは、ネットいじめ、ネットリンチに対する有効な対策を提供できていません。 表現に関わる対立は、第三者の判断が非常に難しい状況があり包括的な対応が取りづらいという特徴があります。だからと言って、数か月から年単位に渡って一個人へのネットリンチが継続している状況を認識していながら、具体的な対策を立てないプラットフォーム側の姿勢には問題があります。 エスカレートを抑止する ネットリンチが発生する原因は様々ですが、その中でも特定のユーザーがいじめを先導するよう

    • 信者から見た陰謀論3|絶対的真理

      揺るぎない確信 信者は自分たちの信念や情報に対して絶対的な確信を持っており、 部外者の介入の余地がありません。 信者は、教育を受けて社会生活を営んでいる普通の人たちです。 しかし、部外者との会話が成り立ちません。 陰謀論という非常識で偏った話を真剣に信じているため、 一般的な認識を持った人とは、認識が乖離しています。 信者が陰謀論に固執する理由を社会的属性、認識力、偏見、イデオロギー、精神的な問題と考えると、批判する立場との対立軸は鮮明になりますが、 信者が一様に「絶対的

      • 信者から見た陰謀論2|我々の掟

        陰謀論者や信者の発言から陰謀論コミュニティの 暗黙のルールを検討してみます。 あくまで仮説であることに注意してください。 1.我々の常識は、世界の真理 自分たちの意見が他のすべての意見よりも優れていると考える。 コミュニティ内の価値観や信念が普遍的な真実であるとみなす。 自分たちの信念を固守するため、公式の情報や主流の見解を軽視する。 誇大な陰謀論と現実の出来事を結びつけ、現実を歪曲して解釈する。 その解釈に客観的視点はノイズになるため、異なる意見を排除する。 すると

        • 信者から見た陰謀論1|別世界

          信者には何が見えているの? 同じ景色を見ても、視点を変えると全く違った景色に感じることがある。 陰謀論にハマった信者には、信者以外には見えない世界が見えているのでしょうか。信者個人の視点に立って陰謀論にハマるプロセスを考えてみます。 信じる理由がある 陰謀論者は信者が外部の情報と接触することを許しません。 教義を疑わないように世界は危険だと警告します。 「新聞、テレビの言うことは、嘘だ」 「悪の組織に企業や行政や警察も操られている」 「凶悪な連中が暴力で服従させようとしてい

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          4本

        記事

          映画「メメント」時間の鎖

          映画「メメント」を時間の観点から考察します。 この映画には、時間に関連する表現が多用されている。 レナードの時間感覚 レナードは前向性健忘という特殊な症状によって、数分間が経過すると 強制的にそれまでの記憶が消去される。 周期的な記憶の消去タイミングに、常に追い立てられている。 時間の循環 レナードは保険調査員として培った調査方法に従って行動している。 情報収集や管理の習慣は、過去の自分の姿を再現するための行動で 過去との連続性を維持しようとしているように思える。しかし

          映画「メメント」時間の鎖

          虚無とリーダーシップ

          ニヒリズムの合理性 ニヒリズム: すべての価値や意義が無意味であるとする立場から、徹底的に合理的に考え抜いた結果、意味のあるものを選別して、無意味と判断したものは破壊の対象とするプロセスを含んでる。 このプロセス自体は、問題点を抽出し解決策を見つける手法に似ている。 個人の思想の範囲を超えて、権力者がニヒリズムに基づく 政策を実行した場合の影響を考える。 破壊的結論: ニヒリズムから導き出された破壊的結論に対して、どのように行動するか によって、サイコパスと社会的リーダ

          虚無とリーダーシップ

          ナルシシストの試練

          ナルシシストの自己評価 ナルシシストは自分が優れていると信じているため、自己評価が高い。 黙っていればいいものを、それを他者に開陳して承認させようとする。 他者から自己評価を承認してもらうのは、意外と難しい。 本来の能力より評価を過剰に見積もると、自分より有能な人と比較される。 しかし、ナルシシストは他者が自分より優れていると認めない。 自分で墓穴を掘ったような状況をナルシシストは、どう回避するのだろう。 相手の価値を低く見積もってみる: 相手の能力が明らかに高い場合、

          ナルシシストの試練

          新しいことが理解できなくなる

          気づかれない 革新性や創造性を称賛する風潮がありながら、 新しい事柄が示されたときの一般の反応は真逆である。 ほとんどの場合は、新規性に気づかれず無反応である。 まれに積極的に情報探索を行っている人が関心を持つくらいで、 話題にはならないまま、大量の情報の中に埋没していく。 新規性への感度 特定の分野の事情を把握している人が、専門的知識を用いて新規性を 認定して、「新しい物事」として価値が確定するような特許審査の過程と同じように捉えると、日常的な「気づき」に価値を与えること

          新しいことが理解できなくなる

          過去の夢日記が怖い

          数年前に使っていた学習ノートをパラパラと読み返していたら 1ページだけ「奇妙な夢」と題する夢日記が書かれていた。 夢を記録する習慣はないし、書いた記憶もない。 ただでさえ、過去に書いたものというのは現在の自分が書くものとは 乖離があって違和感を感じるのに、夢ともなると到底自分のものとは 思えない。いや、少し違う。過去の自分自身が怖い。 内容も変だが、表現が不安定な感じが不気味だ。 さらに、この夢についてコメントが付されていた。 あの夢の記述をどう理解して、この結論に至っ

          過去の夢日記が怖い

          考えてはいけない|前に進む

          批評を書いて思うこと 記事を書く時の批判的姿勢について 映画「ファイト・クラブ」の記事を書いてみて、多くの学びがあった。 以前の記事で 「現実的すぎる解釈を与えられると、ロマンを感じなくなってしまう」 と書いたが、書いた本人がその反動を受けるとは思わなかった。 1.思っていたのと違う ・直感的に受け入れがたい結論 映画「ファイト・クラブ」が父親に関する話? 記事を書き始めた時には、全く想定していなかった結論に達し、 なんだか、気持ち悪い。 恐らく、ほとんどの人にとって「

          考えてはいけない|前に進む

          映画「ファイト・クラブ」どん底まで落ちる

          ニヒリストを見つけよう この映画を見ると、ニヒリストの考え方がよく分かる。 絶望するほど悲惨な状況ではないが、希望を持てるような安定した状況でもない狭間にいて、自分の人生に失望している「がっかりはん」の思考様式が ニヒリズム(虚無主義)である。 虚無の深い深い沼にハマっている人をニヒリストというが、 いくつかの問題が複雑に関係しあって、ジレンマに陥っているので 「人生に意味なんて無いぜ、ニヒヒ」とか言っちゃう人 だけでは説明が足りない。 この映画を見て「意味が分からない

          映画「ファイト・クラブ」どん底まで落ちる

          「セクシー田中さん」調査報告書を読んで|ドラマ化原作改変問題2

          どのような認識の相違があったのか。 本件は、漫画原作者と脚本家との対立が表面化したことから、 特に原作者の映像化に関する認識に、当初から注目していた。 報告書から原作者が改変に反発した理由として読み取れることは、 「ストーリーテリング」 「テーマに関わる表現」 「漫画原作とドラマオリジナルストーリーの兼ね合い」 「面白さの認識の違い」 調査報告書について この調査報告書は、原作者と脚本家の主張の相違を報告したものではない。 日本テレビと小学館のやり取りが中心に扱われ、 契

          「セクシー田中さん」調査報告書を読んで|ドラマ化原作改変問題2

          幻の国|物語に仕組まれた謎

          どう形容すればいいか分からない作品のタイトルというのは、よくよく考えた末に決められる。 テレビ番組なら内容を一言で表しつつ、語感のよい言葉が選ばれるようだ。 不思議な話なら「アンビリバボー」とか、珍しい光景なら「ナニコレ」とか、奇妙な物を紹介する「世界の何だコレ」といった表現になっている。 「不思議だな」と感じることは、何事か理解できていなかったり、正体不明だったりという状態なので、それを表す言葉が少ない。要するに、 不思議なことは大体が「不思議」という言葉に収まってしまう。

          幻の国|物語に仕組まれた謎

          AIとの葛藤|2001年宇宙の旅【独自解釈】

          ChatGPTにHALのことを質問してはいけない 映画「2001年宇宙の旅」について記事を書こうと調べている途中で、 ChatGPTは、HAL 9000のことをどのように理解しているか気になった。 (HAL 9000とは、映画に登場する人工知能の名称) いくつかの平凡な質問と回答を経た後で、 「HAL 9000がシャットダウンされる際に語った内容は」と質問したら なんか怖い回答を返してきた。 死んだのか? ChatGPTが死んだのかと一瞬、思ったが、そんなはずはなく

          AIとの葛藤|2001年宇宙の旅【独自解釈】

          SNSをやめたくなる理由

          結論から言えば、「嘘つきばかりで嫌になる」からだ。 正論を述べていても、嘘つきとデマの信奉者に対処しきれなくなり、 発信を継続できない状況に追い込まれる場合がある。 残念ながらSNSでは、嘘を付いた方が多くのフォロワーを獲得し、 より広く情報を拡散できてしまう。※1 X(twitter)は、認証バッジを設けるくらいなら、 公式の「嘘つき認定」バッジも作ってほしい。 コミュニティノートの添付回数など使えば、やり方はありそうだ。 そう考えてみたものの事態は複雑だ。 嘘つきばか

          SNSをやめたくなる理由

          『口喧嘩日本一』を自称しています

          「ワイは、日本一口喧嘩が強いんだー」 とても不思議だ。 どう勘違いすれば、こんな発想になるのだろうか。そこで、 「口喧嘩王」発言に至るまでをシミュレーションしてみることにした。 そもそも「だから何」という話なので、理解しがたい。 よほど、イキり散らかしすぎて自慢することがなくなって、言い出すなら、 まだ可愛げがあるが、いい大人が公に発信していることなので、 当人が本気で信じていると思うと、目も当てられない残念さがある。 それ加えて、ターゲットを一方的に侮辱して暴言を吐く

          『口喧嘩日本一』を自称しています