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【確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで】がっつり数学書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜「確率」とは何なのか?〜

本書はタイトルの通り、「確率」に関する本である。
「確率」は、生活の中で溢れかえっている。
天気予報、ギャンブル、投資、生命保険などなど、確率に触れずに生活することはもはやあり得ない世の中になっている。

しかし、これだけ身の回りに多くある確率について、果たして正しく理解しているのだろうか?
そもそも「確率」とは何なのか?

本書は「確率」の本質的なところから始まり、ゲーム論的確率など比較的最新の確率論まで語られる。
確率とは何か?を幅広く網羅した一冊である。


〜難易度は高い〜

とはいえ、一般的な新書と比べると、難易度は高い。大学初等数学までのある程度の知識がないと、見慣れない数式を理解するのに悪戦苦闘するだろう。「確率がよくわかれば、ギャンブルや株式投資に強くなれるかなぁ」という軽い気持ちで読み始めると痛い目に遭う。

ハッキリ言えば、がっつり数学書である。

なので、文系出身者や数学が苦手な人が楽しめるのは、確率論の歴史が語られる序盤3割ぐらいだろう。
あとはがっつり数学の話になっていく。


〜歴史の浅い確率論〜

僕自身、本書の内容を全て理解できたわけではないが、「確率」とは何か?という問いについては少しばかり理解できたように思える。

本書によると、そもそも「確率」という考え方が生まれたのは数学の歴史の中でもかなり浅く、現代においても「確率」という概念の捉え方には様々な視点がある。
すなわち、「確率」というもの自体、かなり曖昧なものなのである。いわば数学の世界においてもかなり最新のトピックだとも言える。

というわけで、数学好きの人にとってはかなり奥深く楽しい話題が豊富なのだが、一般的に楽しめる本ではない。

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