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エッセイ

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氷室冴子さんから思いを馳せる、あの日の『NANA』と「淋しさ」

先日何の気なしにTwitterを見ていたら、あるネット記事に遭遇した。それは今は亡き作家氷室冴子さんにまつわる記事だった。

氷室冴子さんと言えば、私が中高生時代に読んで大ハマりした作家さんの一人。

「クララ白書」、「アグネス白書」、「なんて素敵にジャパネスク」、「海がきこえる」…大好きだったなぁ!氷室さんが主に活動されていたのは、世代的には私よりも少し上の、私の親の世代くらいだったのではないか

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「ミトンとふびん」とあの日の記憶

「ミトンとふびん」とあの日の記憶

今日、図書館で借りた吉本ばななさんの「ミトンとふびん」を読んだ。

発売当初からずっと気になっていた一冊だったのだけど、なんとなくタイミングが合わないまま、その存在自体もいつの間にか自分の中からすり抜けていって、これまでたまたま縁がなかった。

それなのに、今日、駅前の図書館に行く直前にふと、「そういえば、あの本、今図書館に在庫あったりするかな」と思い立って、事前に図書館の在庫状況をネットで検索し

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あの日も、今も、これからも 〜待合室にて〜

あの日も、今も、これからも 〜待合室にて〜

その日は長男の検診があって、近所の総合病院の小児科を訪れた。

朝9時半からの予約だったので、次男はいつも通り学校に送り出し、長男は学校をお休みすることにした。病院はたまたま我が家から徒歩5分とかからない距離にある。大きい病院が家の近くにあるので、日頃からそこを出入りする救急車の音がよく聞こえてきたりする。

数年前、今の家に引っ越してくることを検討していたとき、大きい病院が近くにあることを知り、

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なぜ「エッセイ」本を作ったのか

なぜ「エッセイ」本を作ったのか

先日、「本(ZINE)を製作しました!」というお知らせの記事を書いたのですが…

今回はその製作した本の具体的な中身について、少しツラツラ書こうかなと思います。

今回製作した本は、エッセイのような日記のような、私自身が日々の生活の中で実際に体験したり感じたことを綴った文章の短編集です。

私たちは日々生きていると、いろんな出来事に遭遇したり、いろんなことを考えたり感じたりする。ときにものすごくビ

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本を出すことが長年の夢だった(ことを思い出した)ハナシ

本を出すことが長年の夢だった(ことを思い出した)ハナシ

最近製作した本(ZINE)の話をまた少し。

先日、「なぜ"エッセイ本"を作ったのか」という記事を書いて、そこでは具体的な本の中身のお話をしたのですが…

今回は、そもそもなぜ自分の文章を「本」という形にしようと思ったか、というお話。

ちょっと昔話からスタートですが、私は小さい頃から本を読むこと、文章を書くことが大好きで、小学生の頃には「小説家になりたい!」なんて思って、特に中学高校時代は放課後

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ワンオペ育児が辛かった私が、実は一番夫に求めていたこと。

ワンオペ育児が辛かった私が、実は一番夫に求めていたこと。

先日、小5長男が学校を休むことになった。

前日の夜、夕飯を食べ終えた直後からお腹が痛いと言い出して、もしかしたら勢い余って食べ過ぎたのかなと、しばらく様子を見ていた。これまでも勢い余って食べすぎたあとにお腹が痛くなる、というケースは何回か見ているので(子どもというのは本当に加減せずに食べたいだけ食べる…!)、そこまで心配はしなかったのだけれど、その後のお腹の痛みは、悪化するわけではないけれど変わ

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バタバタ続く日常に、心地よさを足しながら。

バタバタ続く日常に、心地よさを足しながら。

先日、自宅の洗面所の水道で水漏れが起きた。

気づいたのは日付が変わろうとする真夜中だった。歯ブラシをしようと洗面所に行くと、洗面台の下のシャンプーやら洗剤の買い置きを入れてあるスペースから水が滴っているのを発見した。

慌ててそのスペースの戸を開けたら、一面が水浸しになっていた。すぐさま夫を洗面所に呼び出し、とりあえず二人で買い置きアイテムたちをすべて取り除いて、濡れた場所を雑巾で拭く。ひとまず

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"あなたの幸せ"は"私の幸せ"

"あなたの幸せ"は"私の幸せ"

一つ前のnoteで、私が何年も前から買いたいけど買えずにいたガレット・デ・ロワというお菓子をついに購入し、5年越しの願いを叶えた、という話をした。

実はこの5年越しの夢を叶えるまでには、あるきっかけがあったので、それについて書いておこうと思う。

そのきっかけとは、夫だった。

念願のガレット・デ・ロワを買いに行く前のお昼ご飯の時間のこと。その日はまだお正月休みで夫も自宅にいたのだけど、年明けに

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5年越しの願いを叶えたハナシ〜自分の中の”ちょっとしたこと”を叶えるススメ〜

5年越しの願いを叶えたハナシ〜自分の中の”ちょっとしたこと”を叶えるススメ〜

私には、かれこれ5年に渡って、ずっとやってみたかったけれど、一歩踏み出せなかったことがある。

それは、
ガレット・デ・ロワを買うこと!

……

ガレット・デ・ロワとは、フランスの伝統菓子の名前だ。アーモンドクリームをパイで挟んだお菓子で、毎年新年の公現祭(1月6日)というお祝いに合わせてこのお菓子を食べるのが、フランスでは定番の習慣らしい。ここ数年は、日本でも年末年始に販売をするパン屋や洋菓子

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10年経っても思い出す、会社勤めの日々で感じたモヤモヤの正体。

10年経っても思い出す、会社勤めの日々で感じたモヤモヤの正体。

まだ会社に勤めていた頃のこと。同じ部署の先輩(女性)の結婚式の二次会の受付係をお願いされた。

もう十年以上前の話なのだけれど、このときのことは、未だにときどき思い出しては、モヤモヤする、というか、自分の心の奥底が鈍く疼いてざわめく。

私はたしか当時入社3年目くらいで、先輩は私の2年上だった。私が入社当初から近くで仕事を教えてくれて、担当した業務も彼女から引き継いだものが多かった。部内での席も隣

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その一瞬の、心の交わりに。

その一瞬の、心の交わりに。

先日何気なくTwitterをウロウロしていたら、「スペイン映画」という言葉をふと目にした。

そのときに、ある記憶が鮮明に蘇って、懐かしさと、その記憶に関わる感覚が一気に呼び覚まされ、それをただ手放してしまうのはもったい無い気がしたので、ここに記してみたいと思う。

「帰郷〜ボルベール〜」の試写会へ
「スペイン映画」という言葉を目にして真っ先にフラッシュバックと共に思い出したのは、女優のペネロペ・

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閉店間際のスタバは不思議な時間

閉店間際のスタバは不思議な時間

先日珍しく夜に外出をした。

ちょうど最近読んですごく刺激をもらった二冊のエッセイ本の著者お二人が対談をするイベントがあり、書店で開催されるそのイベントに参加するためだった。

そのイベントの会場となっていたのは、なんとも有難いことに、数ヶ月前にたまたま私の自宅のすぐ近くにオープンした書店だ。都内ではあるものの、都会の中心部からは少し外れたこの地域に、個人書店がオープンすると知ったときから心躍り、

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「学校を休みたい」が言えなかった私。子どもたちに伝えたいこと

「学校を休みたい」が言えなかった私。子どもたちに伝えたいこと

今日小1次男が学校をお休みしていて、今noteを書く私の隣でゆっくり過ごしている。

昨日が夏休み明けの学校初日だったのだけど、久々の学校で疲れたのか、ちょっと熱中症な感じもあるのか、昨夜からちょっと頭が痛いと言うので、その日は早めに寝て。今朝もまだ本調子ではないみたいなので、念のためお休みすることにした。

熱はないし、ひっそり頭が痛いらしいけれど、普通にレゴで遊んだり漫画読んだ李、ペラペラおし

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ビビッドピンクな私

ビビッドピンクな私

ビビッドピンク、薄いピンク、
イエロー、ホワイト…

ダイニングテーブルの上に置いた花瓶の中の
カラフルなガーベラに部屋が華やぐ。

自宅の最寄駅にある花屋さんには、一本売りの花の他に、660円のサービス束が毎日売られている。お店の人がいろんな種類の花を何本か組み合わせたサービス束は、日によって使われている花や色合いが異なる。

いつも店頭に何種類か用意されているサービス束から、そのときの自分のフ

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