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青天の霹靂

2020年7月3日



梅雨の真っ只中、前日の晴天から一転して、この日はどんよりと曇り空だった。


雨が少しずつ降りだしている中、僕はバイクを走らせ家路を急いだ。


『ただいま~…ん?』


見慣れない靴が玄関に見える。


そうか、今日は妻のお母さんが家の片付けの手伝いに来てくれる日だった、というのを思い出した。


『妊娠すると身体が動かせなくなるから、今のうちにやっておかないとね~』


そう言ってきりの良いところまで作業を終わらせると、妻のお母さんは夕飯の準備があるから、と玄関に向かった。


僕は玄関まで見送ると、妻はお母さんを見送るついでに、ゴミ捨て場の場所を案内していた。


これからは定期的に家に来てくれるらしく、そのために家のまわりのことを色々知っておきたいと言ってくれたらしい。


家の近くに住む妻のお母さんは、これから初めての子育てを控える僕らにとって、とても心強い存在だ。


そう感じていたとき、あることを思い出した。


『あ、そういえば今日は午前中に産婦人科に行くって言ってたな。あとで経過聞かなきゃ…』


湿気と暑さで気持ちの悪い汗をかきながら、僕はお風呂を沸かして待っている。

すると、妻が帰ってきた。

バタバタと色々なものを片付けながら、僕らは取り留めのない会話する。


『あ、そういえば病院…』


そう言いかけた時に、ちょうどお風呂場からピーっという音が聞こえた。


『お風呂沸いたから、先に入ってきなよ。病院の話は後にしよっか。』


妻にそう言われる。


なんだ、おこがどれくらい大きくなったか聞きたかったんだけど…まぁ良いか。


今日の夕飯は何にしようかな、妻のつわりの具合は大丈夫かな、ご飯を食べながら何のテレビを見ようかな…。


そんなことを考えていた僕は、『今までの幸せな僕』だった。

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