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DXの次は「HX(Human Transformation)」

今時経営や事業について情報収集していると、必ずと言っていいほど「DX」という言葉が出てくる。あらゆるものをデジタル化しようとする現代だが、先を見据えると「もはや生産物はデジタル化されていて当然」という世界だろう。前提がひっくり返っているはずだ。NFTとか、進歩が早い領域では既にそうなっている。

時代は「現行ビジネスのどの部分をデジタル化するか」という問題意識から、「どの部分を人間がやるべきか」という意識にシフトしていく。

そう考えると、短期的にはデジタル化に成功した企業が伸び、中期的にはホスピタリティに注力している企業が伸びるだろう。

果たしてその先はどうなるだろうか。長期的に需要が伸びるのは何か。未来からすれば古である現在において、こうしたことを素人が予想するのは愚の骨頂だと思うが、私は単純にこうした妄想が好きなので好きにさせてもらう。

5~10年後においてはデジタル化が成されていることは当然であり、人間の感情を満足させるエモーショナル要素もある程度揃っているだろう(例えばAIによる疑似恋愛体験とか)。「便利」という言葉が指す意味は格段にレベルアップし、「感動」を得るまでのハードルも相当に高まっているはずである。

私は、こういう時は過去を遡ってみるのが吉と思う。帰納法的でなく演繹的に発想するため、ヘーゲルの「事物の螺旋的発展」に頼る。思考ノウハウとして使えるのおすすめ。

手紙→メール→SNSというように、手段は変われど本来の目的(ここでは情報伝達)は不変だったりするものだ。

近々、機械と人間という二元的な枠組みを脱却せざるを得ないかもしれない。人間にチップが埋め込まれ、生物としての機能を飛躍的に向上させる。それこそ映画『マトリックス』であったように、”KARATE”というソフトを自分にインストールすることで空手家になれるとか。特定分野の記憶とかなら割と簡単にいけそう。映画『トータル・リコール』もイメージ近いかもしれない。こういう世界では、あらゆる修業は強固な保守派を除いて時間を浪費する無意味な行為と見なされるか、暇で仕方ない時間的富裕層の娯楽と見なされる。

もしかしたら、船や飛行機といった移動手段も非効率と見なされ、強化スーツを着用すれば単独で効率的に長距離移動ができるようになるかもしれない。映画で言うと『アイアンマン』だろうか。

他にも、例えば落合陽一は「SEXぐらいしかやることがなくなる」と発言している。

それほど、現代は生命として根源的な部分に着目せざるを得ない「大転換期」にあるということ。まあ諸行無常と言うように自然の摂理を考えると常に転換期なのだろうが、誰しも自分が生きている時代を最重要視したいものだ。なぜなら希望を持っていたいから。少なくとも私はそう。

話を戻すついでに寄り道をする。個人的な話だが最近私は投資にハマっており、というかもっと広く経済の勉強にハマっており、日々情報収集をしている。そこで奥野一成氏というファンドマネージャーを知ったのだが、次のようなことを言っていた(ニュアンスなので、言葉は若干違うかもしれない)。

結局投資すべきは「勝ち続ける企業」よりも「負けない企業」です。

どういうことかというと、事業のなにかしらのフェーズで独占状態にあり、他の企業の追随を許さない所謂参入障壁の高い事業を行っている企業に投資すべきということ(コカ・コーラを例に出していた)。

敏腕社長で能力が高い社員が多くいる <<< 事業が構造的に強い

ということ。

となると、変化していく社会に適応していくところよりも、どんな環境においてもニーズのある領域が長期的には生き残る、と考えることができる。

当たり前っちゃ当たり前なのかもしれないが、当てはまるのは「宗教・思想・哲学」「医療」「性」「防衛(戦争)」辺りがキーワードだろうか。どれも古来重要視されてきた分野だ。歴史を語るうえでは欠かせない要素である。

「宗教・思想・哲学」は精神的健康のため。「医療」は身体的健康のため。「性」「防衛(戦争)」は生存のため。と分類できるような気もする。

多種多様な生命が流転する宇宙では、人類という一生命体も、種の繁栄を目指し続け、やがては絶滅していく運命にあると私は考えている。虚しく感じざるを得ないがそういうものなので仕方ない。

この小さな命、精一杯燃やそうと思う。

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