見出し画像

「ポジティブ」という呪縛からの解放-そこから見えてきたもの-

「もっと前向きに考えようよ。」
「考え方が暗いな〜。」
「もっとポジティブになろうよ。」
「そんなネガティブにならないで。」

世の中は私たちに、
そんなポジティブで、明るくて、
前向きな状態であることを求めてくる。

ポジティブさとは、
「善」であり「正義」でもあるかのように、
そんな風潮が主流となっている。

そんな世の中の価値観を、
強迫性障害だった当時の私は、
信じて疑わなかった。

けれどそれによって、
私は私を苦しめることになった。

私が抱える「障害」という言葉も、
「不登校」という名前も、

言ってしまえば、
全部それ自体がネガティブなことだった。

ましてや、
強迫性障害の症状なんて、
ネガティブそのものだった。

「これ大丈夫かな…」
「あぁなって、こうなっちゃったらどうしよう…」
「心配だ。心配だ。不安だ。不安だ。」

そんなことばかり考えてしまって、
あっという間に一日が過ぎ去ってしまうのだから。

ポジティブな要素なんて微塵もない、
ネガティブ100%だ。

そんな私は、
やっぱり世の中が求めてくる
「ポジティブ」さとはかけ離れていた。

だから、
そんな自分にうんざりしたし、
嫌いだったし、必死に否定して、

ポジティブになるように、
前向きになるように、

改めていくことを
自分に強く求め始めていた。

それが追い風となった
極め付けは、

当時好きだったアイドルが
好みの異性のタイプを話していた時だった。

今となっては笑い話だが、
思春期真っ只中だった当時の私は、
至って真剣だった。

そのタイプが
自分にも当てはまっていればいいなと
願ってしまっていた。

けれど、
そこで私の耳に入ってきた言葉は、
「明るくて、前向きな子」だった。

絶望だった。

強迫性障害で毎日苦しんでいる自分は、
不登校の自分は、

「ネガティブ」だし、
「暗い」と思っていたから。

確かに、
キラキラなアイドルが、

「暗い子が好きなんです!」
「ネガティブでも大歓迎です!」

なんて答えていたら、
それもそれで王道スタイルからは
外れてしまいそうだし、

「明るくて前向き」が良いという気持ちも、 
よく分かる。

でも誰か、
そんな「ネガティブ」な私を、

かなりの頻度で
「暗い」顔をしてしまう私を、

認めてやってくれても
いいじゃないか。

けれど、
そんな願いもむなしく終わる。

なかなか世の中は、
そんな私を堂々と認めてくれやしなかった。

だからより一層濃く、
私の中にしぶとく染み込んだ
ポジティブ一強の考え方。

けれど、
だんだんと強迫性障害が良くなって、
登校も出来るようになって、
様々な経験や人と出会っていく中で、

ちょっとずつ、
そんな私の中の「ポジティブ」は
溶け始めていった。

その隙間には、
代わりにこんな考えが
新たに加わってきてくれた。

①「無理にポジティブになれなくても大丈夫。」

②「ネガティブはネガティブにしかない長所もある。」

こんなものたちだった。

「ポジティブ」になれないなら、
無理に「ポジティブ」になったところで、
しんどいだけだし、

それは結局のところ上っ面で、
余計に自分を苦しめてしまうだけ
ということ。

ネガティブに考えられるその思考力は、
自分の立派な長所にもなり得る
ということだった。

とは言っても、
今でも私は「ポジティブ」な人に対して、
羨ましさもあるし、憧れだってある。

じゃあ本当の意味で、
「ポジティブ」さ、「前向き」さって
どんなものなんだろう?

そんなことについて、
ふと考えてみた。

すると、
こんな「答え」とでも言うべきものが、
浮かび上がってきた。

それは、

最終的に自分はどうだったのか?
「ポジティブ」だったのか?
「ネガティブ」だったのか?


ということだ。

「ポジティブ」や「ネガティブ」
という言葉に対して、

私は一つ一つの物事の捉え方のこととして、
当てはめて考えてしまっていたけど、

それは短期的な見方に過ぎなかった。

それよりかむしろ、
人生という地続きの日々を過ごす中で、

ふと自分のこれまでの時間を
振り返ったとき、

自分は自分のために、
「ポジティブ」な行動を取れていたか?
長期的な見方をしていくこと。

それが「ポジティブ」や「ネガティブ」
に対する私の解釈に変わっていった。

言ってしまえば、

一つ一つが
「ポジティブ」か「ネガティブ」かなんて、
取るに足らないことだ。

どっちでもいい。

そして今の私だって、
きっと多分、
いやめっちゃネガティブな方だと思う。

でもネガティブだって、
前向きになれなくたって、
暗くたって、
別にそれでもいいじゃないか。

無理に元気を出そうとしなくたっていい。

でも最終的には、

自分の人生がより自分の望む方へ
向かっていけるように、

そんな道を選んでいく。

それこそが、

既に立派な「ポジティブ」なんだと、
そんな生き方が「ポジティブ」なんだと、
私は思う。


(昨日の嵐はすごかったですね。今日は何事もなかったかのように、お空はご機嫌ですね☀️)

りん

-------------------------------------------------
☆この記事をほんの少しでも気に入って下さったら、「いいね」や「コメント」「フォロー」でお知らせいただけると、とっても嬉しいです☺︎

あなたの一つの行動が、私にとっては大きな創作活動の源です。
いただいた想いは、今後の記事に代えて全力でお返しいたしますm(_ _)m
-------------------------------------------------





















「りん」としての活動を続けていくために、より良いものを「あなた」へお届けしていくために、あなたの応援は欠かせません。 いただいた想いは、必ず記事へ還元していきます。💐