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*読んで良かったnote集*

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「素敵」「良かった」「温かい気持ちになった」「この先何度も読み返したい」等と思ったり、感銘を受けたりしたnoterさんの記事を集めたおすすめnote集です。 気まぐれに追加して…
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#エッセイ部門

なんのはなしですか。【デザート】35

なんのはなしですか。【デザート】35

メインの小説を堪能していただけましたか?

さて、そういうわけでデザートが欲しくなったあなたへ、はたまたデザートだけ食べたいあなたへ、私の思うところを書いていこうと思います。

久々の後書きです。
今回は、これまで書いてきた『なんのはなしですか。』長編小説について。
裏話や秘話といったところでしょうか。
つまり、長くなります(笑)

まずは、この小説を書いた作者のストーリー。スピンオフ?

コニシ

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わたしは岸田奈美になりたかった #day26

わたしは岸田奈美になりたかった #day26

身の程知らずとは、わたしのことを指すのだろう。

岸田奈美さんといえば、まさにnoteが生み出した人気作家。

会社員時代に書いた記事が読者の目に留まり、大反響を呼んだ。あれよあれよという間にファン(フォロワー)が爆増し、作家として独立。noteで発表した数々のエッセイが本になり、のちにドラマ化(※)されるほど話題になった。絵に描いたようなシンデレラ・ストーリー。

めーーーっちゃ羨ましかった。

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書いたことで伝わる「好き」がある。

書いたことで伝わる「好き」がある。

「なんのために書いてるんだっけ?」

ふと、そんな自問自答をしてみた。
せっかくだから、この機会に振り返ってみようと思う。

書く原点は?

わたしは文学部出身ではない。書くことが得意でもない。どこにでもいるふつうの主婦だ。そのわたしが、1300日以上もnoteを続けていて、なぜ文章を書いているのか。

さかのぼってみると、始まりは2019年だった。娘は10歳。交友関係が複雑になってくるお年ごろだ

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「可哀想の君へ」~妊娠・出産体験記①

「可哀想の君へ」~妊娠・出産体験記①

先日、学期末ということで、息子の幼稚園で生活発表会があった。

息子のクラスの出し物は、「桃太郎」の劇。

息子はおじいさん役を見事にこなしており、トップバッターで「山へ芝刈りへ行ってくるぞ!」とはっきりとした発声で言えていたのには驚いた。

実は息子はとても緊張しやすいらしく、こういった発表会系はことごとく苦手だったのだ。

去年などは、生活発表会で歌の出し物があったのだけれど、息子はまったく歌

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ある日、夫は会社に行けなくなりました。

ある日、夫は会社に行けなくなりました。

はじめに

このストーリーは、昨年うちの夫がメンタル不調になり、会社を休職することになったときのエピソードを綴ったノンフィクションです。

当時リアルタイムでは書くことができなかったのですが、今となってはこの経験も私たち夫婦にとって大切な宝物になりました。

いつか何かの機会に書き残しておきたいと思いながら書けずにいたので、今回の「創作大賞」の「エッセイ部門」応募作品として世に送り出したいと思いま

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「片付けると幸せになる説」は本当なのか。

「片付けると幸せになる説」は本当なのか。

今日はめちゃめちゃ伝えたいことがあって勢いで書いています。巷でよく言われる、アレです。片付けたら幸せになるとか、手放すといいことがやってくるとか? それについて、気づきになるヒントのようなものを見つけたので、共有させてください!

ご近所の田中さん

あるとき、ご近所の田中さんに声をかけられました。田中さんは、70代のご婦人です。

「お庭のミモザがきれいに咲いたのよ〜」
「ちょっと待っててね」

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わたしの子宮は胎児を殺す。

わたしの子宮は胎児を殺す。



一 風薫る

セックスレス、だった。

淡いピンクのインテリアで統一された待合室。女性スタッフのみが在籍する不妊治療専門クリニックのドアを夫婦揃って叩いたとき、結婚6年目にして、出会ってから重ねてきた年月は14年にも及んでいた。互いに激しく求め合う情熱はもはやなく、ふたりの間にたゆたう温かい何かに、となりあって包まれるように安穏と過ごしていた。

「病気などの特別な事情がないにも関わらず、1ヶ

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父への結婚報告『自立について』

父への結婚報告『自立について』

あこがれの人

「どんな人になりたいですか?」

そう聞かれたら決まって、

「世界観がある人」と答えていた。

例えば、真っ白なキャンバスを差し出したとして、
「好きな絵を描いてみて」と言ったら、
スラスラと筆を動かしてしまうような。

それでいて、その人らしい絵があっという間に
出来上がってしまうような。

そんな人にずっとあこがれていた。

私はきっと、真っ白なキャンバスに自分らしい絵を描く

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「書く」。「書かない」。

「書く」。「書かない」。

もう、ずうっと以前のことになりますが、「てがみさま」というお話を書いたことがあります。
手紙の神様。てがみさま。
大切に書いた手紙には神様が宿ることを──短いお話にしました。
封筒を開け、折りたたまれた便箋をひらくと、おかっぱ髪の女の子の神様が、ちょこんとそこに現れる。それが、てがみさま。

誰かに手紙を届けることが、いまよりずっと身近な時代でしたので、ちょこちょこと、お礼状など書く習慣がありまし

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あなたの笑顔を願い続けた男

あなたの笑顔を願い続けた男

携帯電話が鳴る。

A子からだ。私たちは付き合って半年になる。それでも毎日のメールや電話のやり取りは欠かさない。

コウケンテツのレシピ本を見ながら晩御飯を作り、1人部屋で食べていたときに電話が鳴った。

「もしもし、どうした?」

明るく話しかけてくるものと思っていたから、電話向こうの泣き声に面食らう。

A子は泣きじゃくり、なかなか言葉にならない。

「どうしたん?何があったん?」

できる限

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noteでわたしの「扉」を探す。

noteでわたしの「扉」を探す。

お部屋にお邪魔するのを楽しみにしているクリエイターさんのひとりに、Wさんがいます。

Wさんのご投稿は、たいてい数枚の写真と、それに添えられた短い一文で構成されています。
読む、というより、みる、といったほうがふさわしいご投稿。拝見するのに必要なのは、ごくわずかな時間です。
けれど、Wさんのご投稿はそのあとが楽しいのです。
数枚の写真と短い言葉で、Wさんは何を表そうとされているのか。
どんなお氣持

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エッセイ | 40歳差の私たち。文通30周年メモリアルイヤーはエメラルドグリーンの輝き。

エッセイ | 40歳差の私たち。文通30周年メモリアルイヤーはエメラルドグリーンの輝き。

 祝日の朝早く、ゆうパックが届いた。
私にゆうパックを送ってくれる相手で思い当たるのは一人しかいない。おじさんだ。

 おじさんというのは、私の長年の文通相手のことで、昭和19年(1944年)生まれの八十歳である。

 おじさんとは、私が一歳の頃に出会った。

おじさんは当時私が住んでいた家の、真向かいにある古いアパートの一階に夫婦で住んでいた。
その頃から、家の前で会えば

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たんぽぽの綿毛が飛ぶように

たんぽぽの綿毛が飛ぶように

 深夜、居間に一人でテレビを観ていると、祖母が入ってきた。

「親方は? ねぇ、親方は?」

 祖母の口から親方なんて聞いたことがなかった。思い当たる人もいない。何のことを言っているのかわからない。
 こんなとき、どうすればいいのだろうか。
 返答に窮する間に、祖母の注意は切り替わる。少しバランスの悪い歩き方で、暗い廊下を歩き、玄関の方へ向かっていった。
 
「親方はここにいないよ」

 慌てて祖

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投稿するのは何のため?

投稿するのは何のため?

何のために投稿をするのでしょうか。
何のために書くのでしょうか。
ふとそれを記事にしてみたくなったのは、このところ、「投稿について書かれたみなさんの投稿」を目にすることが多くなったせいだと思います。

もちろん、なぜ投稿するのかを、必ずしも明文化する必要はないと思っていますが、記事にあるみなさんのお考えが、それぞれとてもおもしろくて──では、わたしはわたしなりの「何のため?」を、この機会に探ってみ

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