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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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2023年10月の記事一覧

海の神話 (沖国大ブックレット)

海の神話 (沖国大ブックレット)

海の神話 (沖国大ブックレット)

 水や海に関わる、日本と世界の神話を、解説した本です。
 とはいえ、ブックレットの名のとおり、薄い冊子です。世界の神話を、すべて網羅しているわけではありません。

 主に、日本の沖縄の海の神話と、ヨーロッパの海の神話を取り上げています。他に、インド、エジプト、メソポタミア、モンゴルなどの神話が、紹介されています。
 一つ一つの神話は、それほど詳しく紹介され

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シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

 『シルクロードの象』とは、不思議な題名ですね。
 内容は、この題名どおりです。シルクロードに現われるゾウ(象)を紹介した本です。

 シルクロードと象とは、普通は、あまり結びつきませんよね。
 けれども、考えてみれば、シルクロードの途中には、ゾウの分布する地域があります。東南アジアや、インドを中心とした地

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神々の造形・民俗仮面の系譜 (みやざき文庫90)

神々の造形・民俗仮面の系譜 (みやざき文庫90)

神々の造形・民俗仮面の系譜 (みやざき文庫90)

 九州の民間に伝わる仮面を、紹介した本です。

 本書を読むまで、私は、日本の民間に、こんなに豊かな仮面文化があることを、知りませんでした。
 素晴らしい文化なのに、日本でも、ごく一部の人にしか知られていないのが、残念です。

 たくさんの仮面の写真が、カラーで載っています。克明に写された仮面たちは、技巧的に優れたものばかりではありません。

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日本の美術 第271号 六道絵

日本の美術 第271号 六道絵

日本の美術 第271号 六道絵

 六道絵【りくどうえ】とは、仏教の六道輪廻【りくどうりんね】の様子を描いた絵です。
 本書は、さまざまな六道絵を集めて、解説した本です。日本の主な六道絵は、本書一冊で、ほぼ、網羅されていると思います(^^)

 日本の仏教的世界観では、生きる者はすべて、六つの世界を生まれ変わってゆくことになっています。地獄道・餓鬼道・畜生道・阿修羅道・人道・天道の六つの世界で

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人魚 (ものと人間の文化史 143)

人魚 (ものと人間の文化史 143)

人魚 (ものと人間の文化史 143)

 人魚について、古今東西の情報を集めた本です。
 人魚について知りたいなら、一読して、損はないでしょう。

 ただし、あまり体系だった書き方がされていません。そのために、必要な情報がどこにあるのか、わかりにくいです。同じ情報が、重複して出てくることもあります。

 また、一部の情報については、正確性に疑問があります。ギリシア神話の、有名な登場人物の名前

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アジア遊学 (No.87) 古今東西のおさな神

アジア遊学 (No.87) 古今東西のおさな神

アジア遊学 (No.87) 古今東西のおさな神

 『アジア遊学』シリーズの87号「古今東西のおさな神」です。世界各地の「おさな神」を特集しています。

 おさな神とは、童子神とも呼ばれます。要するに、子供の姿をした神さまです。
 世界の各地に、そのような神さまがいます。

 子供というのは、無力な存在のはずなのに、なぜ、神さまになるのでしょうか?
 本書は、その一端に迫っています。

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キリスト教の神話伝説

キリスト教の神話伝説

キリスト教の神話伝説

 題名のとおり、キリスト教の神話や伝説を紹介した本です。

 キリスト教の神話や伝説は、『聖書』を読めば、だいたいわかります。
 けれども、『聖書』をすべて読み通すのは、けっこう大変です。何しろ、量がありますからね。
 そのうえ、記述が簡単過ぎて、イメージが湧きにくい部分もあります。

 本書を読めば、『聖書』を読まなくても、キリスト教の神話伝説について、概要がわか

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アシュラブック 興福寺 阿修羅像から東大寺 不空羂索観音像へ (ASURA BOOK)

アシュラブック 興福寺 阿修羅像から東大寺 不空羂索観音像へ (ASURA BOOK)

アシュラブック 興福寺 阿修羅像から東大寺 不空羂索観音像へ (ASURA BOOK)

 仏像に関する本です。
 中でも、奈良の興福寺の阿修羅【あしゅら】像と、東大寺の不空羂索観音【ふくうけんさくかんのん】像とに、焦点を当てています。

 興福寺の阿修羅像は、日本で一番、人気がある仏像だそうです。
 三面六臂【さんめんろっぴ】(=顔が三つに腕が六本)という異相なのに、たいへんバランスが良い

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メソポタミア文明の光芒―楔形文字が語る王と神々の世界 (MUSAEA JAPONICA 11)

メソポタミア文明の光芒―楔形文字が語る王と神々の世界 (MUSAEA JAPONICA 11)

メソポタミア文明の光芒―楔形文字が語る王と神々の世界 (MUSAEA JAPONICA 11)

 メソポタミア文明は、人類最古の文明といわれますね。必ず、世界史の教科書に載っています。
 けれども、それについて詳しい日本人は、少ないでしょう。

 本書は、馴染みの薄いメソポタミア文明を、わかりやすく紹介しています(^^)
 写真や図版が多いのが、理解を助けてくれます。文章も、難しくありませ

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チョウチョウウオ・ガイドブック

チョウチョウウオ・ガイドブック

チョウチョウウオ・ガイドブック

 チョウチョウウオ科の魚ばかりを集めた図鑑です。

 現代の日本に住んでいる人ならば、必ず、どこかの写真や、水族館で、チョウチョウウオ科の魚を見ているでしょう。サンゴ礁の海を代表する生き物だからです。
 サンゴ礁の海のイメージを出すのに、これほど良い被写体は、ありません。色鮮やかな魚が、ひらひらとサンゴの間を泳ぐ様子を見ていると、竜宮城へ来たかと思います。

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須弥山と極楽―仏教の宇宙観

須弥山と極楽―仏教の宇宙観

須弥山と極楽―仏教の宇宙観

 仏教は、日本人に馴染みのある宗教ですね。
 その割に、仏教の世界観は、知られていません。

 本書は、仏教で、世界がどのようなものと考えられていたのかを、解説しています。
 おそらく、この分野では、最も基礎的で、わかりやすい本でしょう(^^) 初心者にも、ある程度知識のある方にも、お勧めします。

 とはいえ、仏教的世界観は、理解するのが、決して楽ではありま

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