アジア遊学 (No.87) 古今東西のおさな神
『アジア遊学』シリーズの87号「古今東西のおさな神」です。世界各地の「おさな神」を特集しています。
おさな神とは、童子神とも呼ばれます。要するに、子供の姿をした神さまです。
世界の各地に、そのような神さまがいます。
子供というのは、無力な存在のはずなのに、なぜ、神さまになるのでしょうか?
本書は、その一端に迫っています。
本書によれば、信仰の対象になるおさな神ばかりではありません。口承文芸の中で親しまれるおさな神もいます。文学作品に現われるおさな神もいます。中には、悪役のおさな神までいます。
本書では、口承文芸で親しまれるおさな神として、桃太郎や金太郎が紹介されています。
文学作品に現われるおさな神としては、『ポールとヴィルジニ』や、『アンクル・トムス・ケビン』、『レ・ミゼラブル』の例が挙げられています。
悪役のおさな神としては、アーサー王伝説に登場するモードレッドが取り上げられています。
世界のおさな神を、まとめて紹介した資料自体が、とても少ないです。
本書は、貴重な資料です(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
序論 世界のおさな神
「イエスの生涯」の再創造における少年の神格化
ル・クレジオの作品におけるおさな神
政治論争に使われたおさな神 「ポールとヴィルジニ」と「アンクル・トムス・ケビン」
流される幼い英雄
『レ・ミゼラブル』のおさな神ガヴロッシュ
アルチュール・ランボーあるいは神である子ども ランボー神話に関する試論
日本神話の日の御子たちと『リグ・ヴェーダ』の中の太陽
ユーラシアにおける支配者誕生の神話
負の英雄の誕生 アーサー王の息子・甥モードレッド
海原を渡り来るおさな君 古北欧のマレビト
沖縄神話のおさな神
「七人童子絵詞」の童子
桃太郎・金太郎・踵【かかと】太郎
不動信仰と童子神
連載 アジアの美術を楽しむ(5)
福岡アジア美術館とアジア美術の近現代
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