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店舗設計士の日常

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ステキなお店作りのヒントや、コツなどをプロ目線からお伝えします。インテリアデザイナーとして過ごす日々の出来事や趣味の話も。
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#エッセイ

弱くなることは、悪いことではなかった

弱くなることは、悪いことではなかった

ずっと強くいたいと思い続ける20代だった。仕事も何もかも成果を出してねじ伏せるマッチョ思考。

それは一種の中毒で、思考が強気だと言動も強気になり、今思えばある種の威圧感のある振る舞いが多かったと思う。

30歳の時、そんな鼻っツラを折られた事がある。

そこから37歳の今まで、2〜3年に1回くらいのペースでダメな時期がきて凹まされる。

その瞬間はもうつらいんだけど...でも、もしもそういう体験

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平穏な日常を取り戻そう

平穏な日常を取り戻そう

モヤモヤしている。やることが雪のように少しずつ積もっていき、気づけば床が一面真っ白になっているような感覚...

慌てて少しだけ積もっているtoDoを払う。その合間に、他のところでもやることは少しずつ増えていっている。

いっそテトリスの縦棒のように、まとめて消せたらいいのになぁ...なんていう横着なことが頭をよぎる程度にはボンクラなのだけれど、一面がまっしろになると頭の中もまっしろになる。

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見てくださいという前に

見てくださいという前に

とある人と話していて、つい口に出てしまった。

「自分の方から読んで欲しいとか見て欲しいって言う人って、そのほとんどが無自覚に自分自身を見つめることを忘れている場合が多いよね。」と。

これはだいぶ丸くマイルドにした言い回しで、率直にいえば自分自身がどの程度の完成度でどこが売りでどう見せたいのか?それがまるで定まっていない状態で、それらの鑑定や選別を丸投げしちゃっている人も多いな、と感じている。

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読みたいことを書けばいいのに、書きたいことを書く

読みたいことを書けばいいのに、書きたいことを書く

本が好きだ。正確には読書というか、活字が好きだ。音声メディアやYoutubeなどの動画コンテンツがもてはやされる中で、それでもいまだにオールドメディアな紙の本を買って読んでいる。Kindleもたまに読むし、中古で買ったSIMフリーのiPhone7でcakesやnoteも読んでいる。

でも、紙の本が好きでやめられない。

父親が日本語教師だったせいか、家中が本棚のような私設図書館みたいな家で育った

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僕らはギフトで生きている

僕らはギフトで生きている

僕の父親は日本語教師だった。祖父は法律家で、裁判官を歴任したのちに弁護士へと転身したらしい。

代々続く学者の家系であり、祖父は東京大学法学部の首席卒で、父は東大を目指していたが最終的には慶應義塾大学法学部の院卒だった。

母方は元々は廻船問屋で財を成した愛媛の商人の家系で、祖父母は戦後の都内に出てきて呉服業で財を成して都内にいくつもの土地を持っていた。

そのほとんどは子供たち(僕の叔父や叔母や

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怒りと嫉妬と執着はすぐに書いてはいけない

怒りと嫉妬と執着はすぐに書いてはいけない

ほとんどの情報は食材と一緒で鮮度が大事だ。つまり、なるべく早く調理・加工したほうが美味しくいただけますってことだ。でも、一部の情報や感情に関しては鮮度があると全然美味しくないものもある。その代表的なものが「怒り」と「嫉妬」と「執着」だ。

たとえば、ちらっと見かけたものについイラっとした時に、脊髄反射でその反論を書いてしまう。原文をろくに見もせずに。

たとえば、別れた恋人のことが忘れられずに数ヶ

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新人作家の出版SNS戦略を勝手に考える

新人作家の出版SNS戦略を勝手に考える

noteをきちんと更新しようと決めてはじめた頃、数日目に書いたnoteでいきなり公式のおすすめに選ばれてクラッカーのポップアップが出た。

そこではじめて公式のおすすめ欄があるのを知って、それ以来はとりあえず何か新しいのを読みたいときは公式おすすめを読むようになった。

そして数日後、自分のnoteが読まれないという人はそもそもnoteを書いていることすらみんなに伝わっていないのでは?おもしろさと

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資金繰りのボロさがヤバい、みんなどーしてんの?

資金繰りのボロさがヤバい、みんなどーしてんの?

29歳で独立して早くも丸っと6年たって、4月から7年目になりました。

独立前は一部上場企業のホールディングス内のデザイン部門にいまして、不動産審査もサクッとパスできてましたが、独立してからはほんと色々不便。社会的信用の面でフリーランスは不利ですねぇ。

なにより、いちばんしんどいのは資金繰りです。

月額給料制になれていたのもあり、フリーランスでプロジェクトごとの報酬制になってからはキャッシュフ

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ゆりかごから墓場までデザインしたい

ゆりかごから墓場までデザインしたい

僕の仕事は空間デザインで、主に飲食店などの設備重めで難易度高めの店舗設計が中心で、サービス店舗や物販店も作っています。独立前は高速道路のサービスエリアや商業ビルの環境設計などの大きめの仕事もしていました。

で、さすがに15年近くこの仕事をしているので、作ったものもそれなりの数になってきました。でもその時々で興味のある作りたい分野がちょっとずつ変わってきていて、これもしかしたら自分のライフステージ

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自分の人生いきてますか?

自分の人生いきてますか?

僕は会ったことない人の悪口は僕に対してでも他人に対してでも真に受けないことにしています。噂は所詮、噂なので。自分の目で見て本人に聞いた一次情報を信じます。

なので、はあちゅうさんにも会ったことないので彼女の諸々については賛成でも反対でもないニュートラルな立場なんですけど、以前彼女がtwitterで変な絡まれ方をした時に言い放った一言が忘れられないのです。

自分の人生いきてろ、実に痛快かつ爽快な

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一皮むけろと言うけれど

一皮むけろと言うけれど

幼児を育てているとよく遭遇するのだけれど、彼らは何の前触れもなく突然脱ぎ出す。着ているものを1枚だけ脱ぐのかと思えば、一気に全裸になり走り去っていく。

思い返せばオムツ替えのほんのわずかな隙でハイハイで脱走していたし、今も風呂上がりには着せたと思ったパジャマや新しいオムツがいつの間にか脱ぎ散らかされていたりする。まるで何かの忍術のようだ。

なぜこうも脱ぐのか?暑いのか?暑くて着たくないならわか

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妻という名の怪獣の懐柔方法

妻という名の怪獣の懐柔方法

かれこれ結婚してから6年たとうとしている。6年の間に長女と次女が生まれ、独立してはじめた仕事の売り上げは4倍近くになり、僕の体重も10kg増えた。

6年間、つまり2190日を過ごすあいだに、実にいろいろな事があった。

あれほど美しく可憐で全てが満たされていた女神は、育児と家事の合間に修羅に変身するようになってしまった。

いや、いまでもキレイな人だなぁ・・・と思うし、この人と結婚できて良かった

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こどもは夫妻の負債なのか?

こどもは夫妻の負債なのか?

僕らの住んでいる日本という国が少子高齢化でヤバいというのは、それこそもう20年前くらいから耳にしてきた気がする。

どれくらいヤバイかは総務省あたりの資料を見てもらった方がいいから、知らない人はこちらをどうぞ。

まぁ、要するに人口減&高齢化で国の全産業が沈んでいって、社会保障は吹き飛び、インフラ整備はお金も人手も追いつかず、荒廃した北斗の拳の世紀末ヒャッハー!な未来になる確率が高いらしい。

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殴るなら実績でぶん殴れ

殴るなら実績でぶん殴れ

インターネットの世界を見ていると、匿名無名のよくわからない人たちが正論風な大喜利を繰り広げていたりしますよね。

これって僕が新卒で社会に出た時も同じでした。ネットはもちろん、会社内や取引先さんなんかでも一定割合でロジックや考え方はおもしろそうだけど行動は伴っていないパターンの人がいるんです。

でも、そう言う人に限って言っている事はもっともらしかったりする。ここら辺を見極めるのって、ある程度そう

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