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怒りと嫉妬と執着はすぐに書いてはいけない

ほとんどの情報は食材と一緒で鮮度が大事だ。つまり、なるべく早く調理・加工したほうが美味しくいただけますってことだ。でも、一部の情報や感情に関しては鮮度があると全然美味しくないものもある。その代表的なものが「怒り」「嫉妬」「執着」だ。

たとえば、ちらっと見かけたものについイラっとした時に、脊髄反射でその反論を書いてしまう。原文をろくに見もせずに。

たとえば、別れた恋人のことが忘れられずに数ヶ月たってもポエムを綴ってmixi日記で友達まで公開してしまう。願わくばあの人が読めばいいと思ったりしつつ。

こういうのは得てしてロクな事にならない。

その場では一瞬だけスッキリするけれど、前者は原文も読まずに非難する浅さを全世界へ露呈するわけで愚か極まりない。後者は気持ちはわかるがそのポエムが意中の相手に届くことはないだろうし、届いてもキモイと思われて終わりだろう。

10代の頃はそういう感情のブレーキは備わっていないのでみんな詩人になりがちだけれど、そこは20代以降〜30代も過ぎたらわきまえておきたい。

言葉で殴れば言葉で殴り返されるし、言葉で刺せばそれは同時に自分自身をも刺すことになるのが経験と共にわかっていくのかもしれない。


熟成させたほうがいいネタもある

こうした怒りや嫉妬や執着などのネガティブ120%の感情はどうすればいいのだろうか?感じないまでに善なるフォースを高めるには僕らは凡人過ぎるので、ストーカーにならない程度のほどほどのいいお付き合いができるのが理想だろう。

こうした感情はそのまんま蓋をして見なかったことにしてもダメだ。ネガティブな感情は見て見ぬ振りをしても、あとで腐海に成長してモンスターが生まれたりする。こじらせればもっとタチの悪いことになる。

だから、なるべくならその感情の流れや源泉をじっくり観察しつつ、少し時間をおいて熟成させるのがいいだろう。

熟成というのは放置するのではなく、観察しつつ管理するということだ。


今がどういう状態で、なんでそうなったのか?

そして少しづつどんな変化をしていて、今のままだとどういう方向に向かいそうなのか?

ではどんな手を加えたらその方向性は変わるのか?

これらをじっくり丁寧にしてあげると、怒りや嫉妬や執着などのネガティブな感情も実はクリエイティブの大事なモチベーションになったりする。


感情だって腐敗と発酵がある

世界には色々な仕事があって、チーズ大国のフランスにはチーズ熟成士という職業がある。

チーズを仕入れて熟成庫で保管しつつ、適切な熟成が進んでいるかをチェックしたり、水をかけたりお酒で洗ったり、風にあてたり藁にしまったりしつつチーズを美味しく熟成させるのが熟成士の仕事だ。

ちなみにワインのサービスのプロをソムリエというが、チーズの場合はチーズシュバリエ(チーズの騎士)といい、チーズ熟成士はフロマジェという。

ちょっと話が逸れたけれど、要するに言葉の熟成士みたいなこともあるんじゃないかな?ということが言いたかったんだ。

熟成したチーズの秘訣はカビだ。ネガティブなものを丁寧に管理して美味しくしてしまうのだから、ネガティブな感情だって適切に熟成させれば腐敗はせずに発酵してより美味しくなるんじゃないだろうか?


ここまで書いてお察しだけれど、最近ちょっと腹立たしいことがあった。でも元を突き詰めると怒りの原因は大したことなかったりするので、ちょっと置いておいてうまいこと熟成しやしないかと機を見る事にした。

去年、そうして熟成させて書いたのが「ブラトップの干し方がわからない問題」だったりする。そのまま怒りをぶちまけずに、ユーモアと反省で包んで、若干の抗議をスパイスにしてみた。

さて、今回の感情はどう熟成させて、どう料理したもんだろうか。。。

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