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#小説
太宰治の「人間失格」で笑えなくなった人は、いったん寝るべきだ
太宰治といえば、非常にネガティヴかつ陰鬱な作品ばっかりで、読んでいて暗くなると思われがちだろう。はい。その通りです。一見、死ぬほど暗い。ずーっと、うじうじしている。
しかし人によっては、笑いながら読める人も多い。渋谷のクラブでコロナビールの瓶にレモン沈めてる兄ちゃんが読んだら「いや、こいつ自分好きすぎるっしょ。ウケんだけどやばくね」と笑いながら読むに決まっている。
なかでも「人間失格」という名
花屋で働く恋人を辞めさせたい
傷つけてしまった時、穴を空けるのよ。
「また空けたんですか」
日に日に穴が増える。
この人はいつもわかりやすい。すぐ表情に出るし、乱暴と優しさが共存しているようにも見える。きっと僕が出かけているタイミングで空けているのだろう。とはいえ、どうやら隠す気はないようだ。台所に置いているごみ袋の中に、使用済みと思われるそれが見えている。
「なんか、空けたくなって」
僕にもそういう時期があ
『愛してる』をどう翻訳するか
告白のときに『好きだよ』の代わりに
『愛してるよ』を使う人はごく稀だ。
口が上手いプレイボーイは相手に好きっぽさを醸し出すのはお手のもんだと思うし、『好きだよ』というリップサービスをすることに抵抗は無いだろう。でも、芯からの愛してる感を醸し出すことは至難だし、出会って間もない人に対して『愛してるよ』とは言わない。
愛してるよの価値はここにあると思う。
大量生産出来ない、好意の頂点。気持ち