エッセイ:双眼鏡(572文字)
ピントのズレた双眼鏡を手に、遠くを眺めている。
わたしはときに自分の置かれた状況をそういうふうに考えることがあります。
双眼鏡を両眼から外すと何も見えないのだけれど、双眼鏡をするとぼやっと何かが見える(ピントがズレているので)。
なんでこんな比喩を持ち出すかというと、わたし自身が考えたり、文章に書きおこそうとする事柄が、そういう遠くにぼやっとあるものについての事柄であるからです。
ねえねえ聞いて聞いて!わたしの双眼鏡でこんなものが見えたんだよ!なんて言うかね、ボヤッと