マガジンのカバー画像

ネット・知識・情報・メディア・教養・教育を考えるマガジン

146
運営しているクリエイター

#教育

子どもの純粋な夢、残酷な現実、何も言えない大人…

世の中のしくみを知るようになってから、子どもの純粋な夢やピュアな思いに対して、モヤモヤした気持ちを感じることが多くなりました。「貧困をなくすために国連(機関)で働きたい」「病気の人を助けるために医者になりたい」「人々に夢を与えるようなアイドルになりたい」…といったような類のものです。私は普段子どもと関わることはないのですが、テレビでそういうようなことを言う子を見聞きしたり、そういう思いで何かに向か

もっとみる

落ちこぼれるか、優秀な羊エリートになるか

この世は落ちこぼれても地獄、優秀でも地獄だなと思うことが多いです。最近はこちらの本、『ルポ 誰が国語力を殺すのか』(石井光太著)を読んでいました。話題になった本なので読んだことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、(著者の)石井さんらしいかなり重い内容で、読み終わったあと「あぁ、日本終わった…」と思ってしまいました。テーマは「国語力」という少しわかりにくいものなのですが、言葉とコミュニケーション

もっとみる

身分制に学歴に、序列をつけずにはいられない人間様

少し前に書いた大学のあり方に見る「求められる人物像」の変化という記事で、大学の主な設立理由は官僚養成と選抜であり、それが身分制度や藩閥の時代から実力主義や学閥の時代へ変わる変革であったということを書きました。そして現在はどうなったかというと、身分制(血族)と学歴主義と実力主義が混在している世の中だなぁと感じることが多いです。世の中の最トップ層は血族や世襲が主流で、ちょっと下のクラスでは学歴と実力が

もっとみる

大学のあり方に見る「求められる人物像」の変化

大学について色々掘り下げてみようと思ったのは、私自身が受験戦争で疲弊してきた学生時代を送ってきたということもありますし、大学というのはそこに至るまでの教育にも、そこから先の雇用や就職にも深くかかわる機関なので、社会を見つめる上で重要なポイントになるなと思ったからです。一般的に「教育」と言うと、どうしても「いい大学にいくためには」的な話になりがちなのも気になっていました。そこで、大学に関する本をいろ

もっとみる

信念・前提・常識を捨てることの難しさ

今も昔も興味の対象が多すぎて、なかなか一つのテーマを集中して学んだり書いたりすることができないのですが(汗)、最近は大学や教育に関することを書くと言いながら、古代文明の本などを読み漁っています。全然テーマ違うじゃん!という感じなのですが、古代文明の本を読みながら大学や教育のあり方について考えさせられることもかなりありました。

どの分野にせよ、「アカデミズム」や「学問」における「正統派」、「権威」

もっとみる

権威の解体と情報のフラット化についての考察

昨年末の引きこもり生活で改めて向き合う自分自身 という記事で予告していた、「大学」や「教育」についての考えを少しずつ書いていきたいと思います。昨年12月に起きた土星と木星が重なるグレートコンジャンクションという出来事を境に、「風の時代」が到来するといった話が、占星術やスピ系を中心に話題となっています。これまでは「地の時代」、これからは「風の時代」に変わるよ、と言われても…という人も多いかもしれませ

もっとみる

子育てを変えずして、パワハラ・いじめはなくならない

前回の「世間体」とハラスメント蔓延社会 の続きのような記事になります。こちらの記事でご紹介した、『ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛 (光文社新書) 』(安冨 歩、本條 晴一郎著)という本が私に与えた影響がとても大きく、世の中をハラスメント構造で見る癖がついてしまいました。昨今のコロナ騒動により、ドラッグストアの方々による「カスタマーハラスメント」の被害の声がネットで上がったりも

もっとみる

「世間体」とハラスメント蔓延社会

日本は「世間」の圧、同調圧力が強い国だなというのは昔から感じていたことではありましたが、少し前に『世間の目』(佐藤 直樹著)という本を読み、その考えがさらに増強されました。この世の中で最大の権力は銀行家をはじめとする支配層にある…という見方もある一方で、精神的なレベルでは「世間」というのも同じかそれ以上の権力を誇っているものだなと感じます。生物としては健康に生きられても「世間」の中で生きられなくな

もっとみる

スカイプ対談&「ブラック学校」を憂う

先日(といっても随分時間が経ってしまいましたが)、過去にもスカイプ対談をさせて頂いている読者様(Aさん)と3回目の対談をしました。過去の内容についてはスカイプ対談&自分を知ることの大切さ(1回目)、スカイプ対談&分離感と社会の諸問題(2回目)の記事をご参照くださいませ。今回も色々と話が盛り上がり、結局4時間近く話していました。

ちょうどオウム真理教の死刑執行のニュースがあったこともあり、宗教その

もっとみる

災害時に感じる「物言わぬ人間」を量産する教育への疑問

更新がだいぶ空いてしまいました。前回の更新から今日まで、甚大な被害となってしまった豪雨災害について、報道やSNSなどを見聞きしながら色々と思案する日々が続いています。災害が起きているまさにその時の政府関係者の行動、その他政府の対応に対する批判の声が多数上がっていて、「これでも今の政権を支持する人は本当に頭がおかしいのではないか」と思う毎日でした。災害自体も国難ですが、今の政権こそ本当の国難だという

もっとみる

セクハラの根本解決は性教育の見直しにあり

昨年あたりから活発になってきたセクハラ問題の告発や性犯罪に関する議論は思った以上に長期化していて、広がりを見せているようです。もともとは海外の芸能関係の告発から始まったのでしたね。日本でも政治家、官僚、芸能人から地方のNPOの一般人に至るまで、さまざまな形で話題になっています。政治家や社長などの権力者は女性を囲うのは当たり前ですし、芸能関係はもはや性犯罪の温床だと思っているので特別驚きもしませんで

もっとみる

大卒も共働きも、「当たり前」になると苦しい

大学の存在意義や奨学金、働く女性と子育てなど、社会にまつわるあれこれを考察する続きの記事です。先日書いた、奨学金が「就職するための借金」になっているという記事でも触れましたが、大学全入時代と言われて久しい現代において、大学に進学する理由として一番大きいのは「みんな行ってるから」「就職に大卒の肩書が必要だから」ということではないかと思っています。私も何も考えずに大学に進学した一人ですが、大学に高等教

もっとみる

理念は「平等」、しかし性差は超えられない

前回まで、教育や大学進学について思うところを書いてきました。大学全入時代と言われて久しいですが、大学進学率のデータを見てみると確かに年々上昇していて、特に女性の大学進学率はここ数十年で急激に増加しています。私が大学に入るころのH18年には約40%、最新のデータでは約48%と、半数近くにも上っているようです(参考:平成29年版男女共同参画白書 概要版 )。女性が高い教育を受けられなかった時代から、女

もっとみる

大学に通う意味と金銭的負担のしわ寄せ

2月に入り受験シーズンもいよいよ本番。これまでも受験、勉強、大学などをテーマに色々と書いてきました。前回は、奨学金が「就職するための借金」になっているという記事を書き、大学で学ぶためではなく、就職で有利なように大学卒という肩書が欲しいがために、若いうちに借金を背負わなければならない現状をやや批判的に見てみました。低賃金で借金返済の負担もあれば、晩婚化になるのも頷けます。少子化問題も耳にタコができる

もっとみる