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#読書記録
文學界と「女は電子工作できない」の話
文學会11月号。
かつて吉本で芸人をやっていた藤原麻里菜さんのエッセイがおもしろかった。
途中で芸人を辞めて「無駄づくり」の話になって、「あの方だ!」と読んでいる途中で気づいた。どこかのバズ動画で目にしたけど、名前で認識していないから。
「初対面の人と思って話していたら、すでに名刺交換した後だった」
みたいな。
R-1グランプリの予選1回戦を突破した話(それでもかなり少数の選ばれし芸人だった)、
【読書記録】小説すばる2024/2 イノシシとクマの芸風。好きな読みきり「優しくない友達」
「小説すばる」に「猪之噛」って巨大イノシシを狩る小説が連載されている。最初は純粋におもしろくて読んでいたけど、
だんだん
「クマとどう差別化していくんだろう」
と考えながら読んでいる自分に気づいた。
別にイノシシも
「あっ!俺、最近ブレイク中のクマと芸風かぶってる!」とか意識しないだろうけど。
直木賞の「ともぐい」だったり「流れ星銀」の最終章が始まったり、時代は クマなのかもしれない。あとリラッ
【ノンフィクション】特攻服少女と1825日
「コギャル」「ヤンキー」は何となく想像できるけど、女の不良「スケバン」女だけの暴走族「レディース」がいて、彼女らの専門誌が何万部と売れ、本物のヤンキーたちが修学旅行でディズニーランドに行った帰りに編集部に来て、紙面で総長が「半端にやるぐらいなら学校行きな」と不良をさとす。
こんな時代があったのか!の連続。
少年院から出所してすぐにかつての仲間からリンチにあった、ある少女の事件をきっかけに、レデ
SF小説の未来予知が間違っているとkawaii【読書記録】
アーサー.C.クラーク「火星の砂」を読みました。
1950年ごろ書かれたもので、SF大家の長編2作目になります。開拓中の火星を訪れた作家の物語。
初めての宇宙旅行で離陸に緊張する主人公、「水鉄砲式」で水分を補給していたが重力が戻ってくると嬉しくなってコーヒーを器に入れて飲みたくなる船員。つい持っていたものを落としてしまい、いけねえ重力あるんだった重力重力、ってなる感じ。
火星探索の前に「無重力
なんでこんなに皆面白い小説書けるんだ!「ネイティブ・サン」と「我が友、スミス」
重すぎる表紙とか「黒人作家の存在を知らしめた問題作!BLMの原点!!」とか、そういうの関係なく読んでくれ。ぼくは文庫はカバーとって裸で持ち歩いている。サスペンスとして目が離せない面白さと、作者の全人生を刻み込んだようなメッセージに圧倒された。
主人公は二十歳の黒人男性で、白人家庭に使用人として働けることになる。
そこがめっちゃいい家庭で、お嬢さんなんて
「私は肌の色に関係なく接するし、あなたたち
【読書】火垂るの墓は急にガンダムにならない。「宇宙の戦士」
ロバート・A・ハインライン「宇宙の戦士」新訳版を読みました。
「パワードスーツ」を着て戦うSF小節で、数多くの漫画、アニメに影響を与えた作品です。最初にハヤカワSFで翻訳、刊行されたのは1967年とある。
カバー絵のいかにも「ちょっと前のロボットアニメ」っぽいイメージで読んだ。原題がSTARSHIP TROOPERS。
そのイメージからするとすごいギャップがあった。
「機動歩兵」部隊の主人公が
【読書】すっぽん鍋に語彙を失い、追撃の焼きすっぽんで頭のネジが飛ぶ。獣系ワイルド飯テロ【肉とすっぽん】
平松洋子「肉とすっぽん」を読みました。
牛、鴨、鹿、羊、鳩、くじら。動物たちを解体して料理している人たちに取材したルポ。
こういう内容って、どうしても「生き物を殺して食っていいのか」要素が多くなるけど、それがそんなにない。動物たちはみんな与えられた生を全力で動き回り、人間たちは人生をかけて磨いた技術で、臭みをのこさず最高の肉にするため真剣に挑み、それを取材する平松洋子の言葉の選び方は肉の旨さと食肉