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やっぱり青が好き

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すてきな「あお」い記事を集めたキュレーションマガジン
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#詩

【140字/空想】輝ける青の旅立ち

【140字/空想】輝ける青の旅立ち

残されたのは飴色の手帳。
寂しさが覆いかぶさる。

大丈夫。
置いていかれたんじゃないわ。
託されたのよ。
さあ。

促されて表紙を開けば
無数の青が飛び立った。

輝きが世界を満たし、
やがて静寂を取り戻した時、
麗しい一対が私に微笑んだ。

誰の始まりも
どの始まりも
いつだってそれは、
息をのむほどに美しい。

かつて書いた中編に、青い蝶が主人公と同じくらい重要ポジションのものがあります。他

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あかい大阪あおい東京ふゆの灯よ

あかい大阪あおい東京ふゆの灯よ

季語:冬の灯( 三冬 )現代俳句

冬の灯は、冬にともす灯のこと

あかいろの灯、あおいろの灯
個人的に受けた印象をもとに詠んだ作品です

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【写真詩】ピンクブルーモーニング

【写真詩】ピンクブルーモーニング

こんにちは。
ご機嫌いかがですか?
今日の朝は
とても綺麗な空色だったので
あなたに贈りたいと思って
写真を撮りました。

広がる空の下
続く風の先
今もこれからも
美しい地球で手を繋ごう。

変わりゆく毎日
煌めく心と身体
一瞬も永遠も
忘れないように時を駆けよう。

【詩と日記】ミッドナイトブルー

【詩と日記】ミッドナイトブルー

夜の海では手を引いて

波に拐われぬよう

ずっとずっと囁いて

潮騒に惑わされぬよう

青だけが 青だけが真実で

青だけが 青だけがあなただった

たった一つ たった一つ私の唯一

砂の輝きを覚えているから

宵闇の香りを忘れないから

肌を濡らしたものが何か

ずっとずっと秘密でいい

私は夏が好きです。
晩春からの薔薇の季節が特に。
裸足にリネンのワンピース一枚で大丈夫な季節が
何よりも好

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【140字/空想】生まれ故郷の話をしようか

【140字/空想】生まれ故郷の話をしようか

そう、あの星では僕らは影に目を細め、
光に深く溶け込んだ。
青い花が咲いていたかって?
もちろんさ、見渡す限り揺れていた。
滴り落ちる朝露の一滴は淡く儚く砕け散り、
あの人の輝く髪が
風の中で蒼穹のように広がった。
もうこの世界にはない、
甘く狂おしい吐息に満ちた
僕らの魂が還るべきあの星ではね。

【Original Song】 Lady Blue

【Original Song】 Lady Blue

化粧水のノリが悪いわね
それでも仕上がりはなかなかのメイク
それとは裏腹の曇天の心模様
とりあえず変化をつけるために開けた窓

寂しさに酔ってた私ですらもう居ない
スカートなんて履く気にもなれない
カチッとしたビジネスカジュアルで
正気を保つ私

Lady blue
澄み渡る空のブルーとは異なる
憂いのあるブルー
雨音のパレード
でもいつかは輝き取り戻すの
私は今日も扉を開ける

口紅なんてかっ

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【詩】藍

【詩】藍

煙草をふかして窓辺に立てば
今日も叫んでいる女が見える
何を言っているのか知らない
彼女の中心に閉じ込められた
逃げ場のない怒りや悲しみは
彼女にしか分からないだろう
叫び終わる時が来るだろうか

コーヒー片手に携帯を見れば
怒号に取り憑かれた男がいる
誰彼かまわず手当たり次第に
何がそうさせるのか沈黙する
人生が二度あればなど夢物語
今を生きる彼には余裕はない
未だ夜は明けないようだから

今日

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【140字/空想】青の中で恋する時間

【140字/空想】青の中で恋する時間

鮮やかな青がめくるめく展示
鑑賞後のショップで
私は青い染料瓶を買った
素敵なものを買ったね
先生が微笑んだ
それは空かい?
それとも海かい?
これは恋です
青の中で知ったのだ
あなたの優しさに
ずっと抱きしめられていたのだと
だから今度は私が
あなた色の世界が傷つかないように
そっとこの胸に抱きしめよう

あおあおと水の地球のつゆけさよ

あおあおと水の地球のつゆけさよ

季語:露けさ( 三秋 ) 現代俳句

露けさは、露が多く湿っぽいこと

露ははかないもののたとえとして
遠く和歌の時代から詠み続けられているそうです

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螺旋階段秋のそらへと行き着くか

螺旋階段秋のそらへと行き着くか

季語:あきのそら( 三秋 ) 現代俳句

秋の空は、秋の高く澄みわたった空のこと

螺旋階段(らせんかいだん)は、
狭い場所や非常階段などにも用いられるそうです

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アルビノ

アルビノ

満ちる月の夜には

歩み寄るもののある不思議

掬うように左の手で

青い月の下を支えてみて

言ってみたなら

君の利き手に何か

伝わるかもしれない

夜伽草子の成れの果て

白いカモシカが駆け抜ける

素知らぬ顔の君の

細い声を乗せて

谺が木霊を呼んで

満ち満ちてゆく卯の花色

山々の背はうっすらと光り

蒼きその球体のほんの端っこ

いよいよ触れて

或いは遠ざかって

鼓動より夢よ

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【詩】青い満月に抱かれて眠れ

【詩】青い満月に抱かれて眠れ

月の花が僕の窓辺に咲く
青い青い光が
青い青い花を咲かせる
遠い君に届けたくて
僕は手を伸ばす
だけど
伸ばしても伸ばして届かない
掴んだ指先からすべて溢れて
ああ、なぜ
君はここにいないのだろう
君の笑顔が胸にしみてしみて
僕らは無い物ねだりだね
手のひらの青い花が
君の窓辺にも咲いてることを願って
青い満月の中で眠る
青い花に抱かれて眠る
青い花のような君を
この腕に抱くことを
夢見て夢見て

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