クララ

掌編(140字のファンタジー/朗読会用自由詩/エッセイetc)約500作を移植中 その…

クララ

掌編(140字のファンタジー/朗読会用自由詩/エッセイetc)約500作を移植中 そのうち長編も ガーデニング/お菓子作り/ドールハウス作り/ハーダンガー刺繍/グレン・グールド とにかく空想大好き 趣味のあれこれを物語に詰め込みたい主義 青は永遠のテーマ 米国在住

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    • 122,021本

    とらねこが運営する共同マガジン。グループ合計で参加者1,200名を超えました。フォロワ数2000名以上、120,000記事以上が収録されています。🌱コンテンツを広めたい方の参加をお待ちしています。🌱マナー:①連続投稿はしない②社会一般的に不適切な記事は投稿しない③トップ画面は変えない。参加希望の方は,マガジンの固定記事からコメントしてね(ง •̀ω•́)ง

  • 140字の空想世界

    色々な140字の世界があると思いますが、自分らしくファンタジーの世界を詰め込みました。おやすみ前にのぞいたら素敵な夢がみれるような、そんなお話を中心に。時々、切なさや寂しさもあふれますが、それもこれもみんな優しさになっていくといいなあと願っています。

  • 青の朗読会

    いつか朗読会を開こうと、少しずつ書きためてきたもの。初期は心の話が多いのですが、最近はTwitterでの企画から恋愛詩なども増えています。100字未満のものから2000字強まで、句読点もあったりなかったり。自由気ままに、音楽のように流れていく言葉の美しさを追いかけていけたら。

  • Clara's memo

    日記やそれにちょっとした詩や短歌を組み合わせたもの、お知らせやメモなど

  • 短歌

    企画をきっかけに31字の魅力にはまりました!とはいえ、自分一人ではなかなか意欲的に創作は難しいので、しばらくは企画に参加させていただきながら。

最近の記事

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創作大賞 2024 応募作品 【アルギュストスの青い翅】 第1話 始まりの青

あらすじ 第1話 始まりの青 「J、きみの生まれ故郷って本当、聞けば聞くほどおとぎ話の世界みたいだよね」 「あぁ……すごすぎてため息しか出ないな。そんな場所がこの世界にあるなんてな……」 「ありがとう、みんな。気に入ってもらえて嬉しいよ。だけど、まだまだなんだよな……もどかしいよ……。あの風景はね……そうだな、やっぱり自分の目で見て感じてもらわないとダメなのかもしれない」  俺の言葉に、集まっていた研究室の仲間たちが一様に頷いた。 「わかるよ。もちろん、Jの言葉だって

    • 【140字/空想】青い白昼夢の唄

      さざ波みたいな君を抱く ひんやりと甘くて極上 アンニュイな午後だから ユニコーンの回転木馬は休業中 干上がった海の代わりに 暁の空が明け渡されて 古代魚たちのしぶきが 君の青に滴る 夢と現の狭間 背中合わせの反転世界 包まれたままの時間は喜びなのか? やがて風と水が一つになって 誰もが長い眠りに落ちる前 意味があるようなないような言葉の羅列は 詩のおもしろさだと思うし想像も広がる。 でも、なんでもいいってわけじゃない。 私の場合なら 書かれたものすべてが一枚の絵の中で 喧

      • 【詩】その一頁が教えてくれること

        気がつけば ずいぶん遠いところまで来た。 お気に入りだった本を引き出せば 落ちた栞から時間が解ける。 きらめきが、ときめきが、微笑みが、 降り注ぐ、降り注ぐ。 胸の疼きなんてもう思い出せない。 あなたとの時間がただただ眩しい。 大好きだよの言葉があの日より もっとずっと優しい顔で私に微笑んだ。 悪くない、悪くないね、素敵だよ。 だからまた、さらに遠くまで 一人で愉快に歩いていこう。 以前に書いたものを手直し。 思い出が蘇るシーンまでだったのを その先へ歩いていく

        • 【エッセイ】私のお菓子作り〜甘く香る時間に花咲く喜び

          日々のあれこれに忙殺されて心が毛羽立ってくると、無性にお菓子作りがしたくなる。綺麗なもの可愛いものを補給して癒されたいという欲求だ。 だから見た目が重要。目で見て美味しいものに惹かれる。そのために作る。そして満たされる。 ちなみに、食べる食べないは二の次だ。美味しいものを食べたいとは思うけれど、食べることに執着しているわけではない。作ることが重要で、できたものは誰かが食べてくれたらそれでいい。自分の衝動が、誰かの美味しいになるというのは悪くないと思っている。 そんな私の

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          企画:令和版百人一首 恋の巻【冬の部】に参加します!

          踏みしめる 凍土の響き 知る夜は あなたの声の 熱を知るとき アメリカ東海岸、記録も塗り変わる熱波です。 ニューヨークって昔は「夏の間に冷房なんて 3回onしたくらいかなあ」だったんですが、 もはやそれが嘘のようなここ数年です。 そんな時期に真冬の短歌! これはもう…… 身も心も凍るような一首しかないでしょう! 色んな「凍る」があると思いますが、 あまりに強烈なものもなんなので、 ここは季節的に「凍る」感じで……。 冬の公園なんてどうでしょう。 よく二人で散歩した、み

          企画:令和版百人一首 恋の巻【冬の部】に参加します!

          最終回 創作大賞応募作品 【アルギュストスの青い翅】 第36話 青き蝶の旅立ち

           それでもディカポーネの記録が抹消されなかったこと、セルダの部屋を永遠に残したいと家族が思ったこと、それはきっとみんなヴィーという存在の力だ。思わぬ結果になってしまったけれど、前を向いて、未来を思うヴィーの笑顔にみんながなにかを感じたのだと思う。そこには限りない可能性が詰まっているかもしれないと、そう信じられたのではないだろか。 「あんな笑顔を見ちゃったら、どんなことをしてでも未来を変えてやりたいって思うよな。俺だって……。いや、俺がまず、未来図を描いてもらったのか。まった

          最終回 創作大賞応募作品 【アルギュストスの青い翅】 第36話 青き蝶の旅立ち

          【アルギュストスの青い翅】第35話 解けるものと結びつくもの

          「今年はいつにも増して霧の日が多いですな」 「ええ、こうも冷えるとかないませんね」   そんな会話があちこちで聞こえる。少しずつ前進する列に並んでいた俺は、夏の終わりの太陽をすっかり隠してしまった薄墨色の空を仰ぎ見た。   (確かにな、こんな日が続けばうんざりする人も多いだろう。だけど、これが俺たちのアルギュストスを生み出すんだよ。霧が深ければ深いほど、気温が下がれば下がるほど、青は輝く……)  俺は、この夏らしからぬ夏が好きだ。毒に免疫のない人たちにとっては困りもののあ

          【アルギュストスの青い翅】第35話 解けるものと結びつくもの

          【写真日記】花も私も青息吐息、でもやっぱりね

          8月末まで30度越えはあと〇日だから頑張ろう。 なんて言っていたら、東海岸まさかの熱波。 ハリケーン”ベリル”の影響で雷雨に豪雨もプラス。 そこへ全米震撼のあのニュース。 そしてだめ押し、記録超えのさらなる熱波予報。 花も私も青息吐息です。 それでも咲き始めた薔薇たちに愛しかない。 そんな中でのケーキ作り。 オーブンは勘弁しての気温だから 混ぜるだけでできるありがたいレアチーズ。 抹茶とホワイトチョコを合わせて。 可愛い系に走ってしまいがちな飾り付けも お祝い主が3泊4

          【写真日記】花も私も青息吐息、でもやっぱりね

          【アルギュストスの青い翅】第34話 夏の終わりの喜び

           そのあと、大陸側の川岸の大学から親父の知り合いたちがどんどんやってきて、瞬く間に大規模な研究チームができ上がった。誰も招けなくて残念だと、ヴィーが寂しげに笑っていた部屋が活気にあふれかえる。俺は感無量だった。大きな声で叫びたいほどだ。もちろん心のうちでは何度もヴィーと喜びを分かち合った。 (やったな、ヴィー! 見ろよ、誰も彼もが驚いてる。そりゃそうだよな、この美しさ、この素晴らしさ! さすがだよ、ヴィー) (ロトもないしアルギュストスもいないから、あの日のままの部屋じゃな

          【アルギュストスの青い翅】第34話 夏の終わりの喜び

          【アルギュストスの青い翅】第33話 届けられた贈り物

           それは……黒い舟だった!  「ヴィー!」  一歩踏み出そうと前のめりになった俺の耳に、ロベルトさんが俺たちを呼ぶ声が聞こえた。水際でたたらを踏む。舟を見たまま大きく深呼吸し、まずは親父たちの元へと戻ることにした。  三人で囲んだテーブルの上には、繊細な金属で縁取りされた寄せ木細工の小箱が置いてある。そのふたの真ん中には「親愛なるディカポーネ家へ」と刻印されたプレートが埋め込まれていた。どこにもくすみのない金属、木肌の艶も驚くべきものだ。それは……外界のあれやこれやなん

          【アルギュストスの青い翅】第33話 届けられた贈り物

          【詩】夏は夜〜シロクマ文芸部〜

          夏は夜がいいんじゃないかな 涼しさなんてなくても大丈夫 昼の間に汗を吸って 不快になったシャツは脱ぎ捨て 大きく胸の開いたドレスを着たら 生ぬるい風に心ゆくまで吹かれなよ 日焼けなんて心配ないから 思いっきり上を向いて月を見ようか 深まる暗がりのあちこちで 恋人たちが世界を作り上げてる 僕らはその合間合間を 光る虫みたいに愉快に飛び移るんだ 一夜きりの喜びなんて素敵じゃないか こぼれる言葉はみんなみんな 嘘じゃないんだ夢なんだ 違う誰かを演じてるつもりで どこまでも無邪気な自

          【詩】夏は夜〜シロクマ文芸部〜

          【アルギュストスの青い翅】第32話 清らかなる邂逅

          「広い部屋なのか?」 「ああ、運河側から見たが、ずいぶんと広いよ。おまけに半分以上が水だ」 「水?」  先ゆく二人の会話に息が止まりそうになる。今や俺の確信は揺るぎのないものとなっていた。   階段を降りれば、大きな部屋に似つかわしくない小さい扉。左右を見ても扉はそれしかない。これは……あの夜、俺がクローゼットかなにかだと思った扉だ!  ドクドクと全身が脈打ち始めた。やがて頭の中でとち狂ったように鐘が鳴り響き、その凄まじさといったら。嬉しいのかそうでないのか、知りたいのか

          【アルギュストスの青い翅】第32話 清らかなる邂逅

          【アルギュストスの青い翅】第31話 秘められた部屋への階段

           毒……! 俺の脳裏にヴィーとの時間がよみがえった。 (まさかそんな……! いや、ありえない。よく似た話なんだきっと……でも)  脳内で焦って自問自答を繰り返しながらも、できる限り平静を装って会話を続ける。親父の気が変わる前に、約束を取り付けなくては。 「へえ。面白そうだな。行ってみるよ。始めないと経験は増えないし、いいタイミングだと思う」  親父が満足そうに笑った。俺もそれに応えるように笑顔を作ったけれど、心の中はざわざわと強い風が吹き始めたみたいに落ち着かなかった

          【アルギュストスの青い翅】第31話 秘められた部屋への階段

          【140字/企画詩】優しいあなたと月光小夜曲

          月を見上げて父が言った。 深夜の街角からよく コインを重ねてママに電話したんだ。 いつ切れるかわからなくて おやすみ、愛してるよって 数分おきに繰り返して。 話にならないって呆れられたけど とんでもなく素敵な夜だった。 私は夜空にそんな誰かを想う。 頬に落ちた月光は まだ見ぬ人の温もりみたいだった。 SNSの企画(テーマ:月)で作ったものを 自由詩「青の朗読会」用に手直し そちらに収録してあったのですが、 なんとなく140字に寄せたくなったので ロマンチックな古い映

          【140字/企画詩】優しいあなたと月光小夜曲

          【アルギュストスの青い翅】第30話 紐解かれる夏の始まり

           俺たちの頭上高くに輝く月は翳り始めていた。満月が痩せていく。それは二人の時間が終わっていくということだ。船着き場まで送ってくれたヴィーが俺を真っ直ぐ見つめて言った。 「J、時間が《ほど》解けていくから……」 「ああ……」  ヴィーもやっぱり知っていたのだ。なにがどうしてどうなっているのか、俺にはうまく説明できないけれど、俺たちが今こうして過ごしている時間は、もう間も無く|解けてちぎれて離れていく。それはどうしようもないこと。どんなに願おうとも変えられないことだ。  だか

          【アルギュストスの青い翅】第30話 紐解かれる夏の始まり

          【アルギュストスの青い翅】第29話 光の中で君が教えてくれたこと

          (なあ、ヴィー。肉体なんていうのは道具の一つにしか過ぎないってずっと思ってたよ。だから、ただただ強いだけの自分の肉体に、興味もなかったし嬉しくもなかったんだ。そんな体、なんの役に立つんだって、そう思ってたよ。君に会うまでは……)  声に出して言うかどうかなんて関係なかった。ただ、俺の中にあふれてきた想いをすべて取り出して、世界に送り出したかった。この想いが月光の中に、アルギュストスの輝きの中に、俺たちを取り囲む水の中に溶け込んで、ずっとずっと残っていけばいいのにと思わずには

          【アルギュストスの青い翅】第29話 光の中で君が教えてくれたこと