クララ

掌編(140字のファンタジー/朗読会用自由詩/エッセイetc)約500作を移植中 その…

クララ

掌編(140字のファンタジー/朗読会用自由詩/エッセイetc)約500作を移植中 そのうち長編も ガーデニング/お菓子作り/ドールハウス作り/ハーダンガー刺繍/グレン・グールド とにかく空想大好き 趣味のあれこれを物語に詰め込みたい主義 青は永遠のテーマ 米国在住

マガジン

  • 詩とか色々

    140字でも朗読会用でもないくくりの自由な詩。主に企画が中心になると思いますが、イベントならではの熱を感じていただければ!掌編も時には。

  • 140字の空想世界

    色々な140字の世界があると思いますが、自分らしくファンタジーの世界を詰め込みました。おやすみ前にのぞいたら素敵な夢がみれるような、そんなお話を中心に。時々、切なさや寂しさもあふれますが、それもこれもみんな優しさになっていくといいなあと願っています。

  • 夢か現か、欧州びいきのロングアイランダーはかく語りき

    のんびり更新エッセイ。人生の半分近くはアメリカ在住だけど、実はヨーロッパ大好き。特にイギリス。もっと言えばウェールズ。それでいて専攻はイスラム文化で恩師はイタリアルネサンス専門。あれこれミックスし放題。そんな私が綴る忘れがたい瞬間を1話(500~900文字)ずつ。世界のどこかの通りから。嘘みたいな本当の話。あれもこれもを織り交ぜて。

  • 過去と未来と花咲く荒野

    深く想い合う兄妹二人の時間を自由詩形態で紡ぐ1話ごとに完結のシリーズ 離れ離れになる日、互いのなすべきことを果たしたら、 また一緒に暮らそうと約束する。 幼い彼らの日々が詰まる亡き母の家。 どこまでも続く荒野に花咲く朝、雨降る午後、凍える雪の夜。 全ての季節、全ての時間をまた二人で。 Clara'm memo にも記載しましたが、二人の関係については明言しません。ただ、人が人を想う美しさを感じていただけたら幸いです。 すでに第51話までありますので、 そこまでは規則的に更新できると思いますが、 そのあとは思いついたその時々に 言葉遊びを楽しみながら、細く長く続けていきたいと思っています。

  • Clara's memo

    日記やそれにちょっとした詩や短歌を組み合わせたもの、お知らせやメモなど

最近の記事

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【自己紹介】私と日本語

新しいアカウントでnoteに戻ってきて5ヶ月、連日投稿もちょうど150日目なので自己紹介など。 私は元々物作りが仕事です。けれど、作品の背景についての説明を書いたり、クライアントの話を聞いてそこに感じたものをわかりやすく例えたり(そこから作品へと変換させる)することも多く、言葉は常に近くて重要なものでした。 できるだけ正確に思い描いたことを伝える。そのためには言葉選びが大切になってきます。耳に心地よいだけの美しい言葉や、雰囲気重視の難解な言葉では役不足。シンプル、それこそ

    • 【エッセイ】小さなオルゴール〜青ブラ文学部〜

      1/24スケールのドールハウスキットにパーツとして入っているオルゴール。時には曲目も選ばせてくれたりで、どちらを買うか迷った時、その曲目が決め手になったりする。 しかしドールハウスには組み込まない。収まるべき場所は空間のまま、きちんと加工して仕上げ、オルゴールはデスク上へ。 英語では Music box 、でも私は日本語のオルゴールの方が好きだ。独自性が感じられるし、響きがいい。オルガンのイメージを基にした、単なる刷り込み(実家に木製の足踏みオルガンがある)かもしれないが

      • 【140字/空想】今叶えられる僕の夢

        夜明けの気配が世界を包むとき、 僕らはそっと一歩を踏み出した。 揺らめく青の王国は どこまでも透き通っている。 夢が叶うよ。 この青の中ではすべての夢が叶うんだ。 きみの言葉に僕は大きく息を吐き出した。 青の王国に永遠に閉じ込められて? いいや、 幻のような扉の先にあるものを 僕らはもう知っている。

        • 【散文】「刺さる」についてのあれこれ

          好きか嫌いか、刺さるか刺さらないか。 これはもう、賭けのようなものかもしれない。 あなたと私は違うから。当たり前だ。 当たり前、だからこそ難しい。 万人に刺さるものはきっとない。 だけど不特定多数に刺さるものはある。 極めて少数に刺さって、 その深さに感動悶絶するときだってあるだろう。 例えば、SNSのTLに流れてきた動画。 これを見れば猛烈にパンケーキが食べたくなる! その見出しにふさわしいパンケーキタワー。 頂上からかけられるメープルシロップ。 滴り落ち、皿にできる黄金

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        記事

          エッセイ|第32話 薔薇と月光、創作の原点を追う旅

          私は1/12スケールのドールハウス作りが趣味で、シャビーシック/シャンペトル・シャビーをテーマに色々と詰め込んでいる。 絵画もその一つ。大きさにはあまりこだわらない。気に入った額がある場合はそれに合わせて、ない場合は自分が見たいサイズで。 そんな風にあれこれ用意していたらかなりの数になった。部屋は6つだから全部は飾れない。しかし、名作を取っ替え引っ替えとか、美術館も真っ青の贅沢だ。 さらに最近、コレクションにアンリ・ル・シダネルが加わった。彼の作品を見たのは本当たまたま

          エッセイ|第32話 薔薇と月光、創作の原点を追う旅

          【詩】春の夢〜シロクマ文芸部〜

          春の夢はまったりとした午後に そのなだらかで艶かしい曲線を そっと指先でなぞれば 甘く芳しい吐息に翻弄される 永遠の春は瞬きの合間なんだよ 本当の意味を知って初めて 僕らは常春を手に入れる 指折り数えた夜が遠くなって 集めた星屑がみんな溶けてしまったら 柔らかな光の中で 春はこの扉を開けるから 夢に夢を重ねて 指先に熱を灯して 色づく吐息に震えて 醒めない夢を心の奥に めぐる季節の中で僕らは いつだっていつだって 揺らめく陽だまりに抱かれ 春の喜びに酔いしれる 春

          【詩】春の夢〜シロクマ文芸部〜

          【物語:自由詩シリーズ】第15話 薔薇色の傘と雨だれ

          夏へ向かう雨は力を感じさせる。 全てを洗い流してしまってくれるかのような力。 薔薇色の傘を買ってあげようか。 思いがけない言葉に顔を上げれば 兄は窓の外をじっと見つめていた。 振り返る時間の中には 手放してしまいたいものだってたくさんある。 綺麗な横顔が痛みを堪えるかのように見えて たまらず私は憎まれ口を叩いた。 傘なんてきっとささないわ。 振り返った兄が静かな眼差しを投げかける。 いいさ、さす必要はない。 雨の中でお前が薔薇色を咲かせている。 それだけで十分だ、

          【物語:自由詩シリーズ】第15話 薔薇色の傘と雨だれ

          【写真日記】April showers bring May flowers

          日付をまたぐちょっと手前で、ようやく家に帰ってきました。今月は月頭に日食でアップステートへ行ったりと移動しまくりです。 *まだの方はぜひ読んでみてくださいね   2024北米皆既日食 さて、今回はボストン。前日入りしたからのんびりと思いきや、朝の渋滞を甘くみていて、30分のはずの移動に1時間! 駐車後、16分の競歩を余儀なくされるという……。そしてそこから16:30にボストンを出るまでの7時間半、移動して移動して移動してトータル10キロ歩きました。携帯のGoogle Fi

          【写真日記】April showers bring May flowers

          【詩】濡れた告白の行方

          ねえ、知っていますか? 振り返ったあなたが囁いた 朝露に濡れる落ち葉を踏みしだき そっと私を覗き込む ねえ、知っていますか? 多忙なあなたの中に流れるものを 夢見る私が理解できるわけがない ちょっぴり悲しくなって 静かに頭を振れば あなたが小さく息を吐き出した そうでしょうね そうだと思っていましたよ その言葉に 涙の膜が張りそうになった瞳を向ければ あなたが困ったように微笑んだ 言っておかなくてはいけませんね 私がどれほどあなたを求めているかを 私の世界にどれほ

          【詩】濡れた告白の行方

          【詩】炭酸刺繍・あなたの詩作品を読ませて:届かない恋文

          きみの嘘がぼくを縛る ぼくが嘘と呼んだものが そう呼ばずには いられなかったものが きみが優しすぎたから きみが美しすぎたから だから何もかもを嘘にした こんがらがったのは誰の心いつの時間 愛しているわも さよならも みんなみんな弾ける言葉 振り向けばもう そこにはなにもない それなのになぜ 甘く苦くぼくを苛むの? 消えてなくなるくせに 止まることを知ることもなく こんがらがったのは誰の心いつの時間 きみになら何だって 明け渡してよかったのに 小さな一つ一つまで

          【詩】炭酸刺繍・あなたの詩作品を読ませて:届かない恋文

          【140字/空想】星笑う街にようこそ

          黄昏の街角で帽子を買った。 通りすがりに勧められたのだ。 もう日も落ちたんだけど。 あれ、きみこの街は初めてかい? もうすぐ星が笑うからね、必要さ。 やがて星々がさざめき出して みながこぞって帽子を買い求めた。 ありとあらゆる帽子が揃った広場。 白銀の輝きの中で めくるめく夜の宴は始まりを告げる。

          【140字/空想】星笑う街にようこそ

          【54字の物語】花吹雪〜シロクマ文芸部〜

          久しぶりに書きました54字。 長い文章を書くことが多かった今日この頃、 短くて、でも余韻があるものを書きたいなあって 思っていたので、今回のお題はぴったりでした。 花吹雪。 日本の皆さんは圧倒的に桜だと思いますが、 私的にはサンザシ(Black Hawthorn)です。 イギリスの生垣に多い木(花)。 白いレースを飾ったみたいな雰囲気。 桜と同じバラ科で白〜ピンクの5枚の花弁、 雰囲気は似ています。秋には黒い実がなります。 5月の風の強い日に花が舞うと幻想的。 かつて読んだ

          【54字の物語】花吹雪〜シロクマ文芸部〜

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(後編)

          「あんた、真面目だね。それで疲れた?」 「え?」 「今にも死にそうな顔してた。なのにリンゴを見る目はものすごく優しくて……。真面目すぎて一生懸命すぎて、それで疲れたのかなあって」 「……」 「そんな時は逃げたらいいんだよ。あんたはあんたのために生きてるんだから」    青い目に、さあ食べろと言わんばかりに促され、私は一口スプーンに掬う。溶けかかったアイスクリームの甘さとエスプレッソの苦さが口の中で結びついて広がった。 「なにこれ、美味しい……」  その味わいに、思いがけ

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(後編)

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(前編)

           昨日までの怒涛の仕事量が嘘のように、簡単に取れてしまった有給。なんだか拍子抜けする。   待っている恋人も家族もいない身としては、残業も週末出勤も率先してやった。あれこれ押し付けられても黙って受け入れた。いいように使われていると思いつつも、それしかなかったからだ。でも……。 「結局、私一人いなくなったところで会社は回るってことか。自分が思うほど必要とされてるわけじゃないんだ……」  大きな組織の中の一つの部品でいることは、それなりに意味あることだろう。だけど、誰からも顧

          【短編】リンゴとあなたとアイスクリーム(前編)

          【お知らせ】今後の予定、短編あれこれ。まずは溶けそうなアイスクリームから

          夏前から中編を始められたらと考えているので、 前回の『菫咲く頃、午後の墓地にて』に続き、 季節の短編3つを更新したいと思います。 春から夏。林檎、真夜中の庭園、薔薇。 うちの林檎の木もどんどん新芽が膨らんできたので まずは「溶けそうなアイスクリーム」企画で 3年前の初夏に書いた林檎の木が出てくるものを。 あまりに素直な話(いい子な話)なので、 読み返すとなんだかむず痒いし、 ちょっとできすぎている(上手くいきすぎ) かなあとも思うんですが、 疲れた体と心にはこれくらいが心

          【お知らせ】今後の予定、短編あれこれ。まずは溶けそうなアイスクリームから

          【詩】幻の花はこの胸でほころぶ

          幻ってなんですか? 私は聞いた。 夢でもない、奇跡でもない、幻って。 あなたがかすかに微笑んだ。 美しくて儚くて けれど悲しみや落胆や そんなものばかりでできてるんだ。 欲しくて欲しくてたまらないのに こんなにもここでは鮮やかなのに なのにちっとも本当にはならないものだよ。 あなたがぎゅうと胸元をつかんだ。 白くなる指先に私は自分の手を重ね合わせる。 だったら大丈夫。 もうここにあるのなら。 だって最後は自分で作り上げるもの。 あなたが作るからこそ 夢は本当になるのでしょう。

          【詩】幻の花はこの胸でほころぶ