【詩】いつかの早春、とある街角で思ったこと
大切なことが告げられようとしているのに
目覚めてしまった明け方。
諦めきれずブランケットを巻き付けて目を閉じる。
けれど、再び始まった夢の中に
求めるものはなにもなかった。
もう一度、あの夢の中に戻れるだろうか。
戻りたい。戻って今度こそ、
その言葉を受け取りたい。
そう願いながら、
数日後に通り過ぎた知らない町の知らない街角。
車のサイドウィンドウ越しに見たそこには
暮れ行く一日の最後の光が
溶け残った雪に乱反射していて
なんだか淡く切ない夢の続きを思わせた。
昨日と