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140字の空想世界

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色々な140字の世界があると思いますが、自分らしくファンタジーの世界を詰め込みました。おやすみ前にのぞいたら素敵な夢がみれるような、そんなお話を中心に。時々、切なさや寂しさもあふ…
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記事一覧

【140字/空想】白い花の午後

君が胸一杯に 白い花を抱いてやってくる 瞬間の連続が永遠なら 瞬間と瞬間の間は? そんな…

クララ
6日前
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【140字/空想】秘密の秘密、秘密の喜び

私はね 彼女は片目をつぶって見せた 青い夜明けが忍び足でやってきたら すぐにベッドを抜け…

クララ
2週間前
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【140字/空想】ある夏の、夕刻の、いとけなさ

右の乳房の上には赤い金魚を。 左の乳房の上には黒い金魚を。 真昼の頃には汗ばんだ肌の上、 …

クララ
3週間前
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【140字/空想】青い白昼夢の唄

さざ波みたいな君を抱く ひんやりと甘くて極上 アンニュイな午後だから ユニコーンの回転木馬…

クララ
1か月前
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【140字/空想】ある夏の日の浜で

海からの風は容赦なかった。 何もかもがしょっぱくなって絡みつく。 お気に入りのドレスが 千…

クララ
1か月前
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【140字/空想】想いをしたためる朝

冷え切った石段を登ったり降りたり。 夢、何かを一生懸命探す夢。 無くしてしまったものは数知…

クララ
1か月前
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【140字/空想】星降る夜の内緒話

流星群がやってきた夜。 僕は彼女と二人、 街で一番高い鐘楼の天辺に腰掛けて 空の大騒ぎを見つめた。 街は静まり返ったままだ。 流れ星に願いをっていつの話だったっけ? 飽和の時代は人々の情熱をも飲み込んだ。 望まれなければ与えられないよ。 彼女が小さく翼を震わせた。 僕らはその日を待ち続けるだけだ。

【140字/空想】始まりの朝

夜明け前の空は不機嫌そうだった。 一晩中待った伝令は現れず 最後の花は萎れて落ちた。 ちょ…

クララ
2か月前
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【140字/空想】偽りの日々

喧騒から逃れた旅先で 朝露に濡れた廃墟の苔に触れれば 風の中で何かが嗤った 私たちは愚かな…

クララ
2か月前
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【140字/空想】一緒に泣けば寂しくない

昇ってきた満月は その黄金色が滲んで震えてた。 月も泣きたいんだね。 彼女が囁いた。 みんな…

クララ
2か月前
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【140字/空想】優雅なる月光の誘惑

積んでいた本がすべて 黒い蝶になって飛び去った後、 僕は一人テラスに出た。 満月を映して輝…

クララ
2か月前
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【140字/空想】ああ、それは最強の

気弱な囁きなど 忙しない羽音にかき消されそうだ。 甘い香りが意識を惑わし 色の洪水が記憶を…

クララ
3か月前
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【140字/空想】ミッション コンプリート

友人宅で綺麗な人形が僕を見ていた。 あら坊や、いつぶりかしら。 四百年程でしょうか、マダ…

クララ
3か月前
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【140字/空想】今叶えられる僕の夢

夜明けの気配が世界を包むとき、 僕らはそっと一歩を踏み出した。 揺らめく青の王国は どこまでも透き通っている。 夢が叶うよ。 この青の中ではすべての夢が叶うんだ。 きみの言葉に僕は大きく息を吐き出した。 青の王国に永遠に閉じ込められて? いいや、 幻のような扉の先にあるものを 僕らはもう知っている。