【140字/空想】白い花の午後
君が胸一杯に
白い花を抱いてやってくる
瞬間の連続が永遠なら
瞬間と瞬間の間は?
そんなものはないよ
途切れることがないんだから
僕の答えに君は頭を振った
いいえ
小さな小さな揺らぎがあるわ
けれど何よりも広大で肥沃なものが
人はそれを夢と呼ぶのよ
花咲く午後の甘い痺れ
君の微笑みがいつまでも揺れていた
学生時代は紫ばかりを着ていました。
ボルドーも好きだった。
青はまだ遠いところにあって
自分にとっての色ではなくて。
だけどシャガールが好きで
彼の青をよく眺めました。
青の始まりだったのかもしれません。
けれどなぜでしょう、
あの頃のシャガールを思い出そうとすると
恋人の胸に揺れるナナカマドの花束が
いつもいつも何よりも鮮やかなのです。
白い花って不思議ですよね。
どの季節の中にも、どの時間の中にも
すんなりと収まって穏やかに美しい。
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