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【140字/空想】想いをしたためる朝

冷え切った石段を登ったり降りたり。
夢、何かを一生懸命探す夢。
無くしてしまったものは数知れず。
自分が何を欲しているのか
皆目見当がつかない。
いいえ、
見えない振りはいけないわね。
カーテンを揺らした風が
そっと私の頬も撫でていくから
息を大きく吐き出して
あの人のために買った便箋を取り出した。



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