多和田葉子

(多和田葉子のベルリン通信) 「人影なく緑豊かな大学で」【紹介】2000字

2020年9月25日 朝日新聞朝刊
画:寺門孝之

 今年4月14日に紹介した「多和田葉子のベルリン通信」は、PV数:548をカウントしました。多和田人気を裏付ける数字といえるでしょう(因みに、二位が544で、私の朝日新聞「声」への投稿!)。
 そこで、昨日25日、朝日新聞朝刊で5か月半ぶりに掲載されたので、朝日を購読していない多和田ファンのために紹介します。
 私のエッセイは、「箸休め」ならぬ「

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大吉!!!今日、いいことありますよ(笑
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誤解Ⅱ【エッセイ】八〇〇字

夜書いたラブレター(今では死語?)は、そのまま投函するな。朝に必ず見直しなさい」と、高校の教科書の随筆にあったような。夜に書いた文章は、感傷的で、感情が入りすぎ、相手は白けてしまうということ、らしい。
 ワタクシの(きわめて少ない)経験で恐縮だけど、熱くなればなるほど、逃げられる可能性が高かったし、逆に冷めていれば、追いかけられることも(たまあには)あった。
 多和田葉子さんが、『言葉と歩く日記』

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大吉!!!今日、いいことありますよ(笑
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『百年の散歩』多和田葉子著:ベルリンの街の通りと歴史を巡る連作長編

ドイツ在住でドイツ語と日本語で小説を書く作家、多和田葉子氏。本作は、ベルリンに実在する通りの名前(人名から取られていることが多いようだ)の章ごとに、主人公が歩き回り一人称で語っていく物語。

「あの人」と呼ぶ待ち人を思いながら、街をさまよう。気になる店に立ち寄り、カフェで休む。歩き通しで何時間もたつ。

第1章では多和田氏十八番の言葉遊び(高度な思考を引き起こす)が顕著。また、後半になるにつれて、

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Art is for all.(アートはみんなのもの)
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ただコロナに耐える日本は不思議  多和田葉子さんの視点【紹介】

Photo by 朝日新聞デジタル

 今年の4月に紹介した
「多和田葉子さんの寄稿文 (多和田葉子のベルリン通信) 理性へ、彼女は静かに訴える」
は、540ものPV数がありました。多くの多和田ファンに読まれたようです。
ということで、今回は、朝日新聞デジタル(会員制)に掲載されたインタビュー記事を紹介します。
最後に、多和田さんも登壇する国際シンポジウム(オンライン視聴できます)の案内があります

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中吉。。。ですが、これから良くなっていきますよ(笑
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あえて旅行の荷物をふやす

(20190311記)

 旅の荷物は少ないに限る。

 アルバイトとバックパッキングに明け暮れた学生時代はそう思っていました。

 もちろん大荷物を抱えての道行などまっぴら、という気持ちに変わりはありませんが、あの頃とひとつだけ違うのは、旅に出るとき、バッグに数冊、出かけた先で読むための、割とかさばる本を持っていくようになったことです。

 きっかけはジョン・フリーリの『イスタンブール』(NTT

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多和田 葉子『献灯使』(講談社文庫、2017年)を読みました。

国際的に評価される小説家による“ディストピア”小説集。表題作では、脆弱な肉体しか持てない若者、なかなか老いる/死ぬことができない老人、生きているうちに性別が変わってしまう肉体など311後の転換を象徴するようなストーリーが続きます。他の作品でも、「もう後戻りできない」物語が綴られます。今回の感染症も時代の分岐点になりそうですが、来る時代に思いを馳せるお供によいのかもしれません。

本書より…

リス

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スキありがとうございます!
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『地球にちりばめられて』(講談社)多和田葉子 著

もし、この地球上で日本語を話す人間が自分だけになったとしたら──。

 文化も何もかも、日本という国があったのかさえ確かめることが出来なくなってしまったら。

 あなたなら、そんな世界でどうやって生き抜くだろう。少し想像してみて欲しい。

 私は考えただけで、胃痛と目眩に襲われ、絶望の縄に足を縛られ、身動きがとれなくなりそうだ。

 しかし、この物語にはそんな愚かで怠慢な絶望は存在しない。

 本

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あなた様の善意で生きております。
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読書の記録 多和田葉子『百年の散歩』

作者がモデルと
なっているであろう人物が
ベルリンの街を
散歩しているだけの話が
めちゃくちゃ面白い!

多和田葉子さんは、
朝日新聞ほかで
エッセイをよく読んでいまして、
『エクソフォニー』っていう
随筆集は宝物にしたいくらい
激しく興奮しながら
読んだ傑作でしたが、
(宝物にしたいのなら
すればいいのですが、
図書館で借りて読んだため、
自宅には無く、
宝物にしきれていない)
はじめて読んだ

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室井光広『多和田葉子ノート』『詩記列伝序説』刊行記念!特別エッセイ公開。

「モトをとる」室井光広

 高校の世界史の授業で、ルネッサンスは「古代」の「再生」であり、ラテン語一色の学問の世界において、ギリシャ語が学ばれはじめたことに特徴がある、と習った。世界史の先生には申しわけないけれど、年間を通した授業内容で印象に残っているのは、このルネッサンスの特徴と、付随のエピソードくらいのものである。
 ボローニャ大学で、あるギリシャ語の教師が学生に講義をボイコットされた。ギリ

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ラッキーブックは赤い本!
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多和田葉子『穴あきエフの初恋祭り』(文藝春秋)

そんなに多和田葉子のまめなフォロワーではないので、新作が出ても気づいていないときもあるし、雑誌に発表されている作品なども気づかないことが多い。図書館の蔵書検索をしていて、この間読んだ『星に仄めかされて』のひとつ前の小説って何かな、と調べて見つけた『穴あきエフの初恋祭り』を読んでみた。藤倉麻子のビビッドな装丁が印象的。短編集で、「文學界」に2009年から2018年にかけて発表された7つの短編が収めら

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読んで下さってありがとう♪♪♪
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