lylin

俳句のブログです。ゆるい感じで月2回UPをめざします。(たぶん第2週と第4週)

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  • はる

    春の俳句をまとめました。

  • たんぼLOVE

    たんぼ観察記。

  • ふゆ

    冬の俳句はここです。

  • 新年の句

    新年の俳句です。1年に1~2記事です。

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    秋の俳句はこちらに。

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おさんぽ俳句「はるとねこ」

大きな街道から一本、道を逸れてみる。 壮麗な、けれども やねの片はしの大きくこぼれた神社。 人から忘れられたように 咲いていられる桜も、あるんだ。 あいにくの天気は 満開にうってつけだったりするし。 境内には神楽殿もあって 往時はさぞかし にぎやいだことだろうけど。 祀られることを忘れた神は それでもまだ、 ここら辺りにさまよっているのだろうか。 よく肥えた猫が、ぶるんと腰を上げ 社殿の裏手へと消える。 じぶんの縄張りの誇らしい春を ちょっとのあいだ 人にも見せてやる

    • 【おさんぽ俳句】お花見とパン

      しろ 黄色 しろ しろ ハム色 レタス色 しろ パン屋でサンドイッチを買ったら、駅の改札口へ。 ふだんは出不精な Lylin ですが、今日はお花見の気分です。 しらない街のしらない公園に行ってみます。 公園の桜は、満開にはもう一歩。 それでもたくさんのひと達が 地面に敷いたシートにつどっています。 いわゆる「桜の名所」だったのですね。 ネットで事前情報を調べないほうが たのしいじゃん。 なんて出掛けると、うっかり人だかりに 鉢合わせします。 ひとは花を見るのとおなじく

      • たんぼLOVE「3月」ふたたび

        河津桜も 木蓮の開花も いつもより早めの春でしたが 3月になると、季節はすこし足ぶみを。 一雨ごとに順調に 青い芽をのぞかせてきた田んぼでも、 ほとけのざ 花なずな レンゲに たんぽぽ いつものメンバーは 登場をためらいがちです。 でも、 もうじき いつもの棟梁さん達がやってきます。 のんびりと、にきにぎしく この場処を塗りかえるのです。 ことしの田んぼは どんな景色を見せてくれるのでしょう。 夕時の水ぎわに立ち、思ってみます。 そして。 明日という日を なんとなく待って

        • 【俳句】鳥たち帰る

          鳥帰る 雁帰る 鶴帰る 秋に南下した渡り鳥が 春になって北へ帰るという言葉。 陸地から飛び立つ群れを じっさいに目にしなければ、 帰ったことに気づけません。 いつもの水辺にいつもの鳥が いなくなったことを知った時にはもう 旅立つ姿は、頭上の空にないのです。 人生100年時代と言われ、 どれくらいたったでしょう。 でも、実は。 したいことなんて、それほどないのです。 ごはんを炊いて お風呂をつくって すこし、笑って うんと怒って(あらあら) ストレッチもしておきますか。

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        おさんぽ俳句「はるとねこ」

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          たんぼLOVE「2月」

          この日の散歩は、なんとなく そわそわ、ふわふわしていました。 なぜでしょうか。 田んぼを見ると まいとし2月のこのころは 厳めしい顔つきなのに すこし、ゆるんでいませんか? あ、暖冬か。 気温のあたたかな日は 日ざしまで強く感じてしまうから 不思議です。 地球は、あたたかな年もそうでない年も 軌道のおなじところを通っているのに。 田んぼの顔がなごんで見えたのも 気温のせいでしょうか。 おっと。それだけではありません。 昨夜の雨があがった畦道から いっせいに顔をだした花。

          たんぼLOVE「2月」

          さよなら冬 2024

          どこまでもつづく雪野原に立つと 頭の中ではグネグネと言葉をいじり始めます。 あ、詩っぽいの出てきそう? なにもない景色に、ヒトの頭は耐えられないようです。 「どうしてそこに書かれた物を、信じられるんだい? 聖典も。哲学も。恋文だって。 所詮は、空白に耐えられないヤツらの言い訳なんだぜ」 そんなこと、分かっていますけど。 利巧なふりで〝いっさいが虚しい〟の主張に なびいてみます。 かじかむまで雪野に立っていた昔。 なにか生まれる予感は空振りです。 なにかを生みだそうとする

          さよなら冬 2024

          たんぼLOVE「1月」

          手袋に、毛糸の帽子 マフラー それから、イヤーマフも。 とても寒がりな僕が外出するときは これらをぜんぶ着けています。 ここまでの重装備、辺りにはちっともいませんが。 人目を気にしない性分です。 だから、すこし寒さのゆるんだ夜なら。 気温の変化を、敏感に感じとります。 大寒という一年でいちばん寒い季節に つぎの季節の、こっそりとした足取りが。 頭上には、はちみつドリンクのような色の お月さま。 堂々と照り輝いて、 三寒四温のころとなりました。 寒さのもどった帰り道なら。

          たんぼLOVE「1月」

          【お正月】ゆるりゆるりと、すごせれば

          一月から頑張れる人。 一月からなまけるひと。 一年の計は元日にあり、と言いますが この言い習わしは当たっているのでしょうか。 初詣を正月一日に行くなんて めっそうもないことです。 だって人ごみがすごいじゃないですか。 そんな言い訳をするぼくは、一月からなまけるひと。 でも今年は松飾のはずれる前に 神様と仏様にごあいさつに行きました。 四日だなんて、ぼくの中では早い方な気がする(おいおい)。 とはいえ、わりと大きなお寺さんなので 境内は寺門からお賽銭箱まで、ずらりと人が並ん

          【お正月】ゆるりゆるりと、すごせれば

          たんぼLOVE「12月」

          収穫を終えた稲の切株から、あらたな芽が伸びはじめます。 晩秋に生える穭は、すぐに消えてしまいそうな早緑色です。 それでも今年の穭は、12月になってもそよいでいます。 やはりこの冬は暖冬のようです。 冬の田んぼには農家の方も見えません。 藁塚を作ったあとの余りの稲束と、しまい忘れた案山子。 こんな季節の田んぼを「休め田」と言いますが その名まえのとおり深い休息をしているようです。 とはいえ、ちょっとした、いえ大きな変化もありました。 西の田んぼも東の田んぼも どちらもその敷

          たんぼLOVE「12月」

          【俳句】ティータイム 秋から冬へ

                  紅葉                       黄葉               椛 秋の季語ではあるけれど 木々の色づきには遅速があって ソメイヨシノなら9月の初め、 ハナミズキも10月を待たずに紅葉する。 紅葉の足取りは、町中に立つ街路樹より かえって山々の方が遅かったりする。 初冬のこえが聴こえそうになったころ ようやく色づきはじめて、お? 常緑樹の山懐に点々と、明るい差し色。 一日ごとに気温の低くなる季節は 一日ごとに時間の速度が遅くなる。 そ

          【俳句】ティータイム 秋から冬へ

          たんぼLOVE「11月」

          11月にもなると 天日に干していた稲はすっかり取り込まれ 稲架の組み木もかたづけられます。 田んぼに残るのは、実を取ったあとの藁ばかり。 一束ごとに藁でくくられた藁束が 刈田にじかに置かれています。 よく晴れた日には、いつもの棟梁さんと 昔のことなら何でも知っていそうなおじいさん達が 畔に腰かけ、藁束を作る仕事をしています。 藁をくくるのも藁だなんて 稲には無駄になるところがないのですね。 ある日曜日。 田んぼの中程に棒が「にょこ」っと立てられます。 5、6メートルはあり

          たんぼLOVE「11月」

          さよなら秋 2023

          幸せを求めすぎると幸せになれない、と言います。 足ることを知らず、今よりもなお満たされようとすれば つねに精神が貧した状態になってしまうからでしょう。 このブログでは 今年の夏の尋常ではない暑さについて 何度か書きましたが、 初秋のおとずれを感じるのが遅かった分 その後の秋の深まりは急速だったように思えます。 晩秋の1か月の間に、秋の移ろいがギュッと 濃縮されていた気がしました。 風邪をひいて早引けをした日がありました。 熱も咳もたいしたことはないのですが、 人のなかにい

          さよなら秋 2023

          たんぼLOVE「10月」その2

          例年、この辺りの田んぼは 9月の終り頃から稲刈りが始まります。 10月ともなれば、農家の方の繁忙期。 けれど4月5月の田起しや田植の頃にくらべると 人数も少なめなのです。 春に手伝いに来ていた様々な方たちは、 もういません。 最近外に出るようになったニートの方かな? なんて勝手に思っていた人も(まあ失礼な)、 見かけなくなりました。 稲作を取りしきる棟梁のような方が その相棒さんと二人ばかりで、 稲を刈っては束ねて、稲架掛けにして、 といった仕事をくり返しています。 稲作

          たんぼLOVE「10月」その2

          たんぼLOVE「10月」その1

          10月が来ました。 田んぼの10月はとくべつな月。 それぞれ遅速はあるけれど、あちらこちらで 稲穂が黄金色へと変わります。 収穫の季節の到来で 農家さんは、大わらわです。 とはいえ。 ひんやりとした朝、 農家さんのいない田んぼを 守る誰かがいます。 そう、案山子です。 でも。 雀たちには、人形だってばればれですよ。 近よっても動きませんから。 ……なんて無粋を言うのはよしましょうか。 稲がいい具合に色づいてきたら、一仕事。 刈り入れの前の田んぼの水を 抜かなくてはなりま

          たんぼLOVE「10月」その1

          たんぼLOVE「9月」

          季節は白露をすぎて秋分へ。 今年はそれでも残暑が退いてくれないのですが 朝は草々に露がびっしり結ばれています。 どうしたものか、例年よりよほど多く 前の晩に雨でも降ったのかと思うほどなのです。 季節の名のとおり白い露の揺れる畦を行けば 稲穂が浅緑の葉のあいまより 重く実った顔をのぞかせます。 早くも曼殊沙華の芽が伸びています。 他より先に一本だけ伸びたその先は、堅い蕾。 蜻蛉が止まっています。 年に数回おこなわれる畦の草刈り。 この曼殊沙華は、花を咲かせる前に切られるので

          たんぼLOVE「9月」

          【おさんぽ俳句】この草のうえに、晴と雨

          何日か前のお天気ニュースによると、 今年は十年に一度しかないほどの暑さなのだとか。 え~。 そんなこと言われても。 もう9月なのに。 ということで、秋らしい話でも書きます。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * すこし早く起きた休みの日が 昨日までよりひんやりと感じたら。 散歩に行きたくなるフラグ。 朝ごはんの時間ももったいない。 さっそく出発です。 土手にのぼって川下へ。 残暑が長引いているとは言え、 朝から虫の鳴く、そん

          【おさんぽ俳句】この草のうえに、晴と雨