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【おさんぽ俳句】お花見とパン


      花ざかりたまごサンドに縞模様    梨鱗

しろ
黄色
しろ

しろ
ハム色
レタス色
しろ

パン屋でサンドイッチを買ったら、駅の改札口へ。
ふだんは出不精な Lylin ですが、今日はお花見の気分です。
しらない街のしらない公園に行ってみます。

公園の桜は、満開にはもう一歩。
それでもたくさんのひと達が
地面に敷いたシートにつどっています。
いわゆる「桜の名所」だったのですね。
ネットで事前情報を調べないほうが
たのしいじゃん。
なんて出掛けると、うっかり人だかりに
鉢合わせします。

ひとは花を見るのとおなじくらい
ひとといるのが好きみたいですね。
普通は。
Lylin は花だけ見ていたいです。
実は Lylin はミザントロープなのです。

サンドイッチを食べていると、鳩がやって来ます。
膝元にこぼれた玉子サラダを啄みます。
鳩が来るとカラスも来ます。
鳩のいるところにはおいしいものがあると
知っているのでしょう。
カラスの次はちびっ子2人組の参上です。
「カラスから鳩を守ってやるんだ~」
と息巻いています。
え~。
カラスもこうやって
ひとのちかくに来るからには
色々事情があるのですよ(たぶん)。

「カラスって鳩を食べるかな?」
ぼくに訊いてきます。
「食べないと思うよ」
(鳩のひなは食べるだろうけどね)

カラスを追ってどたばた
駆けまわった2人組、さいごには
「なんだかカラスって、かっこよく見えてきた」
ほっとするようなことを言ってくれました。
パンもすっかり食べ終えた頃、
風にのってふわりとやってきたのは、
おっと、さくらの香り。
そんなお花見でした。

 
       ひざの上なにもなけれど桜狩
 



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