菊地正夫

北海道出身。伊勢丹のWebデザイン会社をやっていました。いまは、早大EC「エッセイ教室…

菊地正夫

北海道出身。伊勢丹のWebデザイン会社をやっていました。いまは、早大EC「エッセイ教室」で修業中。いちおうエッセイスト💦 大酒が祟り、昨年末から1か月間入院。体力が完全に戻るまでは、水曜日の週一投稿(9:00 Up)。ときどき土曜に気まぐれ投稿、ということに。^^

最近の記事

志(こころざし)【エッセイ】六〇〇字

 早大エクステンション「エッセイ教室」春講座。2回目の課題、「志」。自分の人生、アメーバのように、ただただ刺激ある方に走ってきただけなので、「志」なんて大仰なものはなかった(たぶん)。しかしそうは言いながらも、ちょっとだけ拘ったところがあったとすれば、こんな感じ、かな?            ※  四十七での起業だったが、二十年続け、ほどほどながらも現役を締め括ることができた。それは、「蛙の決断」があったからかもしれない。  クラーク先生ゆかりの大地の、ド田舎で育ち、東京とい

    • スタート【エッセイ】六〇〇字

       早大エクステンション「エッセイ教室」春講座が4月6日から始まった。年末からの1か月あまりの入院で、1月からの冬講座は全休。春講座の初日6日も欠席したので、先週13日が、久しぶりの授業になる。  6日に出た1回目の課題は、「スタート」。死に損なったワタクシには格好のお題と思いきや、「男と女」を絡めろ、と師匠がおっしゃっているとのこと。まだ「再」がつくなら、しっぽり感のある内容にできるかもしれないけど…。いや、それでも思い浮かばない…💦^^ はたと困り申した。そして、考えあぐね

      • 節酒のススメ【エッセイ】二四〇〇字

        「悪いこと言わない、酒、やめた方がいいよ」  週2日の休肝日でも、なかなか実行できない、そんなあんた! 週2日なんて言っているからできないんだよ。思い切って、酒をやめてしまいな。命に関わるような病気で入院したと思ってさ。やめるほうが、楽。どうしても飲みたければ、週2日だけ飲む。逆にする。このほうが飲める日が待ち遠しく、楽しみになってきて、酒の美味さが増すってもんだ(ホント、そう思うよ、今)。でないと、ガンマ何某の数値が4桁(1,568 正常値:13~64)で緊急入院し、一時は

        • 生きがい【エッセイ】一四〇〇字

           お騒がせの退院から体力が徐々に戻ってきており、中断していた通信講座の課題を確認する余裕もようやく出てきた。すると課題は、なんと「生きがい」。死に損なった人間に、あまりにもタイムリーすぎる。これまで「生きがい」なんぞ、まったく意識してこなかった。ただただ前を向いて進んできただけ、猪突猛進の猪だった。  内閣府の2021年の調査によれば、60 歳以上の男女(2,435 人)に、現在どの程度、生きがい(喜びや楽しみ)を感じているかを訊いたところ、「十分感じている」が 23.1%

        志(こころざし)【エッセイ】六〇〇字

          もう「政治屋」はいいよ【エッセイ】二八〇〇字

           「裏金」事件。政倫審でも正直に答えようとしない、ウソをつく。その場に出てこないヤツもいる。このあと証人喚問をやったとしても(たとえ罰則規定があろうが)同じこと。規制する法律を何度変えても、これまでの繰り返し。「政治屋」が、自分たちに不利な法律を作るはずがない。これまで騙されっぱなしではないか。その体質は変らない。「政治家もどき」「政治屋」にはご退場願い、そろそろ国民目線に立った、政治に誠実にむきあう人間にやってもらおうじゃないか。               ※  東京地

          もう「政治屋」はいいよ【エッセイ】二八〇〇字

          「喰う」【ご報告】二〇〇〇字(本文)

           食欲旺盛。とにかく美味しく食べられる。「生きることは喰うことなり」を実感している。  その効果が血液検査の数値に現れ、急激に改善しているようだ(おまけ2で公開)。入院したまま、あの「病院食」が続いていたらどうだったろうか。やはり、「喰う」ことである。  長年の大酒が祟って肝臓・膵臓からいったんは離縁されてしまったかに思えた今回の1か月の入院だったが、心を入れ替えるなら、と、復縁となり退院とあいなった。しかし、その条件は手厳しい。その1! 「酒との関係は金輪際、絶て(いや

          「喰う」【ご報告】二〇〇〇字(本文)

          怪我の功名【囁きエッセイ】三二〇〇字

           レッドカードからイエローに変ってなんとか入院1か月でシャバに戻された、ワタクシ。これまでの何度かの入院とは違って、全身の皮膚をするりと脱ぎ捨て、ほやほやの皮に覆われつつある感覚なのだ。  退院して自宅に戻る前に、四谷三丁目の和菓子屋で「元祖イチゴ大福」(脂質制限があるなかで許される嬉しい逸品)を入手。1か月ぶりにコーヒーを淹れ、ベランダに出て大福をほおばり、コーヒーを口にしたのだが、とても苦く感じた。上品な甘みのアンコとイチゴに合わない。翌日の朝のコーヒーも、やはり苦い。試

          怪我の功名【囁きエッセイ】三二〇〇字

          旅支度【エッセイ】一四〇〇字

           当たり前のことだけど、いつ、突然、旅立ってもおかしくない。当たり前のことだけど、形あるものは、みな消えて無くなる。それを、どこかで「ひょっとしたら、自分だけは違うんじゃないか」と、思うところに悲劇、いや喜劇を招く。「お、きたきた。いいよ、いつでも。準備はできているからさ」と思えば、明るく旅立っていけるのではないか、と思った、この一か月の入院であった。あんたなんか、私・俺の重篤さに比べればまだまだよ、なんて思うお方もいらっしゃるかもしれない。そこで競っても滑稽なだけ。でもねえ

          旅支度【エッセイ】一四〇〇字

          「時間」【エッセイ】一八〇〇字(復帰第一作)

           エッセイを書く。料理をする。考え事をする。そんなときに決まって聴く(かける)CDがある。"Don't Worry, Be Happy"が入っている『THE BEST OF BOBBY MCFERRIN』である。5年前。ニューヨーク旅行の際に予定していたブルーノートに出演するからと、繰返し聴いていたボビー・マクファーリンの1枚である。その後も、部屋に流しっぱなしにすることが多い。歌詞が単純で全体を覆うアカペラが心地よく、集中させてくれるのだろうか。今回の1か月の入院生活のあと

          「時間」【エッセイ】一八〇〇字(復帰第一作)

          「保釈」【つぶやき】一〇〇〇字

           約1か月のごぶさた、失礼いたしました。きのう保釈保証金「ジャン=ポール・エヴァン<グラン・コフレ・プティパレ(30枚入)>」を、病棟とHCUの看護関係者、ドクターチームにお渡しし、無事釈放されました。この間のnote仲間さんたちのお見舞い、激励に感謝申し上げます。m(_ _ )m  退院の際のドクターの話によれば、緊急入院時は黄疸が激しく重症であり、一発退場のレッドカードもあり得た。イエローカードで済んだのは不幸中の幸いであったとのことです(もう一回警告されると、退場もあ

          「保釈」【つぶやき】一〇〇〇字

          憂い【エッセイ】二〇〇〇字

           この投稿のあと、休養します。  実は最近、体に異変を感じ区の健康診断を受けていました。結果、再検査を必要とする部位が明かになりました。本日、通いなれている慶応義塾病院への紹介状をもとに、精密検査のための入院手続きに入ります。その後、楽観的に判断しても手術になろうかと、予想しています。つきましては、4年続けてきた週二投稿をいったん休ませていただきます。帰還がいつになるかわかりませんが、1か月を想定しています(そのままだったりして。💦 ^^)。  今回は、「休養のお知らせ」だけ

          憂い【エッセイ】二〇〇〇字

          おせっかい【エッセイ】二五〇〇字

           過去に、『おせっかい』でこんなことを書いたことがある。  10年前、現役だったころ。取引先のYさんとわが社スタッフHの女性2人との、いきつけの寿司屋(写真の店)での食事会のこと。おふたりが着いてすぐ。ダイエット中のHに、『炭水化物が人類を滅ぼす』という本をプレゼントした。するとYさんがおっしゃった。「今からお寿司を食べようとしているときに、渡す本じゃないでしょ!」と。結果、値の張るネタをたらふく食べられてしまった。まさにお高くつく余計なお世話だったのだ。  某就職斡旋会社

          おせっかい【エッセイ】二五〇〇字

          思い込み【エッセイ】二〇〇〇字

          「酒、やめる!」  そのあとに「日本酒は。ネ」なんて、姑息なことは言わない。アベ何某元首相がお得意だった「ご飯論法」のように。正確に申し上げると、「アルコホールを、毎日、呑むのはやめようと思う」だろうか。友との呑みや食事会、なにか特別な日以外は呑まない、ようにしよう、と決めたのである。  実は10日前の深夜、トイレで起きた際に催し嘔吐したことがあったのだ。20年ぶり。ショックだった。そんなに大量に呑んだつもりはない。せいぜい日本酒を4合。ん? 十分に多い? いやいや、ワタクシ

          思い込み【エッセイ】二〇〇〇字

          ある「エッセイ修行場」の話【エッセイ】二六〇〇字

           わが「エッセイ教室」の秋期講座は、先週の土曜日が最終日。冬期講座まで1か月の休みに。苦悶の日々からの解放感がある一方で、虚脱感もある。それほどに充実した「修羅場」、いや「修行場」なのだ。  今期も妙妙たる作品たちとの出会いがあった。なかには、活字となる子たちもいるだろうが、そのほとんどは、その「修行場」での披露で終わってしまう。それではあまりにも不憫。その意味でも、このnoteの場を活用することをクラスメイトにお勧めする。そこで僭越ながらも、今期とくに敬服した作品を、ぜひ紹

          ある「エッセイ修行場」の話【エッセイ】二六〇〇字

          下宿屋の引越し【エッセイ】三二〇〇字

           4年前に亡くなった藤田宜永の小説に、彼の高校時代を描いた自伝『愛さずにはいられない』がある。TOP画像の文庫本に付箋が見えるが、私の学生時代によく知る場所や店が出てくるページに貼ってある。彼はワタクシと同い年。まさに同時代を描いている。ただ違うのは、早稲田学院の大都会の遊び人。純粋な田舎もんとは、ケタ違い。アッシなんざぁー、赤子みたいなもんだ。  顎を外したアホな体験を書いた『トラウマ』の続きになる。これまた、アホな話…。 (あ、一部、「18禁」の内容になります。悪しから

          下宿屋の引越し【エッセイ】三二〇〇字

          巡礼【エッセイ】一八〇〇字(本文)

          ― 原爆の図 巡礼 ―  「どうして、埼玉? しかも、東松山のはずれの田園地帯にあるのか。広島ではなく」と思いながら,市ヶ谷から車で向かった。(関越道)東松山IC降り、10分。田畑や工場を過ぎ、車一台がやっとの小道に入ると、「原爆の図 丸木美術館」があった。近くに都幾川。丸木位里の郷里(現・広島市安佐北区)には、爆心地近くまでを流れる太田川がある。その川を想いおこすことが、妻・俊との移住先、東松山のこの地に建設した理由のひとつのようだ。  美術館は2階建て。入館時に撮影が可

          巡礼【エッセイ】一八〇〇字(本文)