見出し画像

「医食同源」 - 低脂質ダイエット・健康法【エッセイ】三〇〇〇字

「喰うことは生きること也」
 それほどに喰うことが愉しく、いまが人生でいちばん健康じゃないかと思うぐらいに、健康である。大酒が祟り1か月の入院を余儀なくされ、詮方無く禁酒生活を続けていることが幸いしていると、むろん認めざるを得ない…。が、それだけではない。肝臓・膵臓を労わるために、厳しい脂質制限をしている(課された)ことが大きい。入院中は永平寺の修行僧のような食生活をしていたわけだから、なにを喰ってもご馳走となるのであるが…。

 1月23日の退院後にまず必要だったことは、減った体重10kg分を可及的速やかに取り戻し、体力をつけること。10kg減量するとなるとかなり厳しいが、増量するのもそれなりの工夫が必要である。
 約半年たったいま。順調に体重が増え正常時の66kgに戻り、8000歩ウォーキングも可能なくらいに復調している。その闘い(大げさ💦)をまとめてみた。あくまでも自らを治験者として試みている結果である。決して専門的な知見に基づいているわけではないので、各人各様なやり方があるだろうから、あくまでも参考程度に。

 まず、こう考えた。体重は、8kg戻す。脂質制限が必要なわけであるし、できれば脂身(贅肉)ではなく筋肉で増やす。そうなれば、そもそも低めだった体水分量も高めることもできるだろう(タニタの体重計の数値で、筋肉量率・体水分量率を55%に。入院前:50%前後。退院直後:40%前半まで落ちた)。
 そのために、
・タンパク質を中心にした食事
・トレーニングジムの復活(2月24日から再開)
・週2回の8000歩ウォーキング
 結果として、
・血液検査の数値(γ-GTP、中性脂肪、コレストロール、血糖、etc.…)の改善

 「やっちゃダメ」と言わるとやっちゃう性格ではあるが、こう見えても、けっこう素直な性格をしている。命がかかってくると、とたんに忠犬ハチ公になる。
 脂質制限は、1日35g以内。退院前に栄養管理士さんからレクチャーを受け、頭に叩き込んだ。要するに、端的に言えば(トートロジー的表現であるが、強調の装飾で💦)、ワタクシの食生活の花形であった、牛や豚ロースのステーキは、ダメ。ヒレも微妙。なので、ステーキハウスや焼き肉屋とは縁を切らねばならない。ということである。
 そこでおそるおそる、「鰻はどうでしょう? 鰻重特上と白焼き、年金の支給日には食べていたのですが・・・」と、訊いてみる。すると、「その特上だけで一日の制限近く行ってしまいます。それに白焼きなんてとんでもありません。並であっても、しばらくは我慢して頂かないと」と、きっぱり。四谷・荒木町、「鈴新」のロースかつ定食、四谷駅前の吉野家の牛丼やケンタッキーフライドチキン、サヴァトーレのデリバリー・ピザなど、走馬灯のごとく(?)次から次と浮かんできた。が、「ダメ!」と返ってくると読み、抑えた。ではあるが、モスバーガーのフィッシュバーガーはどうですか、とだけ訊いてみた。すると、ガイドブックをパラっとめくり、そのページを瞬時に開き、「1個で20gです。あと15gしかありませんので、その日、野菜だけの食事にするか、です。てりやきバーガーでしたら、1個で制限を超えます」と、宣う。
 とは言っても、8kgをなんとか取り戻さなければならない。身長170.5(1cm縮んだ💦)で国が推奨するBMI22.0から逆算すると、体重は64kg。しかし、それでは風で飛んでいきそうなので、せめて入院前よりも1kg減らした66kgを当面の目標に設定する。
これまでダイエットを意識したことはあるが、「適度に」増やすとなると困る。何を食べたらよいか。ガイドブックを捲ってみると、餅は、OKとなっている。脂質が少ない。それは都合がいい。餅は大好物なのだ。毎日でも食べたいくらいなのだが、すぐに体重が増えてしまうので控えていた。小さい頃、「マサボー、モチ何個にするの?」とお母ちゃんに言われると、「10個ーっ」と答えていたくらいだった。そうか、体重を戻すまで、餅を主食にしよう。スープや味噌汁に放り込めば良いし。あと、フルーツがある。あと、和菓子もある。和菓子とフルーツ!! 「イチゴ大福は大丈夫ですね?」と言ってみた。すると、「もちろん! 玉屋のいちご大福、美味しいですよね」と、おっしゃる。入院先の慶応大学病院の近く四谷三丁目に、「元祖いちご大福」玉屋の支店がある。彼女も、よく行くようだ。

 退院から1か月は、ひたすら太ることに徹した。毎食、餅料理。おこあ。フルーツ(含む、干し柿)。赤身マグロや白身、貝類の刺身や寿司。そして、肉は、鶏ムネ。これまでは鶏はモモで、ムネはほとんど食べたことがなかった。が、この際、魚だけでなく肉も必要なので。結局、写真のようにかなりの量の朝食を食べることになった。

左から、わかめスープ(きのこ、筍、タラ切り身、ブロッコリー、卵白身3個、黄身1個、そして餅)、おこあ(玉屋の「季節おこあ」が美味しい)、マグロ赤身、鶏ムネ肉ハム、ブロッコリー、湯葉刺し、そしてノンアルビール

 結果的に、退院後40日で4kg、1日100g分増加することになる。そのままのペースで増えていったのでは完全に肥満体型になりかねない。そこで、3月に入ってからは糖質ダイエットを実行している。

 この糖質ダイエットの主役になるが、「鶏ムネ肉のハム仕上げ」。この出会いは大きい。鶏と言えばモモ肉。肉と言えば、豚ロースか牛肉ロース。だったワタクシが、仕方なく鶏ムネ肉を食べ始めた。しかし、パサパサしたイメージのムネ肉が、調理法を湯煎にするだけでジューシーなものに変わったのが大きい。この先、脂質制限が解除されたとしてもこの料理は欠かせなくなるだろう。それほどに、美味である。ウエイトコントロール上でも、欠かせないものになっている。そして、何よりも重要なタンパク質源である。

 ということで、「鶏ムネ肉のハム仕上げ」
 「とにかく簡単。手間は、2、3分」なので、お試しあれ。

 こうなる(詳細は、「ふろく」で)。
両手にフォークを握って穴を開ける、あける(1分)。ジプロックの袋(MでOK)に入れ、ハチミツを大匙1杯かける、揉む(20秒)。塩水(塩小さじ1杯+水100mm)を入れ、揉む、口を閉じる(20秒)。冷蔵庫に入れひと晩寝かせる。(翌朝)大きめの鍋に水を沸騰させる。その間に、ジプロックに溜まった水を流す(10秒)。お湯が沸いたら火を止め、袋を入れ、蓋をする(5秒)。湯煎は、4時間。取り出し、袋の中に溜まった水を捨て、容器に入れ、冷蔵庫に(10秒)。手間は、合わせて3分もかからない。私は、毎日、夕方に準備し冷蔵庫に入れておく。盛り合わせたのが、下の写真。

 おまけに、推奨タレのご紹介。
 ワサビ醤油をつけて食べるだけでも十分に美味しいのだが、焼肉のタレが良い。
横綱:エバラ 黄金の味(辛口)
大関:<宮崎 戸村>とむら焼肉のたれ
関脇:<青森 十和田>スタミナ源 たれ

 もし退院が延期されていて、あの「病院食」が続いていたらどうだったろうか。治るものも治らない。やはり、「喰う」ことである。
 「一病息災」と言うが、ひょっとしたら神から与えられた当初の寿命がちょっとだけ伸びるかもしれない、と期待している。
 「医食同源」「食欲旺盛」とにかく美味しく食べられる。まさに、「生きることは喰うことなり」を実感している。
 緊急入院の際の4桁のガンマ何某は、標準の2桁台に近づいているし、中性脂肪も40~149が基準値のところ、142までが落ちてきている(禁酒の貢献が大きいとは思うけど)。さらに、この半年の食生活と運動の成果か、下っ腹が「大福」状態であったものが、現在、「大判焼き」くらいにはなっている。1年後には、「洗濯板」にまでにしたいと考えている。(笑

(ふろく) 
定番「鶏ムネ肉ハム」(レシピ)
1)フォークで穴をあける
2)ジプロック(MでOK)に入れ、砂糖(大さじ1)をかけ、しっかりもむ
※私は蜂蜜を使う(量はテキトー💦)
3)塩水(100cc小さじ1.5)をかける。軽くもむ
4)冷蔵庫に
※3時間でもOKらしいが、ワタクシは「ひと晩」寝かしている。これがポイント
5)大きめの鍋でお湯を沸かす
6)ジプロックの水分を捨てる(これ忘れることある。ジューシーさが失われるので注意)
7)空気をしっかり抜いて沸騰した鍋に入れる
8)4時間、湯煎(3時間でも良いが、4時間がベスト。私感)
9)ジプロックから肉を皿に取り出し、ラップをかけて冷蔵庫へ

脂質制限食、タンパク質食の優等生は鶏ムネ肉であるが、あとはなんと言っても、イカ、卵(白味)、ブロッコリー。数の子も、いい。数の子はコレストロール値が上がりそうなイメージだが、逆である。HとLのバランスをとるのに貢献するようだ。山海漬けに混ぜて、毎日食べている。

(ふろく2)
血液検査結果


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?