パウル・ツェランとプリーモ・レーヴィ
このあいだ、『パウル・ツェラン詩文集』という本を読んだ。ツェランはナチス時代を経験したユダヤ人の詩人である。彼の詩を読むのはこれが初めてだが、読み始めると、その経歴を意識せずにはいられなかった。詩のあちこちに、「収容所」が彼にもたらしたものの影が、色濃く強く反映されているからだ。
たぶん、そうした「収容所」のイメージの影響だろう。読んでいると、同じく収容所を経験したプリーモ・レーヴィの詩が思い出された。ひとたび思い出すと、読みながら、二者のあいだの共通点や相違点、そういうと