マガジンのカバー画像

人と組織をつくる哲学 ―マネジメントと教育の「共通解」―

938
マネジメント=管理とは「兵站(生産・物流・調達部門)を通じて限りある資源(ヒト・モノ・カネ・トキ)を把握・分配し、適時適切に適所で活かす」ことである。古来より兵站を軽んじ、人材や…
運営しているクリエイター

2022年4月の記事一覧

心理的安全性のために考えたい、たった1つのこと

心理的安全性のために考えたい、たった1つのこと

今日は、「心理的安全性」について、考えていきたいと思います。

会社でも、組織でも、チームでも、コミュニティでも、親子関係でも、あらゆる場面で大切になってきていると感じるのが、「心理的安全性」。

心理的安全性は、何もアクションしなくても、高められるものではありません。意図的に高めていく必要のあるものと理解しています。

そして、立場や役割に関わらず、だれもが心理的安全性を高めることができると思っ

もっとみる
全社で1つの課題に向き合う場をつくる 社内ワークショップの設計とファシリテーション5つのポイント

全社で1つの課題に向き合う場をつくる 社内ワークショップの設計とファシリテーション5つのポイント

こんにちは!カミナシHRの井上(@INOUERAY)です。

今回は、最近取り組んだ社内ワークショップ企画・運営を振り返り、「社内ワークショップの設計とファシリテーション」というテーマでお話してみたいと思います。

「人事施策の手段としてワークショップやってみたいけど実際どうなんだろう?」という方

「”ちょっとワークショップやって!”と急なオーダーをされたけど何も分からないー!」みたいな方

もっとみる
リーダーシップについて考える

リーダーシップについて考える

新たな組織でのリーダーシップ

メンバーが増え、これまでと違う役割が求められるようになりました。自分の仕事と同じくらいメンバーのことを考えるようになりました。個人としての主体性、役割、得意なことを大事とするとともにチームの力を最大化するためにリーダーシップを勉強する必要。
人と人、心が大事ではありますが、まずは理論について。

トランスフォーメーションリーダーシップ(TFL)

リーダーシップの5

もっとみる
日本式ピラミッド型組織は、「持続的イノベーション」に強かった(後編)

日本式ピラミッド型組織は、「持続的イノベーション」に強かった(後編)

次の2つの論考に触発された投稿の後編です。
*GAVIさんの組織とイノベーションに関するノート記事(2022.4.10)
*清水洋『野生化するイノベーション』(新潮選書)

前回はこちらです⇒

4.清水洋『野生化するイノベーション』の論点 
 清水洋『野生化するイノベーション』はイノベーションの本質とその社会的影響を広く考究したもので、イノベーション研究で最も権威ある賞の一つ「シュンペーター賞」

もっとみる
日本式ピラミッド型組織は、「持続的イノベーション」には強かった(前編)

日本式ピラミッド型組織は、「持続的イノベーション」には強かった(前編)

次の2つの論考に触発されての投稿です。
*GAVIさんの組織とイノベーションに関するノート記事(2022.4.10)
*清水洋『野生化するイノベーション』(新潮選書)
多少、長い話になるので、2回に分けて投稿します。

1.話の前提
 この記事は、これまでに私が企業組織について考えてきたことの延長です。ここでの論考のベースにしている考え方を整理すると、次の2項目になります。

企業組織を設計する原

もっとみる
テレワークでの新入社員育成はネトゲが参考になる

テレワークでの新入社員育成はネトゲが参考になる

新入社員のテレワークは正解がわからない4月から新年度が始まり、コロナ禍で企業が新社会人を迎えるのも3度目を迎えた。テレワークの活用も試行錯誤を重ねた結果、落ち着きをみせてきた。基本的には、テレワークは会社や部署単位で浸透しているところとそうではないところの差が大きい。学情の調査でも、新入社員の勤務形態は約6割が出社としている。部分的にテレワークも含めると、すぐにテレワークを実施しているのは1%にも

もっとみる

【部下と一緒に悩んではいけない】
あなたが上司であれば部下から相談を受けた時に一緒に悩んではいけません。上司の仕事は「悩みを解決すること」なので一緒に悩んでいてはいけないのです。そのためにも常に一段高い視点から課題を見る癖をつける必要があります。その視点の高さが上司の能力なのです

「ゆるい組織」に陥らず、心理的安全性を確保するには

「ゆるい組織」に陥らず、心理的安全性を確保するには

こんにちは、ナラティブベースのハルです。様々な組織に『ナラティブな(各々自分を語る)場』を持つことや慣習化を提案しています。そのときに初期によく出てくるのが「それぞれの事情を聞いたら収拾がつかなくならないか」「そんなパンドラの箱をあけるようなことをして大丈夫か」といった問いです。同じように『心理的安全性』をつくることは同時に「そんなことをしてゆるい組織にならないか?」「緊張感があってこその成果では

もっとみる
なぜ組織や社会のダイバーシティは難しいのか? 〜「多様性」と「強さ」「大きさ」のジレンマ

なぜ組織や社会のダイバーシティは難しいのか? 〜「多様性」と「強さ」「大きさ」のジレンマ

お疲れさまです。uni'que若宮です。

このところ、「多様性」と「強さ」「大きさ」のジレンマについて考えていて、今日はちょっと現時点でのモヤモヤを書きたいと思います。

ジェンダー含め、ダイバーシティについては企業やイベントなどにお招きいただいて色々話したりすることも多いのですが、ダイバーシティが進まないのは単に個社や個人のやる気の問題だけでなく、社会や世界の構造的なジレンマがある気がして、最

もっとみる
ジャズコンボ型組織が『破壊的イノベーション』を創造しやすい理由を野中郁次郎教授のSECIモデルで説明

ジャズコンボ型組織が『破壊的イノベーション』を創造しやすい理由を野中郁次郎教授のSECIモデルで説明

マイルス・デイヴィス信者の私にとって 彼こそが『真のイノベーター』であると思っています

ジャズは ダイバーシティ(多様性)によって創造されていった音楽で インプロヴィゼーション(即興力) インタープレイ(相互作用)によって構成された 想像力を必要とするものです

野中郁次郎教授の『SECIモデル』とは?

『SECI(セキ)モデル』とは 一橋大学大学名誉教授の野中郁次郎氏らが提唱した広義のナレッ

もっとみる
オーケストラは「ピラミッド型」、ジャズコンボは「ネットワーク型」の組織

オーケストラは「ピラミッド型」、ジャズコンボは「ネットワーク型」の組織

オーケストラとジャズコンボ。どちらも演奏者のチームですが、その構成と運用はまったく異ります。オーケストラは演奏者を堅固に構造化し、指揮者⇒コンサートマスター⇒各演奏者という指揮系統を主軸に音楽を作り上げます。これに対し、ジャズコンボは緩やかなネットワーク構造で演奏者の自律的な即興の中から創発させるのです。
この違いには、以前に取り上げた「ピラミッド型組織」と「ネットワーク型組織」の違いに呼応するも

もっとみる
ドラマ『99.9-刑事専門弁護士』から学んだ、心理的安全性の作り方

ドラマ『99.9-刑事専門弁護士』から学んだ、心理的安全性の作り方

先月、部のメンバーとの1on1についての記事を書いたところ、過去一番の反響でした。ありがとうございます。

今日は、前回の記事で書ききれなかった、私なりの信頼関係の作り方について書きたいと思います。

前回の記事では、1on1の最後に本人に自分の発言を振り返ってもらって、気づきを言語化してもらうことが大事だと書きました。

しかし、もしも目の前にいる私が信頼できる人間でないと、気付いたことを素直に

もっとみる
今いる社員だけでチームを最適化してはいけない

今いる社員だけでチームを最適化してはいけない

マネジャーの仕事の一つは、今いる戦力で最大の成果を出すことです。

そのためマネジャーは自分のチームで成果が最大限に出るように最適化します。

基本的にはこの方向性は間違っていないのですが、時として最適化しすぎることで弊害が出ることもあります。

今回は部分最適についてのお話しです。

社員は流動することを念頭に入れておく今いるスタッフを最適化するとは、例えば仕事を役割や、能力に応じて割り振って、

もっとみる
リーダーシップの定義

リーダーシップの定義

以前も何度かリーダーというものについて記述したことがありますが、どうしてもリーダーというと「牽引」するものと思い込みがちな人を見かけます。

牽引するならするで、そうするからにはそれにふさわしい力量が求められるのですが、その力量を正しく身につけないままリーダーになってしまった人は後付けでも力量を身につける努力をすればまだなんとかなるのですが、残念なことにその努力が見受けられないままただただリーダー

もっとみる