マガジンのカバー画像

井戸とカリフラワー:日本から見た「世界」、世界の中の「日本」

839
カリフラワーに住む虫は、カリフラワーを世界だと思っている。 (The insect that lives in the cauliflower thinks the caulif… もっと読む
運営しているクリエイター

#COMEMO

ウガンダからの留学高校生に教えられたこと

ウガンダからの留学高校生に教えられたこと

テレ東でやってる「YOUは何しに日本へ?」をたまたま見たのですが、そこで密着取材されてたウガンダからの留学高校生ニコラスくん。

高校から留学してきたのに、日本語も堪能で、しかもちゃんと敬語も使い分けるし、日本人が書けないような漢字まで習得している。謙虚で礼儀正しくて、決してオラオラもせず、かといってウェーイでもなく、物静かでとても冷静。
高校では生徒会長もやるくらいだから、同級生からの人気もある

もっとみる
「文化的景観」に生きるー再生されたイタリア・オルチャ渓谷のテリトーリオ。

「文化的景観」に生きるー再生されたイタリア・オルチャ渓谷のテリトーリオ。

イタリアの憲法第9条に以下のことが書かれています。1947年のものです。

イタリアは歴史的・芸術的遺産の保護に注力するのと同じく、景観に対しても保護することを謳っています。殊に1970-80年以降の特徴として、建物が連なる都市の景観だけでなく、田園、農村、海浜の景観により目が向けられたことがあげられます。そこで「文化的景観」という概念が生れます。

この一つの例として、イタリア中央にあるトスカー

もっとみる

よその国を見習う前に、まず自分の国のことなんとかしないとね

最近、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの北欧三国出羽守に加えて同じ北欧グループの「デンマークを見習え」という声も聞こえるようになった。

というのも、国連の幸福度ランキングで上位になっているというのも注目のきっかけかもしれない。

しかし、どんなにデンマークがいいとかいわれたところで、移住するどころか旅行する機会もないまま一生を終える人も大多数なわけで、興味はないし、「見習え」とかいわれても

もっとみる
久しぶりに海外に出てみて感じた、コロナ禍の"世界"と"日本"

久しぶりに海外に出てみて感じた、コロナ禍の"世界"と"日本"

2年半ぶりの海外出張に行ってきました。2020年頭に行った最後の出張もヨーロッパで、イタリアの同僚に会いにミラノに行き、出国した数日後にミラノがロックダウン、そしてその後ドイツ・フランスを訪問したのですが、フランスから帰国するときにガスマスクのようなものをつけている人がいて「大事になってきた・・・」と思ったのをよく覚えています。
一方で帰国した日本、羽田空港は何もなかったかのような状態。でもそこか

もっとみる
18歳成人となったからには選挙に行こう

18歳成人となったからには選挙に行こう

自由と責任の範囲が広がる18歳4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられる。それに伴い、早ければ高校3年生から消費者契約や金融取引などの決断を保護者の同意なしで下すことができる。つまり、従来よりも18歳の若者の自由の範囲が広がる。その一方で、自由には責任が伴うが、18歳の時点で自分の意思決定に責任を持つことができるのか疑問だという声も聞こえる。

それでは、他国における成人の扱いはどう

もっとみる
細谷雄一さん(日経COMEMO KOL)の投稿が日経朝刊「私見卓見」に掲載されました。

細谷雄一さん(日経COMEMO KOL)の投稿が日経朝刊「私見卓見」に掲載されました。

日経COMEMOのキーオピニオンリーダーとして活躍中の細谷雄一さん(慶応義塾大学教授)の記事が、2月11日(金)の日本経済新聞朝刊に掲載されました。

テーマは「中国台頭にどう向き合うべきか」です。

▼公開された紙面はこちらです。

日経COMEMOでは、日経新聞の担当者がCOMEMOに載っている投稿を選び、再編集して日本経済新聞本紙「私見卓見」で紹介する連動企画を行っています。

▼これまでの

もっとみる
世界の人と働く人は複数のメッセージングアプリを活用するようになる

世界の人と働く人は複数のメッセージングアプリを活用するようになる

日本にいると、社外の人とやり取りするツールはある程度限られている。業界にもよるだろうが、E-mailやFacebook Messanger、LINEが多いだろう。特に昨今はチャットツールが盛んになっているので、Facebook Messangerで連絡を取り合うことは多い。

一方で、世界の人と働く場合、状況が異なってくる。世界の人とビジネス上のやり取りで何かコンタクト取りたいな、と思った場合に便

もっとみる
差別する人間、支援する人間というふたつのタイプの人間がいるのではない。100年前の歴史から学べる事

差別する人間、支援する人間というふたつのタイプの人間がいるのではない。100年前の歴史から学べる事

続々と人口減少化が進む他の先進国と違い、いまだに人口増加の米国、しかし、その内訳は、ヒスパニック人口が23%増加し、アジア系は35.5%、黒人は5.6%増加、2つ以上の人種を自認する人の数も10年前に比べ約3.8倍と白人以外がすべて増加している。

こうした人口動態は感情のこじれに直結する。ちょっと前、アジア系の人に対するヘイトクライムが話題になっていたけど、対中国との関係性の問題もあり、こじれた

もっとみる
ラーメンから、日本と世界を眺める。

ラーメンから、日本と世界を眺める。

これは73回目。ラーメンの話です。誰でも思っていることでしょうから、さして面白い話ではありませんが、ラーメンという独特の食文化を通して、日本人を省み、そして世界を眺めてみましょう。

:::

どうしてこうも日本人はラーメンが好きなのであろうか。国民食といっても良い。本場、と考えられがちの中国にいっても、およそ日本のラーメンのようなものは、存在しない。完全に別物だと考えてよい。

ラーメンを語ると

もっとみる
ドイツの電気技術者たちがボカロに関心?ブラウンシュヴァイク工大で講演

ドイツの電気技術者たちがボカロに関心?ブラウンシュヴァイク工大で講演

ドイツの電気技術者たちは、初音ミクやボーカロイド技術に興味を持っていそうです。電気技術に関する標準規格に関わり業界の研究者や企業の団体であるドイツ電気技術者協会(VDE)によると、3月21日にブラウンシュヴァイクでボーカロイドに関する講演「PCから生まれた完璧な歌手:日本の音楽産業におけるヴァーチャル・リアリティ」が開催されます。主催者はVDEのブラウンシュヴァイク地区の支部で、共催者には現地の独

もっとみる
マンガと異業種のコラボに需要はあるのか=ドイツから考える

マンガと異業種のコラボに需要はあるのか=ドイツから考える

ドイツ、フランクフルト近郊のリンゴ酒メーカーが先日、マンガ風のデザインを採用した新商品を発表しました。イラストを担当したのは日本の大学院でもマンガ制作を学んだドイツのプロ漫画家クリスティーナ・プラカさん。このシードルとレモネードをミックスしたアルコール飲料は、ドイツの大型スーパーチェーンでの販売を予定しているそうで、つまり全国規模での展開だと思われます。ドイツのクオリティペーパー『フランクフルター

もっとみる
起業 in Japan ― 日本人が忘れてしまいつつあること。

起業 in Japan ― 日本人が忘れてしまいつつあること。

ウーバーのなにが画期的なのかが、日本人には判らない。
海外では、日本のようにタクシーを呼ぶという仕組みはなかった。宅配という仕組みは今や「世界標準」だが、日本発である。自宅にまで荷物を届けるというサービスは世界のどこにもなかった。スマホを使っているだけで、本質は変わっていない。世界的に話題となるビジネスを目にしても、何がすごいかがわからないことが多い。

「起業 in Japan」がブーム。
世界

もっとみる
「日本では当たり前」を変えるために今、個々が自分を変えることから始よう。

「日本では当たり前」を変えるために今、個々が自分を変えることから始よう。

昨日まで「当たり前だと思っていたことが急に変わったらどうなるか」。体験者は語る。マジしんどい。

私の住むマレーシアでは本日6月10日から「回復期行動制限」に入った。最初のロックダウンからすると色々なことが出来るようになった。このように政府から色々な指示があるとその度にその時の「当たり前」が変わる。なぜならその期においての「当たり前」が常に変化していくからだ。

この「当たり前がその都度変わる」は

もっとみる
EU復興基金案の合意はポジティブだが……

EU復興基金案の合意はポジティブだが……

7月21日、EU復興基金案が合意となった。合意にたどり着いたことは、プレゼンスを落としていた欧州が復権できるきっかけともなりえ、ポジティブである。

金額自体は事前に出ていた金額を死守し7500億ユーロ。EU27か国のGDPの3%を占め、それなりの規模が確保された。案として出されていた補助金と融資(低金利ローン)の組み合わせは、5000億ユーロと2500億ユーロの計7500億ユーロだったが、今回の

もっとみる