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疎通と対話 ―社会と組織の中で人々を「乳化」させるもの―

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コミュニケーション(疎通)とは相互に意思を伝達する技術であり、ダイアログ(対話)とは相互の合意目標を発見する工程である。いかに言葉巧みで表現豊かでも、伝達や合意を成し得なければ児… もっと読む
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2019年8月の記事一覧

その言葉は、相手にも届いているか。

その言葉は、相手にも届いているか。

 受け止めた側がどうとでも解釈できる言葉と、逆に解釈の余地が少ない表現とがある。前者のような言葉は解像度が低く、後者は解像度が高いと言える。解像度の高低によって、お互いの理解、会話の速度に影響が現れる。そのイメージはこのような感じだ。

 会話をしていて、いまいち理解があってないと感じたら言葉の解像度を高めて、意味するところを特定できるようにする。

解像度の低い言葉でのコミュニケーション

 解

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もやもやを言語化しないということ

もやもやを言語化しないということ

「言語化できているとき、人は前に進まない。」

言語化すること・文章にすることに価値を置きがちなわたしにとって、最近印象的だった言葉。言語化するということは、その枠にとどまるということ。

もやもやしているときは、ある時期からある時期に移るさなぎのような時期で、もやーっとして辛いけれど、それは(自分のなかで)前提としていることが覆されるときなので、そのもやもやが大事なのだとその方は言っていた。

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拍子抜けするくらい、簡単にうまくいってもいいんです。

拍子抜けするくらい、簡単にうまくいってもいいんです。

 思い込みって、怖いですね。うーん、たぶん最低でもこの1ヶ月、下手したら数ヶ月のあいだ、悩み躊躇していたことが、あっさりとうまくいきました。妻にも渋い顔をして「今日……やるわ」と宣言し、「厳しい戦いになるかもしれない感」を漂わせて家を出てきていたので、もう少し手こずる覚悟をしていたのですが、拍子抜けするほど簡単にうまくいっちゃったのです。

 場所は、とある飲食店のテーブル。向かいに座っているの

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これから影響力を持ちたい人は何から発信するといいのかを考えてみた

最近「影響力を持ちたい!」という人が増えている感じがします。もっと端的にいうと「お金を持っている人よりも、フォロアー数が多いほうがえらい」という感じの世界観です。「何者かになりたい」というやつですね。

人生ゲームも、お金じゃなくてフォロアー数を競うようになっているようです。時代ですね。

新元号を冠した「人生ゲーム+令和版」が2019年6月に発売。戦略性をプラスし,“お金”ではなく“フォロワー”

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SNS的 文字会話に思うこと

SNS的 文字会話に思うこと

コミュニケーションの法則的に
目を見て 身振り手振りして
それでも「真意」が伝わるのは
「8割程度」らしいので

Twitterなど SNS上における
「文字会話」だけの解釈に
多少の誤解が生まれるのは
ある意味仕方がないと思う

同じ言葉であっても
受け取る側の「精神状態」や「人生経験」
「価値観」
書き手との「関係性」によっても
まるで受け取り方が違ってしまうものだし

言わんとする「真意」

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なぜセクハラがおこるのか

なぜセクハラがおこるのか

“オフィスでどう声をかけたらいいのか”わからなくなったという人が多い。たとえば「メシでもいく?」と、オフィスでしょんぼりしている部下の女性に声をかけたら、「セクハラ」といわれる。

セクハラは受け手が不快に感じるかどうかだとよく言われるが、「メシでもいく?」という言葉の意味は伝わって誤解はないが、“こういうとき”に、上司が部下に「メシでもいく?」という誘いをするという意味が部下には理解できない。上

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「意味わからん」「訳わからん」

「意味わからん」「訳わからん」

娘と話をしていると、なんども出てくる―「意味わからん」「訳わからん」。親父が言っている「事柄」は分かるけれど、なにを言いたいのかの「意味」がわからない、「訳」がわからない。これは、若者との会話が成り立たない、世代間ギャップというような単純な話ではない。この言葉に、現代社会を読み解く鍵がある。

NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」の主題歌、宇多田ヒカルの「花束を君に」が流れていたころ、さわやかで、透明な

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適材適所と一緒にするべきこと

適材適所と一緒にするべきこと

「いいところを伸ばしていかんとな。悪口ばっかは聞きとうない。」

会社の方針として、このように述べてる社長さんってのは結構多いです。

苦手なことをして気分が乗らない毎日を過ごすくらいなら、自分が得意なことにフォーカスしてもらおう。そうすることでやる気も上がるし、必然的に生産性も高まる。

こういう考えを中心に「いいところを伸ばしていく」という方針を掲げてるんですね。要は適材適所ってことです。

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にじり寄る関係性

にじり寄る関係性

<今の職場でのエピソード>

私が今の職場にきて2年くらいたった。

うちの職場はちょっと特殊で、いろんな会社から出向だったり派遣だったりBPOだったりでやってきた人が多数を占めている。
私も、プロジェクト派遣(すなわちBPOと言っていいのか)で入っている身なので、クライアント先に常駐しているかたちになる。

そのクライアント先の人たちは、ハイパフォーマーだったり専門性めちゃめちゃ高い人ばかり。

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フィードバックの流儀

フィードバックの流儀

良い感じのフィードバックをする極意3つ。

①まずほめる

②もったいないポイントを言う

③改善できそうな案を提示する

ダメ出しじゃなくて、一緒によくなっていく方法を考える。

この極意は学生時代に小室淑恵さんに教わった。当時彼女が主催するプレゼン塾に参加していて(通称「小室ファミリー」の9期幹事)、そこでメンバーのプレゼンを聞いたあとの質問の仕方のルールとしてたたき込まれたものだ。

相手が

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【図解564,565】「相手の気持ちになる」を過信しない

【図解564,565】「相手の気持ちになる」を過信しない



2019/8/25図解差し替え(人型のアイコンに変更)

【特殊型】「相手の気持ちになって考える」、そのこと自体はすばらしい。

ただし、この場合の「相手」とは、どこまで行っても「自分の想像上の相手」であり、実際の相手そのものではない。

どんなに相手の気持ちになったつもりでも、そこには限界があることも覚えておこう。

【ベン図型】自分の想像した相手と実際の相手は、重なる(同じ)部分もあるが違

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未来から見てもきれいな話し方

未来から見てもきれいな話し方

「きれいな日本語を扱う人」っていう概念がある。単語のチョイスとか、語気の優美さとか、いろいろな定義があると思うけど、『話した内容を文字に起こしてもそのまま読みやすく読める』ということがあるなあとこないだ気づいた。

5月に下北沢の本屋B&Bでやったトークイベント「自分らしさの作り方、自分らしさの伝え方。」のログミーさんの記事を読んでそれに気づいたんです。

話の中身や、その場の話しやすさとか楽しさ

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最後まで聞けない

最後まで聞けない

「仕事でいつも嫌な言い方してくる上司がいてさあ、確かにこっちがミスしたのは悪いけどあんな言い方しなくても『でも上司だって怒りたくて怒ってるわけじゃないんじゃない?そこは素直に悪かったなでいいと思「いや、でもあの言い方は流石にないわ。あんなんじゃ下がついて来な『まあ気持ちはわかるけどなあ』

という会話はよくあるのではないだろうか。

文章にしてみるとよりわかるのだけども、人の話を最後まで聞ききると

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