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こころ

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#エッセイ

ここにいるよ、ここにいる。

ここにいるよ、ここにいる。

じぶんの歩いてきた道をたとえば
白い地図に点と点でつないでゆけば
どんな線を描くんだろうって時々
夢想してしまう。

でたらめな線を描きながらも、変わらず
そこにいてくれたのは母かもしれない。

結婚もしなかったから。
離婚した母と暮らしてどれぐらいに
なるだろう。

太陽がいっぱいみたいに、わたしにとっては
まぶしいほどいっぱいだ。

昔は喧嘩もしたし、悪態もついてシカトもした。
沈黙戦を決めて

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夜は甘えたがり  主

夜は甘えたがり  主

ふわっと降りてきた夜が初めに触れるのは
こどもの小さなまぶた。
それから触れるのはそろそろ眠りたいと思っている
おとなのまぶた。

 ゜゜゜

真夜中なのに眠れなくて午前1時を過ぎ
2時を過ぎても眠れなくてほやほやしている。
夜中は怖いので声は出さない。
ほやほやするのはこっくりこっくりと舟を漕ぐ感じ。
眠れない夜に現れるわたしのなかのわたし。
ほやほやこっくりなほっくりさんだ。

夜はやんちゃに

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透明な感受性のやり場

透明な感受性のやり場

先日は食事を作らず
母と外食に出た

隣の席へお座りになった
高齢のご夫婦が上品で
店員さんにも丁寧な言葉遣い

杖をついて歩くご婦人が
転びそうになって恥ずかしかったと
頬に両手を添えて俯かれた

「ちっとも恥ずかしくないよ」ご主人は慰め

ご婦人は溢すように「ごめんなさい」

「支え合ってきたのだから
これからも
足りない部分を補い合おうね」
って、ご主人

わたし、咄嗟にこのようなセリフが出

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手のひらの小石

手のひらの小石

空や花、風景や人たち。目がくらむような朝日。
雨の降りしきる夜明けにも。
どこを切りとっても美しくこゝろに響くものが
わたしを囲むように近くにあります。
仰いでみても見下ろしてみても感情とともに
一瞬とゆう奇跡がそこにあって
それは記憶に刻まれる一瞬でもあるのです。

 ○○○

小石を集めて遊んでいた子どもの頃
かじかむ手で握りしめていた小石が
わたしのからだと同じ温度になりました。
冷たいもの

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7月の蝉と僕と彼女

7月の蝉と僕と彼女

こんな曲でも聴きながら、お読みください。

1999年7月

照りつける夏の日差しに目を細めながら、僕は外国人墓地に向かう坂道を彼女と二人歩いていた。

ミンミン蝉が忙しく鳴いている中、

彼女はふと蝉の一生にまつわる話を語り始めた。

「蝉は生まれてからずっと何年も暗い土の中にいて、実はこんなふうに太陽の光の下で鳴けるのはわずか一週間なんだよ」

「ふ〜ん、そうなんだ」

と相づちを打ちながら、

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自分へエールを送る日

自分へエールを送る日

◇◆◇
『感謝』を口にするだけなら、ナンボでも言え
人様へ「感謝しています」
告げたところで、板につかない言葉は上滑り

棲家も食べ物も神さまが与えてくれたのだから
神さまに感謝せよと言われても
神さまはそんなことを望んでいるのか、分からん

感謝は
「わたしは何を希望しているか」
ここを明瞭に自覚しないと得られないと思う

希望している物事を手にして実感でき、満足し
逆に、当然だと思っていた物事

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陽だまりのような、優しい場所のなかで。

陽だまりのような、優しい場所のなかで。

※最初は無料公開していたのですが
少しプライベートな内容を含むので有料に変更しています。

noteを書いていると
ときどき優しいと言ってくれる人がいます。

読んだ人がほんの少しでも
優しい気持ちになれたらと思って
書いているから嬉しいです。

でも、私よりずっとずっと
優しい人はたくさんいます。

きっと優しい気持ちで書けるのは
私がいま、優しい場所にいるから。

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"スキ"を"もっとスキ"にする。私のマガジンを楽しむ。

"スキ"を"もっとスキ"にする。私のマガジンを楽しむ。

今日は私のマガジンについてです。

私は毎月末に、その月に書いたこと・感じたことを
振り返る記事を書いています。

その中で、私がフォローしているnoterさんの
マガジンをご紹介しています。

先日、noterさんがご自身のマガジンを
紹介する記事を書いているのを見つけました。

記事を読んで、ふと気づきました。

私は他の人のマガジンを紹介することはあっても、
自分のマガジンを紹介することがな

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Spring 『Bling-Bang-Bang-Born』

Spring 『Bling-Bang-Bang-Born』

春めく 春めき 春めいた〜 やっほい
気分の浮き方が半端なく、今日見た花屋で桃の花
「わたしの花じゃん」

自室に入れば ♪ Bling-Bang-Bang
Creepy Nutsの『Bling-Bang-Bang-Born』

今年の冬は強風に雪が舞うことなかったので
TM revolutionの『HOT LIMIT』の出番はなく
今日も飽きずに
♪ ブリンバンバン
TikTokなどでは「BBB

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冬のお隣さん

冬のお隣さん

「あなたくらいの歳には、思いもしないような
こゝろ持ちだったのよ」

かつて、母はわたしの歳を気にかける毎に
そうつぶやいていた。
じゃあどんな風だったのと聞き返すと
「布に包むように所作を大切にするとゆうこと
所作には季節があり記憶があり、そして時があり
こゝろがあるの。
派手な見格好もよいけれど
すべてを見せてしまわぬように、布の中のものは
使える自分に達したら開きなさい」

祖母から母に譲ら

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ちくたくちくたく

ちくたくちくたく

夏生まれのわたしは空気が冷たくなってくると
少しづつ元気になります。
吐く息と吸う息の温度差を感じられることは
冬が好きな理由のひとつです。
些細なことですが。

小春のある日、てくてくとことこ、歩きます。
公園は色々なものがはらはらほろほろしています。
子どもが漕いだあとのブランコは
ゆっくりと静止に近づいていました。
巨大な石の滑り台ではたくさんの子どもたちが
楽しそうに滑っています。
下には

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noterさんのマガジンを楽しむ。ワンダーハロウィン👻🎃神無月の振り返り。

noterさんのマガジンを楽しむ。ワンダーハロウィン👻🎃神無月の振り返り。

グミの雲を渡って
キャンディ色の滑り台から
飛び込んだ星くずのプール

マーマレードの川が流れて
チョコレートコスモスが咲く

きっとそこは驚きの世界

夜を照らす水色ランタンの馬車

大きな不安、小さなときめき

どうかお願い
月夜に咲くスターチス

ドキドキしながら
世界のページをめくる

絵本の中で遊びたい
金星へ飛んでみたい

宝石の靴をはいて
金平糖のスターロード

ウインク1つで
悲し

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言葉の力

言葉の力

言葉には威力があると思います。

心がこもっていなくても「ありがとう」と言われたらうれしいですし、「言霊」というのは確実にあるのだと思っています。

でも、心からの言葉は、震えるような感動があります。

きっと

この話に出てきたマークという少年は、死ぬまで友達の言葉が生きる力であったに違いありません。

幸せは、案外転がっている

幸せは、案外転がっている

「アタシが帰る日
冬瓜のスープと炊き込みご飯が食べたい」

前々から幼なじみに言われていた通り
広島最終日は、冬瓜でもてなした

スープや炊き込みご飯以外に
秋ナスのマリネ、ニンジンと葉のきんぴら
かぼちゃのコロッケなど、地産地消の野菜を使い
月曜からまた、都内で仕事する彼女をもてなす

飛行機の搭乗手続きから時間を逆算し
朝から下ごしらえなどをして
夕方、彼女がうちへ訪れるのを待っていた

「お

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