はなまめ

誰かに聞いてもらいたい時、小さな「あっ」に 出会った時、綴ります。自然と家族のいる場所…

はなまめ

誰かに聞いてもらいたい時、小さな「あっ」に 出会った時、綴ります。自然と家族のいる場所が好きです。 豆粒のようにちまちま、ころころと 暮らしています。

最近の記事

ほころぶように ひらくふみ

古の人たちは文に詩歌を添えました。 日々の暮らしの中で俳句や短歌、詩などを 交わすことができる世の中は 楽しかっただろうと思います。 今は少し風習が変わってしまいましたが。 ここでは、少なからず こゝろが通じる場所だと思っています。 しずかな時間を与えてくれる場所だと 思っています。 コメントを交わし合うこと、さすれば 恋文にも似て この上なくうれしく思っています。 こゝろのひだを撫でるように やさしくそっと綴ってみました。 かおるように、ほころぶように ここのこの月に。

    • 花  ふるさと

      思い出を重んじるのはいつでも人。 花が咲けばその花を懐かしみ その花を思い出せばあの日あの場所あの時を 思い出し、そして誰かをも思い出す。 もしかすると花も人と同じように 持っているのではと思えてしまう、思い出を。    ***** コンクリートに囲まれた庭のない住居に暮らし始めて 数十年になる。 単純で自由だけれど、ふと寂しいなと思う。 わたしが暮らしていた実家はコンクリートとは無縁で ぬくもりにまみれていた。 当たり前のように庭と繋がった畑があり 大小さまざまな花が咲

      • なぬかの星あひ

        星空が知る はた織りの音 とんとんとん からからから とんとんとん からからから 星の川越え 諸恋行き交ふ きらきらきら さらさらさら きらきらきら さらさらさら 幾たびいくたび くりかえす あが君にあふ日 ***** 小暑の候。 たなばたや簾の外なる香炉の     けぶりのうへの天の河かな           -舞姫 与謝野晶子- 五節句のひとつ、七夕を迎えました。 古から、神ことは夜間に行われることが多く 七夕も6日の夜から7日早朝に 神さまが降りてこられ

        • greetings  ケロケロ

          雨の中には たいせつな何かが 忍ばせてあるから だから こんなにもやさしく せつないのかも しれないね 梅雨お見舞い申し上げます あなたのポストに ぽとん 雨と一緒に わたしの気持ち ぽとん ぽたり ぽとん 雨と一緒に お届けします 遅くはない 夏 始まったばかり むりしないでね ***** 雨もよう、支障があり不便さがありもしますが 食の文化が生まれたのも雨季ならではだと思います。 お味噌もお醤油も、雨季のカビから進歩しました。 そんなことを頭の隅っこに置いて

        ほころぶように ひらくふみ

          限りなくおだやかで少しさびしい短夜に

          まだ見えもしない日々を思います 青葉の下で色づくころを思います 遠からず他ならずただ思います こゝろに映る懐かしい空を思います ところどころ浮かぶ綿雲を思います 今日を過ごし明日もと思います 広い空に引かれる夏至線を思います 夏に咲く秋の桔梗を思います 吉は更にとばかりのその色たるやと ***** 夏至を迎えました。 一年の半分が終わろうとしています。 気も大きく動くころで 心身ともに大事な節目です。 夏至初日の昨日は ”太陽の元旦”とも言われます。 新年にはあっ、と

          限りなくおだやかで少しさびしい短夜に

          いのちのいろ

          父が帰る日が近づくと家の中の片づけを手伝った。 寝室に風を入れ寝具を整え 枕を頭が乗るだろう位置に置いた。 母はいつも以上にそわそわいそいそしている。 母とはずいぶん長く一緒に居られたので 明日からは父に譲ろう。 そんなことを子どもながらに思っていた。 父は長い入院からの一時帰宅だった。  。。。。◯ 父は地元特産の漆器工芸品を作る職人だった。 創作していたものはお盆や茶托、手鏡、化粧箱など。 絵付けをし、彫刻刀で花や野菜柄の文様を彫り 中には短詩を彫ったものもあった。

          いのちのいろ

          おまめの旬がやってきたー。 はなまめだもの。 まめ盛りだもの。 おまめ大好きだもの。 はなまめがそらまめ食べたよ。 今年は焼いたよ。 昨年は煮たよ。 来年は、揚げよかな。 ふっくらほくほく(*´ω`*)

          おまめの旬がやってきたー。 はなまめだもの。 まめ盛りだもの。 おまめ大好きだもの。 はなまめがそらまめ食べたよ。 今年は焼いたよ。 昨年は煮たよ。 来年は、揚げよかな。 ふっくらほくほく(*´ω`*)

          息ふ

          自分よりもはるかに大きく高い木を見上げて できるだけからだを伸ばしてスーハー。 意識して今を感じてみる。  まんなか、すべてがそこで始まり  そこに戻ってゆく そうだった。 愛すべきものがわたしのまんなかにあって いつでも定まっている。 グダグダに追われ深呼吸も浅くなっていた。 たくさんのものを欲していたいつか。 もう多くはいらない。  ゜゜゜ 暮らしに溶け込むごくごくありふれたもの。 水のつつましさを慕い、水と一緒に歩んでいる。 澄みきっていないけれど濁っているわけでは

          抱きしめてあげる

          そこは夏になれば 西に落ちる日が注ぎ 秋になれば裏の 金木犀が存在を放つ 冷蔵庫に貼ってある 読みにくい文字の走り書き こなしてきたことが ひとつずつ目に浮かぶ 一日のさんぶいちはそこにいて 朝げ夕げをこしらえて うたを詠みラジオを聴き 新聞の文字を追う 生きている匂いが漂って 戸棚の中も冷蔵庫の中も ひんやりしているのに あたたかい、温室みたいに 雨の日はこもる空気に 野菜の切り口の匂いと 油の弾く音が混ざり 帰宅を急くわたしを留まらせる 揚げたてのてんぷらを 目

          抱きしめてあげる

          夜は甘えたがり  主

          ふわっと降りてきた夜が初めに触れるのは こどもの小さなまぶた。 それから触れるのはそろそろ眠りたいと思っている おとなのまぶた。  ゜゜゜ 真夜中なのに眠れなくて午前1時を過ぎ 2時を過ぎても眠れなくてほやほやしている。 夜中は怖いので声は出さない。 ほやほやするのはこっくりこっくりと舟を漕ぐ感じ。 眠れない夜に現れるわたしのなかのわたし。 ほやほやこっくりなほっくりさんだ。 夜はやんちゃに違いない。 いじわるされてもおちょくられても 捕まえることはできない。 おまけに

          夜は甘えたがり  主

          不思議なポッケに入りこむ  序

          初対面の抽象的なアート 理解不能な感覚とからくり わたしの目はそれらよりも 異次元の秘密を 共にすることから始まった 奇妙な力を感じて 日常に暮らす姿を想像し 同時に夢物語と知りながら 無遠慮に歩み寄れた喜び 君の世界に触れられて ゜゜゜゜゜ 夕方、幼い匂いをさせて 聞かせて、聞かせてと こゝろをみせる子。 呼吸音がやや早まり 育っているなと感じる瞬間。 わが子のうぶな世界が 開いて広がってゆく。 楽しんで、夢見て、そして あなたとおしゃべりする。 「未来のことはわか

          不思議なポッケに入りこむ  序

          花水木の長く続く道を歩きながら

          春の暮れの日差しが新緑をますます健やかに 木々を喜びに湧かせ輝きを放ち始めました。 日に透けるような頼りない若葉も 次第に緑を深め力強い姿でそこにあります。 見頃を迎えた花水木。 花名は根から水を吸い上げる力が強く 枝には滴るほどの水を含んでいることから 名付けられたとゆう、水の木。 水を飲む人のように、そして人と関わるように。 赤や白く花のように見えるのは色づいた苞葉。 花は苞葉に守られて中心に小さく可憐に咲いています。 花水木は葉脈を愛おしみ苞葉を楽しめる樹木です。

          花水木の長く続く道を歩きながら

          花   吾子のうるはししをり

          道を通って道を曲がって 見つけたはるの贈り物 さくらの散る音に耳をすませて ぽろぽろ思いだすことがある 遠いむかしへ渡るように いつでもそばにあるように 見えない目にひかりをともしたい こゝろがしずまるころ さくらはほとほとほとり ふくらかないくつもの ひかりの珠を降らせてくれる しあわせの重さは花びらくらい 沁みるほどにやさしくて 手を伸ばして触れたくなるのは こゝろに傷があってのこと 散りゆくことも花のひと日。 花見送ることも人のひと日。 ***** 出遅れたけ

          花   吾子のうるはししをり

          手のひらの小石

          空や花、風景や人たち。目がくらむような朝日。 雨の降りしきる夜明けにも。 どこを切りとっても美しくこゝろに響くものが わたしを囲むように近くにあります。 仰いでみても見下ろしてみても感情とともに 一瞬とゆう奇跡がそこにあって それは記憶に刻まれる一瞬でもあるのです。  ○○○ 小石を集めて遊んでいた子どもの頃 かじかむ手で握りしめていた小石が わたしのからだと同じ温度になりました。 冷たいものがあのようにこゝろある姿に 変わったのです。 小石をポケットに入れて時々手のひら

          手のひらの小石

          泣いている子どものように 布団の中で丸まっていても季節のたよりが 届きました。外の風にさくらに触れたい…。 感染症で弱っていたからだに 別のウイルスにも感染しこゝろもからだも ほろほろ。 ご心配をおかけし申し訳ございません。 少しずつになりますが 息づいてまいりたいと思います。

          泣いている子どものように 布団の中で丸まっていても季節のたよりが 届きました。外の風にさくらに触れたい…。 感染症で弱っていたからだに 別のウイルスにも感染しこゝろもからだも ほろほろ。 ご心配をおかけし申し訳ございません。 少しずつになりますが 息づいてまいりたいと思います。

          こゝろ弾みます

          拝啓  お元気ですか  お変わりございませんか  寒さが日に日に  ゆるんできたように思います  ふゆの寒さの価値を  ぬくもりのありがたさを忘れはしません  凍える地中で静かに眠ることの意味も  わかっています    けれども  わけもなく うれしくて  わけもなく しあわせで  こゝろもからだも  ふわふわしてくるのです  深く息をすると風の中に  ちいさな なにか が  うふふ うふふふ と  笑っているように聞こえます  なにか に なにか が   たくさん

          こゝろ弾みます