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息ふ

自分よりもはるかに大きく高い木を見上げて
できるだけからだを伸ばしてスーハー。
意識して今を感じてみる。
 まんなか、すべてがそこで始まり
 そこに戻ってゆく
そうだった。
愛すべきものがわたしのまんなかにあって
いつでも定まっている。
グダグダに追われ深呼吸も浅くなっていた。
たくさんのものを欲していたいつか。
もう多くはいらない。

 ゜゜゜


暮らしに溶け込むごくごくありふれたもの。
水のつつましさを慕い、水と一緒に歩んでいる。
澄みきっていないけれど濁っているわけではなく
自分が心地よいかどうかをみていたい。

とろとろ流れてはゆらゆら振るう、そうして
わたしもまた混ざりもののいちぶだと気づかされる。
それは時が溶けるように瞬く間に姿かたちを変え
思わぬ瞬間はいきなり起こったりするのだけれど
うねる時、あふれる時、飛び散る時も水の流れと泡感に
飽きることなく寄り添っていたいと思うし
澄んだままいたいと思うし、澄ませてあげたいと思う。
からだの中でパシャパシャする気持ちのこと。

 ゜゜゜


色も光もふくらんでゆく。
濃い緑風に乗って、もしもこのまま弾けず飛んでゆくと
どんな空が待っているのだろうと思う。

こぼれ落ちるものは多くあれど
消えゆくあぶくは重たいもののような気がする。
どんどん大きくなって重くなってゆく。
重くて大きいからいつ落ちてきてもよいように
からだを張っている。悲しくもない、寂しくもない。
ただぼんやりとした明るい陽の中で
楽しそうにこぼすことにする。
あどけなくふざけてこぼすことにする。

こゝろの数だけ涙をこぼすことにする。


 *****


わたしが自然を見ているのと同じように
自然もわたしを見ていました。
ひとつの空を分け合いました。
ひとつになる川を分け合いました。
ひとつの芽から育つ木を分け合いました。
今日できることは全部しました。

空と水と緑と風と・・・
こどもたちの声に癒され息うた日でした。


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